見出し画像

オートレースはもっと人気になっていい

公営競技」とメディアやテレビで言われると、そのあとに続くのはだいたい競馬、競艇、競輪だ。いやいや、オートレースは? と。先の3つの公営競技の中では確かに競技人口も、レース場も少ない。でも、迫力はどの競技にも負けない。オートレースは最後までわからないレースが多いので見ていて飽きない。だから、オートレースはもっと人気になっていいのではないかと思う。

画像1

 関東のオートレース場は今、川口と伊勢崎だけになる。船橋オートレース場は数年前になくなってしまった。オートレース発祥の地と言われる船橋が早々になくなり、オートレースも最早衰退の一途を辿るのかと思われたが、全国的に根強いファンはいる。

 とはいえ、全盛と比較すれば売り上げが減少傾向にあるのは否めない。そのため、通常開催はともかく、グレードレースになるG2、G1、そして最高グレードのSGもそれぞれ賞金額はぐっと減った。そのため、選手の平均収入は公営競技の中では高額になるものの、最高獲得賞金はあまり高くないのが現実のようである。

画像2

 先に言っておきたいが、ボクはギャンブルとしてのオートレースはよく知らない。賭け方は競馬とかと同じで、1位になる車番、1~3位になる車番を当てるなどの買い方だ。

 元々ボクは選手になりたくてオートレースを見ていた。バイク便のバイトをしていたときに事故に遭ってしまい、ちょっと休んでいる間になにかの本でオートレースを見かけ、バイク便で使っていた地図を見ていたら、川口オートレース場が自転車で行けるくらい近かったので見に行ったのがきっかけだった。

画像3

 当時はまだ騒音規制とかがなかったのか、マフラーは完全直管だったはず。だから爆音がすごくて、まずその迫力に驚いた。

 さらに、初めて観たレースは亡くなったGPライダーのノリックの父親、阿部光雄が走っていて、別の車にぶつけられても転倒せずに走っていた。これにボクは魅了された。

画像4

 オートレースはこういう専用車両を使う。スズキ製のセアと呼ばれる600cc(だったかな)のエンジンを積み、選手が自分ですべて整備する。ハンドルはオーバルコース(左回りの円形コース)に合わせて左側が上がっている。しかもブレーキがない。

 ヨーロッパではダートコース(未舗装のコース)をドリフトしながら競走するバイクレースがある。オートレースの原型はそれだと言われ、先の船橋オートレース場は当初ダートコースだったとか。その後舗装路になり、かつトライアンフだとか、日本のエンジンメーカーがいろいろあったが、スズキに統一され、日本独特のレースになっている。

画像5

 部品からなにから、すべて共通のものなので、基本的にはみな同じ条件でレースをしている。その実力での勝負というのにもボクは惹かれ、第25期選手候補生の試験に挑んだ。まあ、落ちたから今タイにいるわけだけど。元SMAPの森くんが合格した年といえば、なんとなく憶えている人もいるかもしれない。

 その直後にボクはタイに来るようになってしまったので、以降の試験は受けていないが、人生をやり直せるなら、もう一度この時期に戻って選手候補生試験を受けたい。

画像6

 ギャンブルとしてのオートレースはどの公営競技よりもわかりやすいのではないかと思う。レースが終わるとすぐに次のレース出場者の試走が始まり、タイムを見ることができる。あとは選手の実力や、並び順、近々のエンジンの調子を番組表で見て予想していく。

画像7

 選手になりたかったころは何度かレース場に足を運び、ずっと椅子に座ってレースを見ていた。でも、ざっと見た感じは車券は窓口で買うものだったはず。

 その後、ずっとレースは生で観ていない。というか、タイに来てしまったので、全然思い出しもしなかったのだが、30代に入ってネットが充実してきて、YouTubeにたくさんオートの動画があることを知って、再び観るようになった。といっても、ギャンブル目線ではなく、あくまでもモータースポーツの一種として観ている。

 数年前、20年以上ぶりに川口オートに行った、しかし、試走を見たところで予想の仕方がわからない。しかも、車券は機械で買うようになっていて、ますます意味不明になっていた。ボクが機械音痴なだけなんだけど。

画像8

 普通のモータースポーツはレース場のチケットを買って、だいたい決まった場所で観戦する。しかもメインレースは1日1レースしかない。

 その点、オートレースは数日間開催され、しかも1日だいたい12レースくらいある。レース場も500メートルくらいの円形なので、1レースを見終わったら違う場所に移動して、別の角度から観戦することもできる。

画像9

 直線では時速150キロ近く、カーブでも100キロは出ているということで、迫力はある。最近はナイターも開催されている。

画像10

 あと、公営競技場の飯屋というのは安くてうまい店が少なくない。川口も例外ではない。ビールを飲みながら(確かビールはあったはず)、もつ煮とかヤキトリとかを食べながらレースを待って、始まったら席で観戦して。最高の暇つぶしだ。

 オートレースはバイク好きにはたまらないと思う。なぜみんな見に来ないのか。知名度が低いのが決定的な弱点ではある。ボクもオートレースをもっと広めたくて、いろいろな出版社にネタを持っていくのだが、箸にも棒にもかからない。

 売り上げ減少があるのなら、ギャンブル好きなタイ人とか中国人とかも誘致して、金を落としてもらえばいいのにとも思う。タイの旅行代理店に企画を持ち込んだこともある。でも、やっぱり知名度なんだな。特にタイには存在しない、日本独特のレースであり、ギャンブルだから。タイ人にギャンブル好きで、バイク好きは多いのだから、チャンスは大きいのだが。

 外国人なので税金の関係もある。その場合、たとえば外国人窓口を設けて、払戻金を税引き後にしてあげるとかにすればたくさん集まってくるだろうに。あるいは、旅行代理店がそのあたりをしっかり納めるシステムを作って旅行パッケージに組み込むとか。

 川口オートレース場は今は最寄りは南鳩ヶ谷駅になるのかな。でも、たぶんここからは無料シャトルバスは出ていないはず。JRの川口駅か西川口駅からは無料のバスが出ているので、都心からくる人はそっちの方がいいかも。詳細は上記オートレースの公式サイトで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?