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逆イールドカーブが示す米国経済のリセッションリスクについて


こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
米国10年債券と2年債券の長短金利差がなくなる(逆転する)現象、いわゆる「逆イールドカーブ」が発生すると、歴史的にはリセッションの前兆として注目されています。
以下に、その理由と背景を説明します。

それではどうぞ!


通常のイールドカーブとは?

まず最初に通常のイールドカーブは、異なる満期の債券の利回りをグラフにしたものです。
通常、短期債券の利回りは低く、長期債券の利回りは高くなります。これを「正イールドカーブ」と呼びます。

今回の逆イールドカーブとは?

逆イールドカーブは、長期債券の利回りが短期債券の利回りを下回る状態です。これは、投資家が将来の経済成長に対する不安から長期債券を購入していることを示しています。長期債券への需要が高まると、その価格が上がり、利回りが低下します。

逆イールドカーブとリセッションの関連性

経済成長への懸念

逆イールドカーブは、投資家が将来の経済成長に不安を抱いているサインと見なされます。特に、中央銀行(例:FRB)が金利を引き上げ、短期金利が上昇する一方で、長期の経済見通しが暗いと予測されると、逆イールドカーブが発生します。

リセッションの予兆

過去のデータを見ると、逆イールドカーブが発生した後にリセッションが起こることが多いです。例えば、1980年代以降の米国において、逆イールドカーブが発生した後、約1~2年以内にリセッションに突入しています。

下の図では薄黒い部分がリセッションです。
中央の金利差がゼロになった1〜2年後リセッションになりやすい傾向は確かにありそうです。

1976年からの長短金利のグラフ。薄黒い網掛けはリセッション時期

リセッションの要因

中央銀行の政策

FRBがインフレを抑制するために金利を引き上げると、企業や個人の借入コストが増加し、消費や投資が減少します。

このことが経済成長の減速につながり、最終的にリセッションを引き起こす可能性があります。

景気循環

経済は周期的に成長と縮小を繰り返します。逆イールドカーブはこのサイクルの縮小期(リセッション)に差し掛かっている可能性を示す一つの指標です。

現在の状況

現在の経済状況や政策を考慮すると、逆イールドカーブが発生しているかどうかを注視することは重要です。また、それが必ずしもリセッションに直結するわけではなく、他の経済指標や要因も総合的に判断する必要があります。

2022年2月頃〜2024/07/26現在の長短金利

結論

逆イールドカーブが発生すると、リセッションの可能性が高まるという歴史的な傾向がありますが、それが必ずリセッションを引き起こすわけではありません。中央銀行の政策、消費者の信頼感、企業の投資行動など、複数の要因を総合的に判断する必要があります。
そしてリセッションは体感できるものではなく、振り返った時にあの時がリセッションだったのだと気がつくものです。
株価は先に反応するでしょう。


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