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旅先の食で迷うとき:「ご当地メシ」とチェーン店

地元にないチェーン店

修学旅行で自分の地元より都会に行った生徒が取りがちな行動の1つに、「地元にはないチェーン店に入る」というものがあります。

この行動は賢いですね。
自分の普段の行動範囲にない、でも大都市の人々(主に芸能人)が当たり前に話題に挙げてくる店に行く。これもまた見聞を広めるという点で正しいです。

大人が旅先で食べるものを選ぶ場合も同様です。
たとえ大きなチェーン店であっても、地元にないものはすべて「旅先ならではの食」となり得るのです。

「関東だけ」「関西だけ」のチェーンは数多くありますし、他の地域でも同様です。

チェーン店といっても、例えば北海道函館市で有名なハンバーガー店だってそのエリアに「チェーン店」を持っていますが、商圏の狭さから完全に「函館の味」と看做されるわけで、その商圏の外の人からすればローカルフード扱いとなります。

判断がつきにくいのは、地域性の薄いチェーン店、大手のグループに属するファミリーレストランや牛丼屋のようなお店でしょう。

私としては「地元の北海道で食べられなければ旅先の食ってことでいいよね」にしてはいます。例えば「西日本のみ」のチェーン店なら、北海道とは異なる味の傾向があるはずですからね。

これは、「普段の行動範囲にあるものでなければ全部思い出にはなる」、という考え方を元にしています。

さて、ここまでご覧になり「そうはいっても、ファミレスだしなー」と思う方もいると思いますし、それも妥当だと思います。これらの店は、外食を制限する6要因のうち「好奇心」が働きにくい種類の業態なんですよね。特に「あの特産品とかまだ食べてないのになんでファミレス?」みたいなことであれば、尚のことです。


チェーン店と好奇心

食に対する好奇心が働く条件にもいくつかのタイプがあるように思います。例を挙げると、

・好き嫌い
・行動範囲内での希少性
・憧れ
・話題性
・価格帯
・冒険心

地域性の薄いチェーン店への好奇心を考えるにあたって、「行動範囲内での」希少性は大きく関係するでしょう。
「自分の住む藤沢市にはないけど東京なら都内まで行けばある」なら、自力で東京に行くのにお小遣いが足りない小中学生には希少性が高く、交通費が出せる人や通勤通学定期券を持つ人には希少性が低くなります。
(ちなみに2024年5月現在、JRでは往復約2000円かかります。)

話題性は、流行の料理を出している店でなら「今流行りのこれが食べられた」という満足度を得られます。中にはシュクメルリのようにチェーン店発信の流行もあります。

チェーン店は「ある程度値段が読める」という利点を持っています。
牛丼チェーンで1000円を超えることはあまりありませんし(ハンバーガーチェーンはお店とオーダー次第になってきましたね…)、レストランだと飲み物代が意外とかかることもありますが、ランチだとそこが抑えられることもあります。
特に田舎の中高生にとって、修学旅行の自由行動で昼に1000円出せるとなれば、「憧れのチェーン店」に突入する選択があるのは当然です。

ところが、都会が普段の行動圏にあり、一食の予算がある程度予算が積める人(お酒なしで2000円、お酒ありで4000円以降でしょうかね)になると、「ファミレスか…」になると思います。この価格帯になると、専門店で食べる名物が食べられるようになってきますので、チェーン店の優位性が下がっていきます。

名物を食べたいという同行者がいる場合、「高いけどサービスが良いというロイヤルホストに行ってみたい」とか「松屋のバズった限定メニュー食べてみたい」とかの理由がないと、なかなか同意してくれないでしょう。

冒険心が働かない人にはむしろ、チェーン店の優位性が働きます。「松屋は地元に無いから食べたことはないけど、牛丼チェーンだからある程度想像がつく」というのは強いです。
全国的なチェーン店でも、所属する料理人のオリジナルメニューや地域に合わせた限定品を出す店がありますので、そういう店は「定番を食べたい人」「地元の味を食べたい人」の両方を満たせますね。


いざという時のチェーン店

全国チェーン店の味の均一性には、「いざという時の避難先」としての機能もあります。

例えば「地元の味付けが自分に合わない」という緊急事態で、助けになるのが全国チェーン。
いざという時の吉野家、いざという時のマクドナルド。そこにあるだけで安心できる店という位置づけで考えることもできます。

私はこの枠にカフェチェーンを置いています。私単独なら問題ないですが、ガツンと食べたい人と連れ立って行くには迷惑な避難先ではあると思います(ノ∀`)

また、地方に行くとそもそも店が見つからないということもあります。そういう場合でも駅前やロードサイドにチェーン店があることが多いので、「食べ損ねる前にチェーン店に入る」という選択をするのも良いでしょう。

(持ち帰りも加えるなら、コンビニチェーンにあるようなものは万人受けするものが多いですから、それで乗り切るという手もあります。)

旅先でチェーン店はちょっと…と思っていても、場合によってはチェーン店が心強い味方になることはあります。うまく利用していきましょう。

もしかすると、「入ってみたら地元と雰囲気が違うなー」というような発見もあるかもしれませんよ。

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