2021年 日本国内の映画興行についての考察(その1)
12月1日開催されました第66回「映画の日」中央大会で、迫本淳一委員長(映団連会長/松竹社長)は国内の映画興行の状況について話をしました。
国内の映画興行の状況は、現在までの上映作品では、まず邦画で、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が約103億円と大台を突破した。他にも『名探偵コナン 緋色の弾丸』が76億円、『竜とそばかすの姫』が65億円、『東京リベンジャーズ』が45億円、『るろうに剣心 最終章 The Final』が44億円、『新解釈・三國志』が40億円などの好成績を上げた他、いくつもの大ヒット作が生まれている。
一方、洋画に目を移すと、邦画とは打って変わって、非常に厳しい状況にある。作品としてはまず『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が約36億円の大ヒットとなった。続いて現在上映中の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が30億円をうかがえそうな大ヒット、『ゴジラvsコング』が20億円ほどの大ヒットと聞いている。洋画は昨年同様、ハリウッド大作の公開延期が相次いでいた影響がぬぐえず、例年よりもヒット作数が激減していると聞いている。
邦画洋画の興収を合わせると、現在までの統計では、昨年対比約135%程度となっているが、コロナ禍前の一昨年対比では約57%となっており、まだまだ回復途上という印象だ。
2019年の興行収入が2611億円、2020年が1432億円だったので、2021年が『昨年対比約135%程度、一昨年対比では約57%』と言うことは、単純計算すると
■2611億円X 57%=1488億円
■1432億円X135%=1933億円
昨年は10月から「鬼滅の刃」の公開があって、10月~12月の数字が大きかったことを考えると、一昨年の数字の方が近いのか? となると2021年は2020年と最終的にはそんなに変わらない着地数字か?
ちなみに邦画/洋画の内訳は
2019年 邦画:1421億円 洋画:1189億円
2020年 邦画:1092億円 洋画:340億円
2021年11月末までの主要15配給会社興収合計1265億円(邦画:1090億円 洋画:175億円)と概算。これが『ハリウッド大作の公開延期が相次いでいた影響』を示している?アメリカの映画館は4月頃から再開され、新作も封切られている筈なのですが… (続)
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