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期待しない優しさ

学校の文化祭って、クラス一丸となって取り組むもの。

・・・っていう価値観を当たり前と思ってはいけないな、と思う昨今。

一生懸命やるのももちろんいい。でも、苦手でもいい。
参加できなくてもいいじゃない。
そんな感じで、ちょっと遠目から観察して、適度にサポートすることを心がけてます。

今年、クラスの室長のY。いつも明るく元気いっぱい。
高校生最後の文化祭、うちの学校の目玉はクラスのステージ発表。3年生はクオリティ高く、どのクラスも優勝を目指す。
当然、優勝したい。

・・・けど、みんながみんなやる気というわけではない。
やる気がないことを責めちゃいけない。その子たちにも理由があるし。
第一、怒っちゃったりしたら楽しくなくなっちゃう。

「だから、もうとにかく笑顔で!楽しもうってことを伝えてるんです!」

教員の目から見ても、「うわあ、忍耐強い・・・」と感心するほど、
丁寧に、優しく明るくみんなに声をかける。

ちょっと目を離すとサボり出したり逃げ帰ってしまったりというのがうちのクラス。

陰で、「はあ」ってため息はつくものの、

「しゃーない!しゃーない!残ってくれた人たちありがとう〜!!」

やる気のない人たちに対して怒り出す人たちをもなだめながら。
「だってうちのクラスだよ!? しょーがなくない?笑」

本番間近になって、大半が練習に協力してくれるように。
前日は、校外の施設を借りて夜みんなで練習したそう。

でも、まあ、練習時間は他のクラスより足りないわけですよ。
一部がどれだけ頑張っても、団体ですることは、みんながどれだけ熱量を費やしたかが結果に如実に出るもんです。

それでもね、担任の目からしたら、よくぞここまで仕上げられたな、と感動すら覚えました。上出来ですよ。

しかしながら、他のクラスには敵わず。

あれだけずーっと笑顔を絶やさなかったY、号泣。

その姿を見て、きっと他の子も思うところがあったんじゃないかな。

泣きながら、一人一人に「ありがとう」と声をかけていました。

「みんなでやらなきゃ」という同調圧力がかかりやすい学校行事は、生徒にプレッシャーがかかることが多い。一緒にやるのが苦手、というのもあり。ゼロか100かとかじゃなくて、その間があっていい。

参加できようができまいが、どちらでも、経験として思うところあり、学ぶことあり。

「みんなが協力してくれない!!」っていう不満は出やすいもので、よく気持ちもわかるのですが、Yはそういうことを出さずに、「自分の考え方次第」という風にうまく流していました。すごいな、と心底思いました。

「ちゃんと、見てるよ。あなたはすごい。」
こっそり、Yには折りに触れてそう伝えていました。

陰で思いを拾って、あとは生徒たちにやりたいようにやらせるのが担任のつとめ。
この時期は、いろんな子のガス抜きに回ります笑

お疲れさま〜〜〜!!

学校行事はね、やっぱり、面白い。

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