兵士とセージ(途中)

男:兵士とセージ(A soldier in Sage)

しばらく意識があった
目の前の緑より先に
ある匂いが鼻を包んでいるのに気づく
久しぶりだ
何がって、こんなにも香りを味わうことが
時間がなかったとは言えない
消えていくのは罪悪感でもあって欲しかった
それはセージだった
今だけ私の魔除けになって欲しい
顔さえいよいよ包み込むほどに
香りは傷みを、汚れを清め始める
悪しきものはここにあらんとばかりに
お前の肉体が邪魔だと言わんばかりに
私は今喜んでいる
何故かは、まだ分からない

女:私が欲しいもの(All I want)

少し静かにして
あなたが騒ぐと気付けない
ほんの小さな物音でも
私には今返事をする必要がある
その花がどんな色に見えても
誰かを繋ぎ止める話題はある
それでも満たされないのは

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