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映画 ドリス ヴァンノッテン 手記

自分が以前、映画館での走り書きしたメモです。

ものづくりに関わる人の人間性や背景を知る。それにより、自身のスタイリングや、接客にいかせればと思います。
また、扱うものへの愛着が湧けば、なおいいです。デザインという感覚的なものを、言語化。

【概要】

25年間一度も休むことなく メンズ レディースのコレクションを発表してきた。

2015年春夏の舞台裏から 念願の2016パリ オペラ座での2016メンズ秋冬コレクションまでを取材。

アトリエでの生地選び、デザインの過程、スタッフとのミーティング、着想の源。

それぞれがクリエイションに関わる大切なこと。
その背景には、人がつくっている。
人と人の関わりあいや、チームの協力の積み重ねがある。
それをフォーカスした映画になっている。
創作活動の源泉が自身の生活からくるもの。
季節ごとに表情かえる花園や家庭菜園。
そこで取れた野菜を調理して食べる。
部屋に花を飾る。
延長にコレクションワークがある。

【関わる人からみたドリス評】

『職人的デザイナー』

『意外性』

『色 サイズバランスの調和』

【 時代を超えたタイムレスな服】

ドリス曰く、寝ても冷めても、そればかり考えてる。

ファッションという言葉は嫌い。別の言葉を考えなければいけない。半年で寿命尽きない、タイムレスなものだから。

ファストファッションは飽きる。

ドリスの服は数ヶ月後、数年後 、手に入れた時とは違う別の着方できる。

その人と一緒に服が成長できる服。

その人の個性になる。

着る人の個性に染められる。アレンジがきく服。

→祐真朋樹氏談

何かを育て、刈り取る。

そしてその種を活かしてまた育てる。

このサイクルこそ、クリエイティブビジネスに繋がるヒントがある。

まさに彼の菜園で花や野菜を刈り取るように。

エコロジーや環境問題を考えた後、ファッションについて振り返ると、その商品サイクルは無駄以外の何者でもないと考えさせられるときがあった。

しかし彼の作品をみるとデザイナーとしてあるべき姿を読みとれる。

ドリスには階層意識がない。

芸術 民族 ポップカルチャーなど、あらゆるジャンルをかけ合わせて一つのものをつくる。

両極端をあわせるのが得意。 例えばクラシックなものと漫画とか。

また、多種の時代背景があるものも、時代を同列にみる。

それがこのブランドの楽しみでもある。

【ショーについて】

ショーは挑戦。慣れなんてとんでもない。ショーはビジョンを示すもの。後は着る人が自由に着てほしいと考えている。

ある年では晩餐会方式のショーもあった。長いテーブルで食事が提供されたかと思うと、そのテーブルは次の瞬間にはランウェイになった。新作を纏ったモデル達がテーブルを闊歩した。

2000年頃は一時期、自分らしくないシーズンもあった。そんな時代も貴重な体験すべき時代だった。そこで、真の自分らしさに気づいた。

だからこそ、15年間待ち続けた念願の2016秋冬メンズのパリのオペラ座のショーは念願だった。

【ものづくりについて】

まずはストーリー と、人物像から思いうかべる。だから生地必要。

幸いドリスは生地恵まれた環境にいる。

生地屋との関係性から、いい生地を紹介してくれる。

【要素と要素の組み合わせの妙】

組み合わせの比率が大切。

やりすぎでもなく、普通過ぎることもない。

新鮮さを探る。ベストな組み合わせを探る。見つけようして見つけらことはできない。モデルに試作品を着てもらい、そこに生地と生地を手で合わせながら見つけていく。地道なアナログな仕事。

【表現手法と刺繍について】
美の表現のあり方を覆したい。
インドの美に関心を持つようになった。
90年代 ミニマリズム全盛の当時。それに対するアンチテーゼ。

ドリスの服は刺繍とのセット。 彼自身、刺繍は尊いものと考えている。 手仕事への敬意。
インド コルカタに工房をもつ。 インドの手仕事、職人を保護していく。 現地にアントワープからドリス側のスタッフを駐在。モードとは無縁の場所から、作品をつくりあげていく。
駐在ドリス側スタッフから、インドの職人への細かい指示とお願い。
言語 文化 習慣の壁を超えてコミュニケーションの積み重ねから製品が出来上がる。
例えば、刺繍の厚さや、ニュアンスを一つ一つ話しあい、お願いしていく。エレガンスに縫うことを大切にしている。
【色彩について】
私生活から色彩の組み合わせを 研究している。
例えば、インテリアは、色の繰り返し。配置とバランス。すると全体の調和がはかれ、馴染んでくる。差し色は大切。彼の場合は黄色と決めてる。そこから自分の色彩感覚を養う。
白は真っ白か、生成りか大きな違いがある。
色のトーン大切にする。
例えば、白に鮮やかな色組み合わせると、鮮やかすぎる。そういう時は、レディースの服に、メンズの生地を持ってきて少し落ちつかせ馴染ませる。

【ドリスのルーツ】
アントワープ王立アカデミー卒業。
その当時は1977年、パンクとイタリアモードが全盛だった。そこから他の要素をクラシックに組み合わせるようになる。
当時はベルギーはファッションは盛んではなかった。だからこそ、ベルギーで生まれた服をつくりたかった。
ベルギーの実家がテーラーなので、クラシックなの服いつもみてた。わざと悪趣味をいれ、ヒネリをきかせる。
実際に着ることができる現実感を大切にする。上品すぎないように。例えば、シルクも普段着にできる服などをつくる。
【ビジネススタイル】
ライセンスビジネスをしない。
広告は一切しない。自己資金で活動。
手軽なアクセサリーや小物に力をいれない。
服で勝負する。
【働き方、仕事について】
今は自分含めデザインチームとしてモノをつくってる。
ボスとして、周りの人にモノを作らせない。ただし丸投げもしない。
自分が手を動かしながら、方向性を皆に示し、皆でモノをつくり、最終自分が判断する。

周囲にファミリーつくる。
一言で通じあえるようにする。