2019 MOVIE RANKING

今年は結局劇場で63本、自宅29本で Total 92本。最近全然100いかなくなっちゃったな。
いや、しかし映像は通年並以上にかなり観て過ごした印象があり、たぶんゲーム・オブ・スローンズ全73話を完走したせいで、映画に絞って数えると少なかったのかもしれない。
その中から例年通り劇場で新作として鑑賞した分だけでいきます。
では、以下全ランク!


特別枠 アベンジャーズ エンドゲーム

第1位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
第2位 アメリカン・アニマルズ
第3位 ハウス・ジャック・ビルト
第4位 スパイダーマン スパイダーバース
第5位 バイス
第6位 クリード 炎の宿敵
第7位 マリッジ・ストーリー
第8位 愛がなんだ
第9位 アイリッシュマン
第10位 グリーンブック
第11位 ジョーカー

第12位 ビューテイフル・ボーイ
第13位 スパイダーマン ファー・フロム・ホーム
第14位(同立) ヒックとドラゴン 聖地への冒険
         トイ・ストーリー4
第16位 アス
第17位 ホイットニー ~オールウェイズ・ラブ・ユー~
第18位 ザ・バニシング - 消失 -
第19位 ファースト・マン
第20位 ターミネーター ニュー・フェイト

第21位 女王陛下のお気に入り
第22位 ブラック・クランズマン
第23位 スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け
第24位 新聞記者
第25位 運び屋
第26位 きみと、波にのれたら
第27位 凪待ち
第28位 クロール 凶暴領域
第29位 ジョン・ウィック パラベラム
第30位 ゴールデン・リバー
第31位 真実 特別編集版
第32位 ビール・ストリートの恋人たち
第33位 エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ
第34位 旅のおわり世界のはじまり
第35位 ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
第36位 半世界
第37位 暁に祈れ
第38位 シャザム!
第39位 ラスト・クリスマス
第40位 宮本から君へ
第41位 ボーダー 二つの世界
第42位 ドッグマン
第43位 ロケットマン
第44位 スノー・ロワイヤル
第45位 劇場版 シティハンター 新宿プライベート・アイズ
第46位 シークレット・ヴォイス
第47位 サスペリア
第48位 ライオン・キング
第49位 グレタ GREATA
第50位 キャプテン・マーベル
第51位 ドクター・スリープ
第52位 トールキン 旅のはじまり
第53位 チャイルド・プレイ
第54位 ダンス・ウィズ・ミー
第55位 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
第56位 永遠に僕のもの
第57位 IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

<ルール>
2019年に「劇場で」観た新作(※リバイバルなどはカウント外)
今年公開の作品は後追いでみたものもいくつかあるのですが、”新作タイミングで劇場で”縛りを入れているためランクからは外しています。


2019年はいま振り返ってみても壮絶な映画当たり年であり、それと別にしてもメモリアルな話題作の多い一年だった。
後者に関し顕著なのはやはりスター・ウォーズやトイ・ストーリーなど大きなヒット作が軒並み完結に踏み込んだ続編が作られたことや、
今ごろそれをやるのか!?といったものを含むリブート/続編(チャイルド・プレイ、シャイニング、サスペリア、ターミネーターなど)、
あとは大ネタ(ゴジラ、IT、ライオンキング、ドラクエやルパン、シティハンターなど)を含み予告編公開時点で大いに沸いた作品が目白押しだったことは記憶に新しいです。
天気の子やアナと雪の女王2、アラジンなど大物を逃しているくせにランキングをしていることに大きな引け目を感じてはいるのですが、
こういった文脈の中でも話題性・時事性・期待、すべてを桁違いに背負ってなお、ほぼ文句なしと言える幕引きをしてみせた
「アベンジャーズ エンドゲーム」がずば抜けた大事件だったと思います。
もちろんコレ単体が全てをしのぐ完璧な一本とは言えないでしょう。
でもオレにはこの作品に1位以外の数字を載せることがどうしてもできない。
よって自分としてはランクから特別に外すという殿堂入りのような扱いにしてしまいました。
これをやったのはおよそ10年ぶり、「マイケルジャクソン This Is It」以来のことです。

これだけのBig budget超大作でありながら!ここにつながるMarvelシリーズ全22本を観ていない人への配慮など、変なマーケティングににおもねることがほぼ皆無で、それでいて初心者を全く突き放すわけでもない。
しかし細かい細かい要素をひとつずつ拾い、あらゆるキャラクターの宿命がすべて決着され、
「これまでのすべてがここに結集!!これで終わりだ、みんなありがとう!」と言われてるとしか思えない大団円中の大団円で終わった本作。
やべぇ、これ書いただけで涙ぐんでくる。
ここまで自分たちの歩み、キャラクター、すべてのファンへ盛大な祝福を捧げて終わるエンドロール観たことないですよ。
全世界での公開最終日、明日からスパイダーマンが始まるから今日でおしまい、という6月27日その最終回の品川IMAXにも行きました。3回目だったけど。
いよいよ最後の方、スティーブがタイムトラベルに行く前に親友バッキーと向かい合う場面。「バカはやるなよ」のとこですね。
この台詞もキャプテンアメリカ 1作目、9年前のあのシーンと対になってる名台詞ですよ。でもわかんなくても泣けるんだけど。
しかし覚えてると倍泣ける。この映画は全編この調子で、あらゆる場面に「歴史」がさりげなく散りばめられてる神話のような1本なんです。
このあたりで既に鼻をすする音とか周りからしだす。つまりもう周りもオレみたいなやつばっかりなわけですね。絶対初見じゃないわけ。
そこからのエンディング、初期アベンジャーズメンバーにとっておきのBig upを捧げる死ぬほど大げさなエンドロールでは、
「Jeremy Renner(バーン!)」 観客)パチパチパチ!!
「Mark Ruffalo(バーン!)」  観客)パチパチパチ!!
とひとりひとりの名前に対してリスペクトと感謝の大拍手。そして最後に
「Robert Downey Jr.(バーーン!!)」 観客)ウォーーーー!(パチパチパチ!!)
大歓声と壮大なTheme of Avengers大音量ともう何がなんだか、なにこれ?ここ日本?…夢?と見紛うような、非常に幸福な体験でした。

オレ別にMarvel大ファンってわけじゃなかったし、確かにアントマンとか超好きなのもあるけど概ね”普通に好き”くらいだったとはいえ、
曲がりなりにも公開されるたびに1本1本リアルタイムでなんとなく自動的に映画館にて22本全作、11年かけて観てきた自分にとって、
全てが結集されるエンドゲームはもう「自分の20代、第二の青春そのもの」の背景にいつしかなっていて、
会社入った頃ひとりで行った劇場のこととか、
ああこのときは初めて一人暮らしした頃で部屋でひとり感想書いたなぁ、、とか、
このときちょっとだけアメリカいて先に予告みたやつやん!とか
そうだこの直後に結婚したんだそういえば、ああ子供が生まれたときのだ、
と僕の映画ライフのここ10年ほど、そのすべてと切っても切れない思い出が次々に想起される。
あの劇場にいた周りもみんなそうなんだろうと思う。
映画鑑賞ってその瞬間その行為は孤独だけど、でも周りに同じように観てる人いるよと思えるのがなんか良いから劇場行って観てるようなとこあるし。
世界が揺れるほどの期待と興奮というのは、何かと過去作についてばかり言い聞かされてきた。
例えばスター・ウォーズが公開されたときはすごかったとか、ドラクエ3発売日にはみんな会社を休んで列を作っていたとか、
「オレらは良い時代がすべて過ぎ去ったあとの世代」と長らく思ってきた自分にとって、マッドマックスとまた別な意味で、これほどの歴史にリアルタイムで立ち会えたことは後世に絶対誇れる思い出となった。
心からありがとう、感謝しています。

ああ、アベンジャーズの話だけになってしまう。せっかく除外したのに。

なんとなく、わざわざそこをクローズアップしてもなぁ感が出ちゃうためアカデミー作品賞受賞作とかは意識的に1位にはしないどこ、とやってきたランキングですが、そうは言ってもこと今年の有名作に関してはジョーカーとグリーンブックかと。
これがあまりに傑作すぎたため非常に悩ましかったです。
昨年でいうとせいぜいボヘミアンラフソディとかじゃないですか。ちょっと比較にならないくらい今年のこの枠はデカい。
かと言ってジョーカー1位ってのもな…という気持ちはあり、しかし殿堂入り作戦はアベンジャーズでやっちゃってるから2本は使えないし。。
ということで2012年にやった手法、線引きとして10&11位にこの2作を置き、こっから上は「そんくらい特に好きですよ」ということに勝手にしてみました。1位とジョーカーの間にそんな開きがあるという意図ではありません。てかグリーンブック1位です。文句なしです。あとジョーカーも1位。

さて、こうして並べてみてから、なんとか共通項というか今年の自分の思考になんらかのトレンドを見出すことができないかなー、という目で眺め、うんうん考えまくってひとつ思ったこと。
今年の自分は映画に「普通とは異なる視点から描かれる何か」を求めていたような気がする。
 - 逆に”離婚”を詳細に描くことでもっとも鋭く”結婚とは”を表した
 「マリッジ・ストーリー」
 - ロッキー側ではない。負けた方の人生 「クリード」
 - 政権構造をシニカルにユーモラスに眺めるほど、権力がいかに病んだ
   ドラッグかが見えてくる「バイス」
 - 今度こそ真打!とか言ってやり直しばっかりやるソニーがなんか
   ”いろんなスパイダーマン全部いたらいいなぁ” みたくした
   「スパイダーバース」

無理やり理屈つけると、グリーンブックは視点こそ普通というか固定されているが、構造的には「相手の”視点”を獲得していく2人の話」だし、
ジョーカーは「信用できない語り部の視点」からそもそも描くことで、視点という概念自体を揺るがしてくる。
これを、視点についてややメタ的な構造を孕んでいると言い換えるなら2作はやはり”視点”という切り口で見ても一段抜けている印象があり興味深い。

その点ハウス・ジャック・ビルトは絶対共感してはいけない視点を追体験させる問題作だったが、あまりにも残虐なため退出者続出。
さすがに3章で行われる殺人は、いくら映画とはいえこれは撮ったらダメだろ・・・と結構引いたし、オレが見た回も実際ここで席を立つ人が何人かいました。
しかし映画が持つ見世物としての側面は確かにあって、実際みちゃいけないものほど見てしまう。いいお話じゃ無いけどさ、にしてもやっぱ面白いし、そもそも滅多にこんなの観れない。というので頭から離れず、今年はこのTシャツよく着てました。
その辺の心理は「第18位 ザ・バニシング - 消失 -」とセットで見るとよくわかるかなとも思います。見たら死ぬビデオ見ちゃう映画が流行ったりもしましたしね。


アメリカン・アニマルズ、これはなんなんでしょうね。なんでこんな忘れられないんだろ。
そんな大した話でもないのでちょっと紹介すると、
普通の大学生だった子が、学校の授業にて図書館にあるものすごい高価で歴史的な「鳥類図鑑」を見る機会があり、
彼はそこに載っている「フラミンゴの絵」に(自分でも理由はわからないが)心を奪われ魅入られてしまう。
やがて仲間達4人で相談し、そもそもそれが犯罪であるという自覚と行為への責任を”若さゆえに”実感しきらないまま
それを盗み出す計画を立て、やがて徐々に徐々に取り返しのつかない事態へ進行していく様子を日常と地続きのドライなタッチで追っていく。
「オレにも何か、こう、なんか無いかな」という焦りに似た気持ちと、想像力の欠如からくる大胆な行動。
この2つはモロに若さの持つ魔力だと思うが、しかしその2つが合わさった時、やらかしてしまう不運な人はいる。実際いる。
オレももっとショボいレベルだけどあった。ような気がする。
なのに。きっといま自分の中にあるのは起承転結へ整理された「思い出」だけなのではないか。
その瞬間味わったはずの「動機に対するリスクの割に合わなさ」を渦中で徐々に自覚しぞっとするあの感覚、「もしかして取り返しがつかないとこに来ちゃったんじゃないかオレ」を、脳の防衛本能によってすっぽり忘れてしまってここまで来た気がする。
この映画はそこをピンポイントで掘り起こして追体験させてくる変わった視点を持つ作品だった。そして唐突に終わる。
結局のところ、我々のような多くのかつて若者だった人たちは「過去の行動を後で振り返っては意味を見出し納得し、それを繰り返すばかり」だし
そうじゃなきゃ気が狂うんだと思う。でもそれって若いとき限定なんだっけ?
まるで油断したらいつでも待ってるよ、こっち側で。と言われてるみたいだ。
この作品が忘れがたいのはそんな風に足元がグラつく感覚をもたらしてくるからかもしれない。

いろいろ考えた末に今年の一本はタランティーノ。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドにしてみました。
これはちょっとだけ歴史的な予備知識もあった方が良い1本でもあるので、逆にググってから観た方がいいかなと思います。
といってもそんな超マイナーな事件でもないので大げさかもしれませんが、簡単に言うとシャロン・テートの例の事件です。
見所いっぱいあるけど、単に会話劇としていつも通り面白く、男の燃える話でもあり、男の友情モノでもあり、僕の好きなアツい要素ばっかり入ってるので1位、というそれだけ。
あと今回のブラッド・ピットがちょっとどうかしてるんじゃないのアンタというくらいマジかっけぇス。
でも視点という切り口でまとめるなら、映画はフィクションだぞという視点。だからイイ。
フィクションは事実じゃない。でも、だからフィクションの方が現実より軽い、とは限らないですよね。
「事実や歴史を曲げてでも映画の力で勝つ!しかも絵的にもそうやって勝つ!」そこが最高なんです。
そこ(フィクション)を通らなきゃ行けない世界がってのがあるんやで…(完) ってなって終わり。天才かよ!
こんなこと考える気持ちのいい人間が、この広い世界にはいるんだなと思うと素直に嬉しい。


アカデミー賞に「ROMA」ノミネート事件から始まった2019年でしたが、いよいよNetflixなど配信ベースでの映画、しかも超傑作がどんどん出てきつつある一年でもありました。
ついに映画館「でも」上映するよみたいのまで出てきて、特にハリウッドの賞レースでは既存の構造が大きく変わりつつあるようです。
巨匠スコセッシが「アベンジャーズなんかあんなん映画ではない」と言い放ち話題になった直後、アンサーのように発表された自身の新作「アイリッシュマン」。さすが配信メインとのことで3時間半に渡る長尺。しかもこれがすごい重厚で、今年のどの映画よりある意味で映画らしい佇まい。
VFXなどの最新技術も役者が徐々に更けていくメイクの補佐に使ってたのこと。これはマッドマックスが実際ほとんどのアクションはやっててむしろそのワイヤー消すとかにVFX使ってたのと同じ方向の話だなと感じました。

Old SkoolとNew Age, 配信, ブロックバスター大作, 賞, フェミニズムやグローバリズム, 時代はぐんぐん移っていく。
自分もついにゲースロに手を出してしまいめっちゃハマった今年。ますます質も予算も箔もすべてが映画並になってきた海外配信ドラマを来年はめっちゃ見る予感しかないですが、でも映画館文化はそれはそれで無くならないでくれ!と切に願いつつ地味に結構怯えてるよってことも後世のため記録しておきたい。


2020年も楽しみ。
いま期待してるのはもちろん「フォード vs フェラーリ」です。
あとランボー5

今年もお世話になりました。良いお年を*

TAKA

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