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【中医学の小話】 〜笑いという妙薬 〜

清代のある巡按(地方の監察官)が、うつ病にかかり、終日憂鬱な表情をしていました。病状は日に日に悪化し、部下や家族があちこちで医者を探しても、効果が見られませんでした。

ある日、幕僚(将軍の参謀)が田舎の老郎中(伝統的な中国医学の医者)を紹介しました。老郎中は巡按を診察した後、静かに言いました。

「あなたの病気は月経不順です。心配しないで、烏鶏白鳳丸(女性の月経不順を治療する漢方薬)を使い、しばらく養生すれば良くなります。」

巡按はこれを聞いて腹を抱えて笑いました。

「この老郎中は本当に馬鹿げている!男と女の区別もつかないのか!?」

それ以降、巡按はしばしば老郎中の話を持ち出し、「あの老郎中は本当に滑稽なんだ!男に烏鶏白鳳丸を飲ませるなんて信じられるか!?」と話しては笑っていました。

この話を思い出すたびに、彼は笑ってしまいました。

ある時ふと気が着くと、なんとうつ病が治っていたのです!

ある日、老郎中が再び巡按を訪れました。

巡按は老郎中に、うつ病が治ったことを伝えました。

老郎中は「もう分かっている」という表情を浮かべながら言いました。

「あなたの病気は気の滞りが原因です。特効薬はなく、楽しい気持ちが必要でした。月経不順と言ったのは、あなたがよく笑うようにするためでした。薬を使わずに治ることは、最初から分かっていましたよ。」

巡按はその瞬間ようやく全てを理解し、老郎中に感謝しました。

それから巡按は、「老郎中は素晴らしい医術を持っているぞ!」と、あらゆるところで老郎中を称賛したのでした。

おしまい


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