銃の反動と運動量保存則ver.3

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銃の反動に関してよく見る数式についての調査。 反動の評価軸の1つとして、銃の質量✕自由反動速度で表される運動量がある。 この運動量を求める式についてどんな内容なのか調べてみた。

まず、反動衝動(前述の運動量)は計測できるのか? 質量は秤があれば良いとして、発砲時の速度はどうなのだろうか。 色々な方法があるらしく、ハイスピードカメラで直接測定したり、ロックウェル硬度を使って運動量を測定したりと様々。 とにかく、結果として出したい反動衝動は計測可能らしい。

図1

じゃあ測定結果から考察しましょうよっと。 反動衝動の計測結果とその時の弾速と弾頭重量は添付の通り。 (弾と銃は同じ銃身内でガス圧力を同時に受ける為、同じ運動量を与えられるはず) 結果としては弾の運動量<銃の運動量と、運動量において弾は76%しか占めていない。 残りの24%は何か。

図2

まぁ、発射薬が燃焼した際に出るガスしかありません。 弾が銃身内で加速してる時はガスも速度を持ってますし、弾が銃口から出た後もガスは銃に対してロケットの如く推力を与えます。 推力は質量流量✕流速で求められますが、机上計算だとややこしいというか自分は求められませんでした。

図3

そこでガスが最終的に銃に与える力積を、発射薬質量✕ガス流速と便宜的に当てはめます。 式としては間違ってはないが、ガス流速はどうするのか。

発射薬質量は分かるので計測結果から求める事はできます。 しかしこれでは計測した銃と弾薬にしか当てはまらず使い辛い。 そこでガス流速を一般的な定数にしちゃうやり方があります。 この数値が4700feet/secです。 もちろん個々の銃と弾薬の特性を無視してるので大雑把になります。

図4

またガス流速を弾頭速度と同じにし、発射薬質量に係数を掛けて有効質量として辻褄合わせしようという考え方があります。 大雑把加減は相変わらずですが…… 係数を場合分けされていたのでちょっとはマシ?

図5

火砲の話と思われるが、ガス平均流速を経験則で求めるパターンもあった。 もしくはガス流速に初速に応じた残存効果係数を掛けるパターン。

図6

調べてみて分かったのは、正確な反動衝動知りたければ測定しろって感じ。 ただ大まかな推測は可能だろうから使えるとは思う。 あと参考文献を載せときます

図7

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