漫才「生徒の親へ電話 ver.1.1」

A「あのー今、塾講師のバイトをしていまして」
B「はい」
A「今度、生徒の親に電話をすることになったんですけど、不安なので、練習していいですか?」
B「分かりました。」

A「プルるる、プルるるるる」
B「はいBです」
A「こちらプラス塾のAでございます。いつもお世話になっております。心の準備はよろしいですか?」
B「なんすかその入り。お時間よろしいですか?ですよね」
A「失礼しました。お時間よろしいですか?」
B「はい」
A「それでは、心の準備はよろしいですか?」
B「どうしても言いたいですかそれ?そんなに深刻な電話なんですか?」
A「はい!」
B「そうなんすね」
A「本日は、優馬くんの成績に関してお電話したのですけども」
B「はい」
A「あのーですね〜」
B「はい」
A「成績がー、かんばー、かんばーー」
B「あんま良くないんですね」
A「悪いー、いや、激悪と言いますか」
B「急にはっきり言った」
A「下の下の下」
B「下の下の下?下の下までは聞いたことあるけど。いや塾の生徒には言わないですけどね」
A「ということでですね、今後の学習方法について本人とも相談しまして」
B「はい」
A「退塾が決まりましたので」
B「退塾?」
A「退塾の中でもいわゆる、強制自主退塾」
B「いわゆる?強制自主退塾?いやちょっと整理しましょう。
  この電話は、相談ではなく、報告なんですか?」
A「はい!」
B「何でそんなに明るい返事できるんすか」
B「それで、強制自主退塾?強制自主ってどういうことですか?」  
A「それはですね、退塾に処する、としますとですね、我々の事務処理が面倒になりますので、
  強制的に、生徒の方からやめてもらうという、いわば逸脱手段を、取らせていただきます。」
B「何すかそれ。実情そうでも言っちゃダメっすよ。」
A「いやー。さーせん」
B「さーせん?」  
A「最後に、何かご不明な点はございますでしょうか?」
B「不明な点しかないです。今息子いるから呼んでくるので、ちょっと待っててもらえますか?」
A「ま、ま、ま」
B「なんですか」
A「ちょっと、まって言ってくださいって言われたので」
B「まじふざけないでもらえます?」
A「失礼しました。それでは、失礼します。」
B「話聞こえてます?」

A「はい。完璧っすね。」
B「全然ダメだわ。もうええわ。」
A「どうもありがとうございました。」

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