大腸ポリペクトミーのコツ

有茎性病変は通常のポリペクトミーの適応である。無茎性や平坦型病変でおおきいもの、小さくともガンを疑うような病変はEMR(やESD)の適応である。コールドポリペクトミーの適応は、ガンを疑わない無茎性ないし平坦型病変で、9mm以下までが妥当な線と思われる。有茎性ポリープでは、頭部よりにスネアをかける。茎が太い場合は出血予防のために留置スネアも使用する。コールドポリペクトミーの場合、周囲粘膜を含めて切除するため、常に病変をスネアの中央付近に捉えるよう、微調整しながらスネアを閉じる。EMRの成否の大半は局注にかかっている。屈曲部やヒダにまたがっている病変では口側から局注を開始する。SMガンを除く大きい病変では中央部から局注を開始する方が膨隆を得られやすい。穿刺した針で病変を少し持ち上げるようにし、局注しながら針をゆっくり引き戻す。スネアをかける際は、軽く病変を押さえ込むようにするが、筋層を巻き込まないように注意する。痛みを訴える場合や介助者がゴムのような弾力をかんじてなかなか切れない場合は、筋層を巻き込んでいる可能性が高いので中止する。


樫田博史、大腸ポリペクトミー・コールドポリペクトミー・EMR のコツ、日本消化器内視鏡学会雑誌、Vol. 59( 3), Mar. 2017

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