緊急内視鏡概論

緊急内視鏡診療においては初期対応・観察・治療技術・患者管理能力がバランスよく必要となり、診療スキルが問われる。

緊急内視鏡は本来「放置すると全身状態が悪化し重篤になると予想される消化管疾患に対応して、原因の診断、治療、予後判定を目的として最優先になされる内視鏡検査及び治療」と定義される。患者のバイタルを含めた状態が不安定であり、その原因が消化管にある場合に緊急内視鏡が行われる。
緊急内視鏡は予定外にすることとなった内視鏡検査というだけでなく、想定される追加の検査・診断、治療になった際の準備や介助のことを検査前に考え、さらに患者の全身管理、不安を抱える家族等の配慮説明にも気を配る必要がある。

以下に主な緊急内視鏡の種類を示す

緊急内視鏡の種類

適応としては償還出血の頻度が高い。

緊急内視鏡が必要と判断された際には可能な限り経験のある内視鏡専門医などの上級医を含めた2人以上の耐性で行うことが教育・安全確保の面では必要。緊急内視鏡は経験がものをいう側面もある。対応者の過重労働の問題等もあり体制を施設として整える必要がある。

緊急内視鏡におけるインフォームドコンセント(IC)として、
・症状について
・緊急内視鏡について
 目的・必要性・具体的内容・予想される所要時間
 予想される偶発症とその頻度
 前処置や全投与の内容と予想される偶発症
 治療した場合の予想される効果と予後
 内視鏡を行わない場合の予想される転帰と予後
・代替手技
 薬物治療、IVR、外科的処置等の内容、効果、危険性

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