ERCPにおける切開法(EST:endoscopic spincterotomy:内視鏡的乳頭括約筋切開術)

参考)消化器内視鏡大圃流の基本手技
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EST(EST:endoscopic spincterotomy:内視鏡的乳頭括約筋切開術)はERCPの中に行う、乳頭を11時から12時方向へ確実に切開することがポイント。切開時にはナイフが接触している部分をしっかりと見る。ESTナイフの張力は
急激な切開になるため避ける。
押し切りにならないようにナイフを引くイメージをもつ。
少し切ったら向きを確認する。
切開開始時の鉗子起上装置のあげすぎは切りにくくなるので、なるべく余裕を持たせる。

ESTのために使用するナイフはpull型とpush型、ニードル型がある。安全のため、pull型のナイフを使用する場合がある。(張力を利用した切開が危険なため)

ESTは切開長によって小切開~大切開に分かれる。はちまきひだ上縁までの切開を小切開、口側隆起上縁までの切開を大切開、その間を中切開という。
切開は口側隆起の中心(乳頭長軸)を12時としたときに11時から12時方向に向かって切開する。この方向が最も血管が少ないことが分かっており、安全に切除することができる。

手順
①ナイフを挿入したら胆管内でナイフを張り、マーカーを見えるまで引いていく。やや見下ろし気味にして左アングルをかけ、鉗子起上装置をなるべく上げずにナイフをハンドルでたわませ、歯の向きを11~12時に調節する。
②鉗子起上装置とスコープのアップアングル、引き操作、スコープ軸の半時計回転を使用してゆっくり切開する。
③切りすすめると、ナイフが1時方向に向きやすくなるので、調節しながら切開する。このさいに少し見上げ気味にすると調節しやすい
④予定の部位まで切開ができたらガイドワイヤーでどの程度きれているか確認。この時、胆汁の流出が確認できる。


https://ilikeercp.com/naishikyou/est/  より

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