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生体電気インピーダンス(BIA)法によるDW 設定

生体電気インピーダンス法(BIA 法:bioelectical impedance analysis)は,生体に微弱な電流を流して,体内抵抗値(インピーダンス)を求め,非侵襲的かつ簡便に身体の細胞内外水分量,筋肉量,脂肪量などを高い精度と再現性をもって測定することが可能である.最近では,腎疾患のみならず,浮腫,肥満,メタボリックシンドローム(Met S)の診断,栄養状態や
リハビリの評価など幅広い分野で使用されてきており3),われわれはMet S の肥満診断にも本装置が有用であることを報告している.

体組成計はいくつか販売されていますが、身体構成成分(下図)を解析することが可能です。

本題ですが、
生体電気インピーダンス法(Bioelectrical Impedance Analysis:BIA 法)を用いた体成分分析装置は透析分野でも使用されており,透析患者のドライウェイト(DW)評価に有用とされています
体組成計は、InBodyS10を使用して、計測するのですが、
「浮腫値:0.38」の理想的な水分バランス時の体重を算出したDW を生体電気インピーダンス法(BIA 法)で評価したDW としてBIA-DWと表現したとき、計算式は.

BIA-DW =測定時体重(kg)-(ECW-0.38 ×TBW)÷(1- 0.38).
となります。

これが、臨床的DWとどのような関係かというと、以下の図です。

平均臨床的DW 52.3 ± 10.6kg,平均BIA-DW51.4 ± 10.7kg であり,両群間に有意差は認められず正の相関を認めた(r = 0.99)

腎センターにおけるInBodyS10 を用いたドライウェイト評価と運用について
高松赤十字病院紀要 Vol. 4:58-61,2016

また、それよりも前の論文(2007年)だと以下の結果でした。

HD後の臨床DWとECW/TBWが0.38のときのBWであるBIA-DWは有意に相関。

高精度体成分分析装置 (InBody S20) を用いた血液透析患者の体液量評価 : 生体電気インピーダンス (BIA) 法はDWの指標になり得るか?

https://doi.org/10.4009/jsdt.40.581

ECW/TBW比が0.38の場合のBWに等しいBは、HD後の臨床DWと有意に相関しました。それは別の臨床研究の再現実験で確認されました。
浮腫値が0.38から0.40での透析後BIAーDWより+0.5kg程度の体重がDWにおける一つの基準になりえると思われると結論されています。

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