消化器内視鏡技師試験対策16:食道の内視鏡検査

ヨード染色はルゴールを食道に散布することにより正常食道の重層扁平上皮の顆粒細胞層内に抱負に存在するグリコーゲン顆粒とヨードが反応し、正常食道が黒褐色に染色される。扁平上皮癌はグリコーゲン顆粒を含まないため、染色されない(不染)。さらに、びらんや潰瘍による扁平上皮の欠損、再生上皮の未成熟な時期、異型上皮においてもグリコーゲン含有量が少なく、不染となる。
・食道静脈瘤は肝硬変などの門脈圧亢進症に伴う静脈の拡張である、生検は絶対的な禁忌である。大量出血をおこす。
早期食道がんは原発層の壁深達度が粘膜内にとどまるもので、リンパ節転移の有無を問わない。一方で食道表在癌は原発巣の壁深達度が粘膜下層までにとどまるもので、リンパ節転移の有無を問わない。
・食道がんの組織型は食道粘膜固有の上皮から発生する扁平上皮癌が最も多い。その他が上皮性悪性腫瘍と非上皮性悪性腫瘍。
・下部食道粘膜が胃酸の逆流などにより食道炎を起こし、その修復過程で食道粘膜固有の重層扁平上皮に置き換わることがあり、この円柱上皮をバレット上皮と呼ぶ。この円柱上皮が食道・胃接合部から3cm以上全周性に進呈している場合をバレット食道と呼ぶ。


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