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あなたの起業はベンチャー?中小零細事業?

アカウントはずっと前に取っていたけれど、TwitterとFacebookでお腹いっぱいなので放っておいたnote。初めて記事を書いてみます。ここ数日触れた幾つかのニュースとか、SNS界隈の記述、自分の周りの状況から考えたことを、ふと残しておこうと考えたからです。あまり役に立つとも思えませんが、独立をお考えのかたの思考の補助線になれば幸いです。

起業を考えるひと(特にサラリーマンから独立する人)に、是非お勧めしたいのが「どのような起業をするのか」を正確にシミュレートすることです。ベンチャービジネスを志向するなら、スケールする事業でなければならないのでは、と考えます。

自らの事業をベンチャービジネスと捉え、それに相応しい資本政策を採ったはいいものの、スケールしないままキャッシュフローが回らなくなり、結果マジョリティを喪失した上に再出発もままならない……といった事例を、これまで幾つか見てきました。
ベンチャーならではの機動性を(主に資本面で)奪われ、なのに業績不振には説明と回復へのコミットが要求されて、すべての仕事やその目的が資金繰りに向かっていく様は、本当に厳しいものです。
最近は公的支援、VC、クラウドファンディングと、新興企業の資金調達はバラエティに富んでいます。金融機関の融資姿勢も昔よりフレンドリーかもしれません。しかし、他人の資金で事業を行うことの責任とリスクには、誠実でいなければならないと思うのです。仮にそれが「結果が出るまで」のものであっても、待ってもらえる期間や結論は、必ず自分の思う通りになる訳ではありませんよね。

事業拡大の途上で自社の株式の価値を高め
IPOやM&Aで一気にイグジット!……はステキですが
それが自分の器量や事業にマッチしているかは、冷静に考えないといけません。

当社は押しも押されもせぬスモールビジネス(中小零細事業)です。しかし最初の数年は自分がベンチャービジネスをしていると思い込んでいました。幾つかの経験から、資本政策は極めて慎重でしたが人事面は無頓着……というアンバランスさで、あっという間に潰れかけました。「スタッフの数に見合わない資本と売上」では行き詰まるのは当たり前です。ただそこで、資本で解決する方向に走らなかったことで、私は破綻しなかったのだと思います。やはり企業経営の課題解決は、第一に売上げを建て、利益を確保することだと個人的には思います(とは言え、それが出来ないから資本政策を採ることもありますよね。一方、決算書上の数字だけで売上げや利益を出す行為は愚策です。)

スタッフが去り、一旦「ひとり親方」になった私は、イチから事業を立て直すなかで、自分が出来る仕事はスケールしない。或いはある程度地盤を固めて、その先に新しく拡げる事業でしかスケールはできないと理解しました。

そこで、まず自分ひとりの生産性を極限まで上げて「売上の限界」を見極め、そこで初めて「最初だけ私がハンズオンして、途中で手を離しても自走できるチーム」による案件を複数走らせました。
チームのメンバーは社外のスペシャリストの方々なのでコストは上昇しますが、売上の限界は押し上げることが出来ます。

そして、ある程度複数のチームが回せるようになってから
一人だけスタッフを増やしました。
チームのなかで信頼できる方にお願いして、当社の役員になってもらいました。
それによって、私の関与を減らせる案件はきちんと減らして(そこで手を抜かないために、エキスパートを招いたのです)、私は営業と並行して「自分の会社で出来ること」を少しずつ増やしてきました。これはR&Dって言っても良いのかな? w
テクノロジーやトレンドも上手く使いながら、幾つか「SEVENにしかできないこと」「SEVENしかやらないこと」を作りました。これらはまだ種から芽が出たばかりで、そんなに儲かる事業ではありませんが、最近では東京や福岡のオフィスの家賃と水道光熱費くらいは賄えるようになっています。まだスケール出来そうなものはありませんが、競争優位性はある程度確保出来たかな……という状態です。

そこでまたスタッフを増やしました。今度はパート社員です。
「自分の会社で出来ること」を仕組み化して、高度なスキルやそのための教育といった労使双方のコストを抑えようとしています。これによって役員の業務を物理的に減らし、そのぶん高度な案件に入ってもらうことで、カロリーアップを狙います。
これは、社外の方々にも同様の方向で考えています。
業務を仕分けて、スキルやコストの最適化を図るために、「プロパー」「(社外の)スペシャリスト」「パート社員」のレイヤーで調整できるようにしたのです。

資本があれば、成功までの時間を買うことができます。
ただ時間を買うだけの意味があるかどうかは、事業次第のところがあるのではないかと思います。
最終的に事業をどうしたいのか、でも会社の在り方は変わってきますよね。起業の段階でそこまでのデザインは難しいかもしれませんが、少なくとも最初段階をどうコントロールしていくかは考えた方が良さそうです。

当社はここ数年でやっと「小さくても必要不可欠な会社」という立ち位置を見据えることが出来ました。15年近くやってきてその程度か!と思わないでもありませんが、それでちゃんとご飯を食べて、尚且つ自分達の存在意義を実感して仕事できるのは幸せなことだと感じています。借金もないし。
先に述べた「すべての営為が資金繰りに向かう」状態に陥るくらいなら、スモールビジネスでキチンと自分たちの価値を持つ方が良いと思います。

不透明感が増すばかりの時代に、独立することのハードルは高くなる一方だと思いますが、そのなかでは「生き残る」ことが、「成功する」ことと同じかそれ以上に重要だと思います。
独立を目指す皆さんの、明るい未来をご祈念申し上げます。
SEVENも生き残ります。お互いに頑張りましょう!

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