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半導体の「技術のアゴラ」を再構築する

昨年一年、あれこれ半導体関係の方々と話をし自問自答もしてきて、自分の考えが少しまとまってきたので、日本の半導体産業を復活・再生するために自分なりにできること、その手立てについて書いていきたい。

昨年、世界最大手ファウンドリーTSMCの熊本誘致が決まり、最先端ではないけれど一つ大きな成果が出た。まずは最初の一歩である。世論は少しこれで落ち着いてしまった感があるが、今後、2の矢、3の矢はもちろんのこと、これから延々と有効な矢を放ち続ける必要がある。

政府・行政は予算を付け、支援をしていく決断をした。これは当面ゆるがないと信じる。国内企業も半導体不足にかつてない危機感を持っているはずだ。政府に連動して動くだろう。次のレイヤーは日本の技術の担い手、つまり技術者・研究者の協力になる。いま日本の技術者たちは一部の人たちを除いて報われていない。活躍の場も限られている。

この人たちに自分が役立てることはないだろうかとあれこれ考えて半導体の「技術のアゴラ」の再構築・再活性化に寄与するというところに行き着いた。

「アゴラ」とは古代ギリシャにおける広場のことで、優れたアイデアを持つ人たちがいつでも集まり、議論し、しのぎを削り、遊び、情報を共有できる場のことだ。日本の半導体産業・復活・再生をするためには、日本の技術者・研究者が自由に集まれる「技術のアゴラ」が欠かせない。アゴラがあれば何らかの共有知が生まれ、優れた知恵が生まれる。その知恵が政府・行政・企業・民間の一人ひとりにまで共有される。そんなアゴラが今必要だと考える。日の丸半導体が世界を席巻するまでの時代にはそれが確かにあった。技術メディアもその中にあり、一つの役割を果たしていた。僕もまたその中にいた。

だから僕は、勝手連ではあるが、かつての日本にあり今は各方面に分散して残る半導体の「技術の小アゴラ」をつなげ、一つの「大アゴラ」にする行動をする。今そのためにやれることをやる。ここに書くこともその一つだ。

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