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岐阜県の里親登録前研修会にて講演しました

里親については、

家族と暮らせない子どもを一定期間、自分の家庭に迎え入れて養育する里親(養育里親
養子縁組によって、子どもの養親になることを希望する里親(養子縁組里親

などがあります。

岐阜県内でこうした里親になるためには、

・基礎研修
・登録前研修

を受講した上で、管轄の子ども相談センターへ里親登録申請書を提出する必要があります。

その上で、家庭の状況等の確認や県の審査を経て、里親として認定されます。

今回、私は、登録前研修の講師として、「子どもの権利擁護について」と題して40分、里親になろうとする皆様に向けて、子どもの権利について話してきました。

子どもの権利条約のほか、岐阜市の子どもの権利に関する条例に示されている子どもの権利について紹介する形で、子どもの権利とはどういうものかについて話しました。

研修では、私の話以外でも、幾度となく「子の最善の利益」という言葉が出てくると思います。

里親信条においても、「最善の利益に配慮した養育」を謳っています。

(子どもの権利擁護)
私たち里親は、子どもの権利を擁護し、最善の利益に配慮した養育に努めます。

出自を知る権利についても触れました。

子どもの権利条約には明示されているのですが、国内法の整備がなされていないのが現状です。

養子縁組の場面だけでなく、先日、第三者の卵子提供による生殖補助医療が容認される法案が参議院に提出されましたが、そこでも、「出自を知る権利」に関する法整備については先送りにされています。

児童虐待防止法14条1項は、親権者について、しつけに際して、体罰や親権の趣旨・目的に必要な範囲を超える行為により懲戒をしてはならないと定めています。

里親についても、委託児童に対し、監護・教育・懲戒に関して必要な措置を取ることができる一方、体罰は禁止されています(児童福祉法47条2項)。

さらに、里親が行う養育に関する最低基準では、6条の2で、身体的苦痛を与え、人格を辱める等その権限を濫用してはならないと定められています。

里親が行う養育に関する最低基準(平成十四年厚生労働省令第百十六号)
(虐待等の禁止)
第六条 里親は、委託児童に対し、児童虐待の防止等に関する法律第二条に規定する児童虐待その他当該委託児童の心身に有害な影響を与える行為をしてはならない。
(懲戒に係る権限の濫用禁止)
第六条の二 里親は、委託児童に対し法第四十七条第二項の規定により懲戒に関しその児童の福祉のために必要な措置を採るときは、身体的苦痛を与え、人格を辱める等その権限を濫用してはならない。

今月は、虐待問題について話す機会もありました。

ロータリーには職業奉仕という言葉がありますが、これは、日々自らの職業を通じて社会に奉仕することの大切さを解く概念かと思います。

企業向けの講演だけでなく、社会的な活動を通じて地域社会に貢献できることもまた弁護士という職業の醍醐味です。

よりわかりやすく充実した内容になるよう、ブラッシュアップしていきたいです。

研修会は、美濃加茂で行われました。

美濃加茂市のJR美濃太田駅前には、坪内逍遥像があります。

坪内逍遥は、中山道六十九次、51番目の宿場町「太田宿」出身とのことです。

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