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÷1桁の0の扱い(2) おろすの0 |基礎計算研究所

[おろすの0]はすべて[明示の0]

 まず、[おろすの0][ひくの0][たてる・かけるの0]のうち、最後のプロセス[おろすの0]を見ていく。
 [おろすの0]が発生するのは、次のけたが[書いてある0(γ)]のときで、そのままおろして[書けばよい0(δ)]となる。[おろすの0]はすべて[明示の0]である。

(※)ただしこれは、整数÷整数=整商の筆算においては、と言う注釈をつけておかなければならない。小数がからんでくると、とたんに[書いてない0(Γ)]をおろす手続きが必要になるのだが、この問題は小数の計算の分析のときまでとっておいて、まずは整数の筆算の分析に集中したい。

 触れておかなければならない例がある。*uo*のタイプである。3)607を例にしよう。この場合、十の位の0はおろさないではないか、という指摘があるかもしれない。

 これは、商のある位に0が立つ「たてる(かける)の0」の場合の[省略算]の一環として扱った方がよい。「たてるの0」と、それに伴う省略算はあとで触れるが、この例においては「おろすの0」というより、むしろ「たてる(かける)の0」に引っぱられるものである。「0をおろしたつもりにして00になるから次のけたの商も0になる」→そこまでを見越しておろすの0を書かずにすぐに商のその位に0を記入してつぎの位の「おろす」の手続きに移行する,という、省略を2回も重ねる手続きなのである。
 念のため、おろすの0を省略しない場合の筆算の書き方も下に書いておく。この[おろすの0を書かない]のパターンは、[たてるの0]から生じる省略算に帰因していっしょに発生するわけで、あとで省略算として詳細にまとめることにする。そのため[おろすの0]は[書いておく0]としておく。
 そして、あとで分析・配列をするが、じつは3桁÷1桁の中でこの省略が起こるパターンがいちばん厄介で,3桁÷1桁の筆算指導の最後に提示するのがよい。

 これらの分析から、[おろすの0]はすべて[明示の0]であるとして、特段「おろすの0」による細分化は必要ない。
 素過程のアルファベット記号でいうなら、次のけたがⓊ・Ⓦ・Ⓨになるものがこれに当たる。(oもおろすの0になるが、これは上記の分析通り[たてるかけるの0]に関係するので、それに帰因する0と言う分類である。)


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