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2023年2月の体操ニュース

更新が滞ってしまい申し訳ございません。
情報が古くなってしまいますが2月の出来事をまとめています。
体操界は2月末からシーズンが明け、オリンピック予選となる世界選手権に向けて大会が目白押しです。その皮切りとなるW杯では日本勢が躍進しました。
2月のニュースです。

▼バート・デューローが引退 パリ五輪までコーチ就任

オランダ代表として長らく活躍していたバート・デューローが引退を発表しました。
オランダ体操協会が発表しています。

オランダ体操協会:バート・デューローがコーチ業を継続

本人もSNSで発表しています。

引退!たくさんの美しい年月を過ごしてきました。体操のキャリアを終え、オランダ代表のコーチとして活動します。ありがとうございました!最高!

オールラウンダーとしても鉄棒のスペシャリストとしても活躍したデューロー。
2017年の世界選手権では、種目別鉄棒で銅メダルを獲得。
同じく銀メダルだったエプケ・ゾンダーランドとともにオランダ勢ダブル表彰台の快挙を達成しました。
また、翌年の2018年世界選手権ではオランダ団体決勝進出に貢献。
2021年東京オリンピックでは種目別ファイナリストになるなど、その華々しい選手生活に終止符を打ちました。
2024年パリオリンピックまではオランダチームのコーチを務めるそうです。

東京五輪が終わった2022年以降も細々と競技を続け、国内大会ではアドラーひねり+コールマン+コバチという驚きの連続技を披露していました。


▼平岩優奈が引退

東京五輪女子代表団体メンバーの平岩優奈さんが現役引退を発表しました。
東京五輪・世界選手権が終わってからのモチベーションの維持が難しくなったことを理由としています。
ご本人がSNSで報告しています。

本文中にもありますが、平岩優奈さんは2014年に世界選手権代表に選ばれましたが、怪我のため離脱。それから7年後の2021年に代表に返り咲きました。
五輪では団体5位に貢献。その後の北九州世界選手権では種目別ゆかファイナリストにもなりました。
数年前からYoutube活動を盛んに行っており、体操ファン獲得に多大な貢献をしている一人でした。
僕自身も試合会場でたくさん楽しませてもらいました。お疲れ様でした。

東京五輪女子団体メンバーは全員引退してしまいましたね…。


▼マックスウィットロックが競技復帰

東京五輪で種目別あん馬2連覇を達成したイギリスのマックス・ウィットロックがパリ五輪を目指す意志を示しました。
東京五輪以来1年半もの間競技から離れ休養していたマックスが復帰を示唆したのが2月中旬の事。BBCのインタビューに答えたものです。

BBC:五輪王者マックス・ウィットロック 競技復帰に向け「リフレッシュ&リセット」

2022年は自国開催であったコモンウェルスゲームズや世界選手権を欠場。その背景には精神的な葛藤があったといいます。記事中では"fear of failure"直訳すると「失敗への恐怖」とありますが、いわゆる「不安神経症」のようなものでしょうか。
長い休養を経て、考え方をリセットすることができ、結果よりも競技を楽しみたいと思ったことが復帰の原動力になったそう。

あん馬の演技構成も変え、スコットランド選手権でついに競技に復帰しました。
スコットランド選手権リザルト
「ゲスト」とあるのでオープン参加でしょうか。あん馬だけでなく平行棒と鉄棒も演技したみたいです。

3月の全英選手権で演技した映像がイギリス体操協会公式ツイッターで公開されています。
新しい技を3つ入れて演技構成を大きく変えてもなお15点越えの演技を披露しています。
ここからパリ五輪に向けて演技構成を完成させていきたいと語っています。

4月のヨーロッパ選手権のイギリス代表にも決まっていましたが、このほど軽いけがを理由に欠場を発表。アダム・トビンが替わって代表となりました。

BBC:ヨーロッパ選手権 マックス・ウィットロックが「軽傷」で棄権

マックス・ウィットロックが初めてあん馬の世界チャンピオンとなったのは2015年。自国開催の世界選手権でした。
完璧に演技を通し切った最後の技で、着地に向かう途中にガッツポーズを見せたシーンは印象的でした。

これを皮切りに世界選手権・オリンピック合わせて5度の金メダルに輝いています。


▼米ウィンターカップ ユル・モルダウアーが個人総合優勝


2月24日にアメリカ国内のシーズン開幕となる毎年恒例のウィンターカップが行われ、ユル・モルダウアーが個人総合で優勝しました。

米国体操協会:モルダウアーがウインターカップシニア男子個人総合で優勝

2位に入ったのは、今年シニアデビュー、ミシガン大学のフレッド・リチャード。3位に2022年世界選手権代表、スタンフォード大学のアッシャー・ホン。
4位に同じくスタンフォード大のイアン・ラシック=エリス。
5位は東京五輪代表のシェーン・ウィスカスでした。

※アメリカ国内の試合は、難度向上のためにボーナス点が設けられています。

後日、2日目の競技が行われ、ここでは種目別の勝者が決まりました。

ゆか:カメロン・ネルソン
あん馬:イアン・スカーキー
つり輪:アレックス・ディアブ
跳馬:カメロン・ネルソン
平行棒:カラン・フィリップス
鉄棒:カラン・フィリップス

米国体操協会:男子器具のチャンピオンが決定

また、両日の結果を受けてアメリカ男子ナショナルメンバーが決定しました。世界選手権を始め、各種国際大会にはこの中から派遣されます。
(順番は掲載元に則っています)

テイラー・クリストプロス
アッシャー・ホン
ジョシュ・カルネス
イアン・ラシック=エリス
ライリー・ルース
ブロディ・マローン
ユル・モルダウアー
カメロン・ネルソン
カラン・フィリップス
フレッド・リチャード
イアン・スカーキー
ブレイク・サン
ドネル・ウィッテンバーグ
コイ・ヤング
シェーン・ウィスカス



▼W杯コトブス大会 日本勢が3冠


2月23日から26日にかけてドイツのコトブスでシーズンの幕開けとなるW杯が行われました。

日本からは、男子は萱和磨・川上翔平・三輪哲平、女子は芦川うらら・国府方杏月(こくふがた あづき)・牛奥小羽・岡村真(まな)が参加。
昨年コロナの影響で選手の海外派遣を見送っていましたが、今年は通常通り日本からも参加しています。
オリンピック・世界選手権の種目別チャンピオンが集う中、日本の川上翔平選手が鉄棒で、岡村真選手が平均台で、国府方杏月選手がゆかで優勝しています。

男女とも結果はこちらから確認できます。

【男子結果】

【女子結果】

コトブス大会のハイライトはFIG公式チャンネルにアップされています。





【画像出典】

https://www.instagram.com/p/CoPlf6Bs6BI/?utm_source=ig_web_copy_link

https://youtu.be/BeGH67PZmyI

https://usagym.org/pages/post.html?PostID=28282

https://news.yahoo.co.jp/articles/158dd5b84055be236cff59e1b66ef79d4831f666/images/000

https://www.standard.co.uk/news/uk/max-whitlock-bbc-japan-hertfordshire-twitter-b948688.html

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