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2023年3月の体操ニュース

▼W杯ドーハ大会 南一輝が新技成功

3月1日~4日にかけてカタール・ドーハで種目別W杯が行われました。
日本からは、男子は神本雄也、杉野正尭、前田航輝、南一輝
女子は深沢こころ、芹田未果子、曽根崎しずく、畠田千愛が参加しました。

海外勢はコトブスW杯から連戦の選手もいますが、しっかり結果を残しているところがさすがトップ選手です。

競技結果はこちらから確認できます。
各種目競技結果は以下の通り。

【男子】

【女子】

ゆかで2位に入った南一輝選手ですが、この大会で新技を発表しました。
その技というのが「後方抱え込み2回宙返り3回半ひねり」H難度で認定されたようです。

この技が正式に新技として認定されれば「ミナミ」の名前が付くはずです。
2回宙返りをしながら3回半もひねるというぶっ壊れ技。まさかこんな技が人類に可能だったとは驚きです。
この技が出来る事はもちろん、それをゆかの上、それも国際試合で実施して演技を完成させている、そしてメダルを獲得していることが何よりもすごいのです。

新技成功についての記事もありました。5年越しのチャレンジ成功だったのですね。

スポーツ報知:種目別W杯のゆか銀メダリストの南一輝が母校・仙台大に表敬訪問

▼W杯バクー大会

ドーハ大会に続き、3月9日~12日にかけて、アゼルバイジャン・バクーにてW杯が行われました。

日本からは、男子は松見一希、北園丈琉、米倉英信
女子は森蒼佳、坂口彩夏が参加しました。

日本勢は男女とも金メダルはありませんでしたが、松見一希が鉄棒で2位に入っています。
こちらもドーハ大会から連戦の海外選手が多く見られます。

競技結果はこちらから確認できます。
各種目競技結果は以下の通り。

【男子】

【女子】

シーズン明けのW杯はこれにていったん終了。次のW杯は4月末にエジプト・カイロにて行われます。

▼オレグ・ベルニャエフの競技復帰が認められる

ドーピング検査での陽性により大会出場禁止の処分を受けていたウクライナのオレグ・ベルニャエフですが、このほど謹慎処分が解除され、大会への出場が可能になりました。

ロイター:ウクライナの体操選手ベルニャエフ ドーピングによる処分の軽減により競技復帰が認められる

ベルニャエフは2020年8月に禁止薬物メルドニウムが検出され、4年間の出場禁止処分が科せられていました。
2019年の世界選手権で個人総合銅メダルに輝き、東京オリンピックでも活躍すると思われていた矢先のニュース。この処分の影響で、東京五輪でのウクライナチームはベルニャエフを欠いたまま戦うことになりました。
謹慎処分は2020年11月からの4年間。つまり2024年の11月まで効力を持ちます。つまり、東京五輪だけでなくパリ五輪まで出場ができない状況でした。

ベルニャエフ自身は故意にドーピングに手を出した意思はなく、どのタイミングでメルドニウムが体内に入ったのか見当もつかないと一貫して主張しています。
このほど、その主張が認められ、謹慎処分が軽減された形になります。
謹慎は4年から2年へ。この処置が施されたのが2023年3月14日。
つまり、この決定をもってベルニャエフの大会への出場が解禁になりました。
今年の世界選手権にもパリ五輪にも出場が可能になりました。

本人もSNSで喜びの投稿をしています。

一時はウクライナ軍に入隊していたベルニャエフ。
復帰が確定してから間もないのでヨーロッパ選手権のエントリー名簿には名前は載っていませんが、これから徐々に国際大会に復帰して世界選手権のころには万全の態勢で演技してくれるでしょうか。


▼スペインチームが交通事故 プラタが負傷

スペイン代表チームがポルトガルとの対抗戦のためにポルトガル国内を移動していたところ、交通事故に遭ったとスペイン体操協会が報告しています。

ポルトガルチームとの二国間試合のためアナディア(ポルトガル)に滞在中のスペイン男子チームが、今朝昼過ぎに交通事故に遭いました。

この事故によりスペインチームの若手エース ジョエル・プラタが大腿骨を怪我したためにその日のうちに手術を受け、無事成功したそうです。
ほかの代表団は大事はなかったとのこと。

ジョエル・プラタ選手は、この事故で負った大腿骨の損傷により、本日手術を受ける予定です。他のメンバーは元気です。

また、ジョエル・プラタ本人もSNSで事故について報告しています。
「どうして生きているのかわからない」というくらい壮絶な現場の様子を伝えています。

当初はプラタもヨーロッパ選手権に出場予定でしたが、スペイン代表は以下の6人になりました。
アドリア・ベラ
レイダーリー・ザパタ
ネストール・アバド
ティエルノ・ディアロ
ダニエル・カリオン
パウ・ヒメネス

スペイン体操協会:ヨーロッパ選手権のエントリー

▼マーセル・ニューエンが引退

ロンドンオリンピック個人総合銀メダル、種目別平行棒銀メダルのドイツ マーセル・ニューエンが現役引退を発表しました。
一時はパリ五輪を目指す姿勢を見せていましたが、長引く怪我との闘いの末、体が耐えられなくなったということです。

ドイツ体操協会:ニューエンの終わり

怪我で東京五輪出場を逃したニューエンは、パリ五輪への出場を渇望していました。あらゆる手を尽くしましたが、長引く怪我に体がついていかなくなり怪我と「和解した」と語っています。

ニューエンはドイツ代表として10年以上活躍。2012年ロンドン五輪では内村航平さんに次ぐ個人総合銀メダルに輝きました。ベトナムの血を持つことに所以しているのか、以降はアジア、とりわけ香港で人気が高く、たびたび香港を訪れていました。

こちらはロンドン五輪種目別平行棒で銀メダルを獲得した時の演技。
棒下系のキレ、車輪系の滑らかさ、終盤にドミトリエンコ、腰の曲がらないヒーリー、月面宙返りおりなど魅力たっぷりな平行棒の演技でした。


さらに2016年リオ五輪ではE難度の新技を発表し、のちに「ニューエン」と名前が付き現在も残っています。

横向き逆上がり3/4ひねり倒立(ニューエン)


▼DTB杯 日本勢が混合団体で金メダル

3月17日~19日にかけてドイツ・シュツットガルトにて毎年恒例のDTB杯が行われました。
男子、女子、ジュニア、シニアとも団体・種目別 さらに男女混合団体といった競技があるユニークな大会です。それぞれの結果はこちらの「EVENT FILES」にある「SHOW FILES」から「Results Book」をクリックすると結果が開けます。
または日本体操協会のページからも確認できます。
日本勢はジュニアは派遣しておらず、シニア男女が派遣されました。
男子は橋本大輝、土井陵輔、長谷川毅、谷川翔
女子は楠元妃真、山田千遥、渡部葉月、山本七海

団体では男子が2位となりました。
種目別も男子、女子、シニア、ジュニアとも行われました。
この大会独自のルールとして、種目別決勝は各国上位1名のみ全6名で行われました。
そしてジュニアとシニアの種目別決勝が同時に行われるという試合運びも独特です。

そしてこの大会独自の混合団体。各国男子3名、女子3名がひとつのチームとなって競う競技です。
日本勢からは橋本大輝、土井陵輔、長谷川毅、山田千遥、渡部葉月、山本七海がひとつのチームとなり、見事優勝しました。

非公式ですが混合団体のフルアーカイブがありました。


▼高校選抜 関西の中村隆太郎が優勝

3月26日に三重県四日市市にて高校選抜大会が行われました。
結果はこちらで確認できます。

【男子】
1,中村隆太郎(関西)78.650
2,脇原和志(関西)77.450
2,金田晟斗(市立船橋)77.450

【女子】
1,岡村真(暁)
2,木崎乃音(鯖江)
3,桝井美咲(鯖江)

この結果により、男子の上位2名、中村隆太郎選手と脇原和志選手は4月の全日本個人総合への出場権を獲得しました。(金田晟斗選手はインターハイの結果により既に権利獲得済み)

4月はいよいよ国内でもシーズンが明けますね。
高校生たちもたくさん参加するので予選から楽しみです。


【画像出典】
https://youtu.be/aHvltrmmqsc
https://youtu.be/CDEbt200NhA
https://www.instagram.com/p/ChUPVvfN8eF/?utm_source=ig_web_copy_link
https://twitter.com/RFEGimnasia/status/1636440881833099293?s=20
https://www.instagram.com/p/Cgmkj1bMd_V/?utm_source=ig_web_copy_link

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