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体操の技を覚えよう【跳馬01】跳び方の種類

体操の技を覚えようシリーズも折り返し、今回からは4種目め、跳馬の技を覚えていきましょう。

Men's Vault Final - London 2012 Olympics

跳馬という種目は、最大25mの助走路を一直線に走り、ロイター板を踏み切って跳馬本体に倒立位で手を着いたのち、空中で回転したりひねったりして両足で着地するという種目です。

ほかの種目がおよそ1分間の演技になる中、わずか10秒間の演技で点数が出てしまいます。
そんな刹那にも、要素はたくさんあり、跳躍技もたくさんあります。
今回は跳馬の技を覚える前に抑えておきたい要素を紹介します。


▼ 「第一局面」と「第二局面」

跳馬には「第一局面」「第二局面」という概念があります。
ロイター板を踏み切ってから跳馬に手を着きながら倒立姿勢になるまでを「第一局面」
跳馬から手が離れて空中で技をかけ着地するまでを「第二局面」とします。

「第一局面」は跳び方の種類、「第二局面」は何回転して何回ひねったか、大きくこの2つの要素で何の技かを見分けることができます。

今回紹介するのは「第一局面」、跳馬にはどんな跳び方があるのかを覚えましょう。


▼第一局面 跳び方の種類


①前転とび

体が進行方向である前を向きながらロイター板を踏み切り、脚を振り上げ、体を捻らずに進行方向に背中を向けた倒立位で着手する跳び方。
体操選手が初めに習得する、もっとも基本的な跳び方です。

DALALOYAN Artur (RUS) - 2018 Artistic Worlds, Doha (QAT) - Qualifications Vault 1


②側転とび

体が進行方向である前を向きながらロイター板を踏み切り、脚を振り上げ、体を1/4だけひねって進行方向に脇腹を向けた横向きの倒立位で跳馬に着手する跳び方。
現在男子体操では最もよく見られる跳び方です。

SHIRAI Kenzo (JPN) - 2018 Artistic Worlds, Doha (QAT) - Qualifications Vault 2


③ロンダートから後転とび〔ユルチェンコとび〕

ロイター板をふむ前にロンダートを経ることで進行方向とは反対向きにロイター板を踏み切り、ひねりを加えずにバック転のような動きで進行方向にお腹を向けた倒立位で跳馬に着手する跳び方。
「ユルチェンコとび」とも言われます。

ILIOPOULOS Nikolaos (GRE) - 2018 Artistic Worlds, Doha (QAT) - Qualifications Vault 1


④ロンダートから半ひねり前転とび

③ユルチェンコとびと同様、ロンダートを経て後ろ向きでロイター板を踏み切った直後に半分ひねりを加えて、進行方向に背中を向けた倒立位で跳馬に着手する跳び方。

CUNNINGHAM Dominick (GBR) - 2018 Artistic Worlds, Doha (QAT) - Qualifications Vault 1


⑤ロンダートから1回ひねり後転とび〔シェルボとび〕

③ユルチェンコとびと同様、ロンダートを経て後ろ向きでロイター板を踏み切った直後に1回ひねりを加えて、進行方向にお腹を向けた倒立位で(または3/4ひねりを加えて進行方向に脇腹を向けた倒立位で)跳馬に着手する跳び方。
下の参考画像ではロイター板を踏み切ってから3/4ひねって横向きに着手しています。

SHIRAI 3 - 2017 Melbourne World Cup - MAG new VT element
SHIRAI 3 - 2017 Melbourne World Cup - MAG new VT element

④⑤の跳び方はレア技なのであまり見ることはありませんが覚えておいて損はありません。

これらが「第一局面」と呼ばれる、助走から跳馬に着手するまでの局面における跳び方の種類になります。

次回からは跳馬に着手してからマットに着地するまでの「第二局面」、まずは①前転とびの跳躍技を紹介します。


画像出典
Men's Vault Final | Tokyo Replays


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