YouTubeのキッズ規制強化でピンチなのは、キッズクリエイターだけではない件

ちょっと旬を過ぎた話題「キッズコンテンツの規制強化」について意見をまとめたいと思います。

1.キッズコンテンツ規制は何が厳しい?キッズ規制強化で最も厳しいのは、

「パーソナライズド広告がつかなくなること」

ではないと思っています。

「コメント・通知」の廃止

これが一番クリエイターにとってはダメージがでかいです。

コメント規制は、既に始まっていますが視聴回数への影響はそこまで多くありませんでした。(キッズチャンネルの運営を近くで見ている感じ)

ただ、

「通知規制」これが始まり、「あなたへのおすすめ」にコンテンツが表示されなくなると、どう頑張っても動画を視聴してもらえなくなります。

視聴回数が大幅に下がり、広告規制と合わせると、収益は絶望的になるかと思います。

YouTubeは、キッズをターゲットとしたコンテンツは全て「YouTubeKids」にしようとしています。YouTube.comの対象ユーザーにキッズは含まれていないので、キッズに関するコンテンツをYouTube.comのユーザーにオススメする理由はないですよね。

2.規制強化対象YouTuberはキッズYouTuberだけではない?!


規制強化で問題となるのがキッズコンテンツをどう判定するかという部分です。

こちらに関してはユーザー自らによる申請に加え、YouTubeのAI技術も用いて自動判別も実施するようです。

キッズチャンネルのデモグラデータを見たことある人は分かると思いますが、キッズチャンネルのほとんどは、30代~40代の年齢層が多くなっています。つまり、親のアカウントで見ているキッズが大半ということです。

デモグラの情報から、このチャンネルはキッズが好むチャンネルと判断するのは難しいと思います。

SeikinTVのような動画はキッズを対象としたコンテンツとして判定されてもおかしくありません。ただ、本人(SeikinTVに限定した話ではなく、各YouTuber)が律儀にこの動画は、キッズに向けたコンテンツです。と報告するとは思えません。

あわよくば、規制の網をくぐり抜けたいと思う人は少なからずいると思います。

そこでYouTubeが取る対策として考えられるのが、

キッズコンテンツを視聴した「ユーザー」をターゲティングして、彼らが好む(割合が高い)コンテンツを「キッズコンテンツ」として機械的に判別する。

といったことです。自分の予想ですが、これはほぼほぼ行われるでしょう。

そうなった場合、危ないのがゲームコンテンツです。

特に、「スプラトゥーン2」「マインクラフト」「ゆっくり実況」は、13才未満の視聴者の割合が多いと考えられます。(他にもいくつかありそうですね)

規制強化までに与えられた猶予期間、4ヶ月でチャンネルの方向性を考えないといけないのは、キッズ系クリエイターだけではなく、

上のタイトルを投稿しているゲーム実況者、ゆっくり実況者、たまに子供向けのコンテンツを投稿しているクリエイターも同じではないでしょうか。

気づいたら、動画に広告がついていない。という風になるかもしれません。

ここでもう一点、YouTube側の視点を考えると、YouTubeは今回注意を受けた側で、「仕方なく」YouTubeのキッズコンテンツに規制をかけているに過ぎません。

ゲームコンテンツはYouTubeの主力コンテンツであり、そのゲームコンテンツをYouTube側がわざわざ規制しにかかるかは疑問です。むしろしない可能性もあります。キッズ向けのゲームの扱いに関しては、実際その時になってみないと何も判断できませんが、現在は、「規制される可能性がある」程度は頭に入れておいた方が良いでしょう。

3.キッズクリエイターの救済となるか?YouTubeKids

YouTubeはキッズコンテンツに巨額な投資をすると宣言しています。

クリエイターに収益としてどのように還元されていくかは分かりませんが、そのカギとなるのがWeb版もリリースされたYouTubeKidsです。

現在のYouTubeKidsは、コンテンツ、チャンネルをカナリ制限していて、表示されるコンテンツには既にいくつか傾向が見えてきています。

使用する前に、あなたは何歳ですか?と3段階で問われ、それぞれ表示されるコンテンツが異なってきます。

確実に言えることは、チャンネル規模が一定数ないと(100万近く)YouTubeKidsに表示されるのはカナリ厳しいです。(ただ、一部小規模チャンネルの動画も掲載されており、完全にフィルタリングされているわけではありません)

今後、キッズクリエイターは、YouTubeKidsアプリに掲載されている動画を分析し、そこに合わせた動画投稿をしていかないと厳しいかもしれません。

これからもマーケティング、カスタマーサクセス担当者にとって役に立つ情報を発信していきます。