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5/6【新任内部監査人・必見!】不正リスクを考慮した監査の実施アプローチ(外部委託先選定プロセス)

本シリーズは、6回に渡ってお届けしています。
第1回:「リスク評価編」
第2回:「監査計画編」
第3回:「実施手法編」
第4回:「評価・分析編」
第5回:「原因究明編」←今回
第6回:「改善提案編」


第5回:「原因究明編」~ 不正リスクにつながる構造的な要因を探る

1. はじめに

第4回では、データ分析に基づく発見事項の評価と不正の兆候判断について解説しました。特にシステム保守契約の事例では、以下のような状況が確認されました。

  • 特定の委託者への発注集中(年間発注の90%超)

  • 価格の段階的な上昇傾向(年10%程度の上昇)

  • 特定の担当者による継続的な承認

今回は、これらの背後にある構造的な要因をどのように分析するかを解説します。




2. 原因分析の基本アプローチ

通常の監査では個別の課題に対する直接的な原因を特定しますが、不正リスク視点では、組織的・構造的な要因の把握が重要となります。

表1. 原因分析アプローチの比較


3. 構造的要因の分析手法

不正リスクの根本的な原因を把握するためには、組織や制度に内在する構造的な問題を多角的に分析することが重要です。

表2. 分析手法の比較


4. 組織的背景の分析

不正リスクを生み出す組織的な背景については、表面的な制度や規程の問題だけでなく、組織文化や慣行、さらには業界特性なども含めて包括的に分析することが重要です。

表3. 組織的背景の分析視点の比較


5. 関連要因の分析

不正リスクの構造的要因を特定するためには、直接的な原因だけでなく、それに関連する様々な要因とその相互関係を分析することが重要です。

表4. 関連要因の分析項目の比較


6. 留意事項

構造的要因の分析においては、表面的な課題の把握に留まらず、組織の本質的な問題点を特定することが重要です。その際、以下のような点に特に留意が必要となります。

表5. 分析実施上の留意点比較


7. まとめ

構造的要因の分析においては、以下の点が特に重要となります。

  1. 多面的な分析視点

    • 組織構造面

    • 制度・運用面

    • 人的要因

    • 環境要因

  2. 相互関係の把握

    • 要因間の関連性

    • 影響の連鎖

    • 組織的な背景

  3. 本質的な課題の特定

    • 表層的でない原因

    • 組織固有の課題

    • 常態化した問題


次回予告

第6回「改善提案編」では、本日分析した構造的要因を踏まえ、実効性のある不正リスクの低減策について解説します。

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