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TRPG制作日記(109) 未来社会4

教育が重要であることについては議論の余地なく、なぜ教育について語る必要があるのかはわざわざ論じる必要なのでないでしょう。社会問題は多様化しており、ある人にとって重要な問題は、別のある人にとっては重要な問題ではありません。しかし、教育、この問題に関しては過去も現在も未来においても常に万人に身近な問題です。

それは『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』の舞台である八惑星連邦でも変わりません。


さて、TRPGとは参加者がゲームマスターとプレイヤーに別れて、ゲームマスターが物語を語り、プレイヤーがその物語の登場人物を演じる遊びです。そして現在開発している『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは、宇宙都市で暮らしている高校生の物語です。

プレイヤーは、この八惑星連邦の高校生を演じることになりますが、そのためには八惑星連邦の高校がどのようになっているのかを知っている必要があるでしょう。

八つの惑星を支配する八惑星連邦において、教育の中核を担うであろう学校はどのようになっているのでしょうか?

今日は、それについて書いていきたいと思います。


(1)校舎が優雅に巨大化している。

八惑星連邦ということですが、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGの舞台は正確には海王星地方の衛星トリトンです。

そこには日本国に属している50以上の宇宙都市があります。

ということで、それは未来の日本の小学校や中学校、高校がどのようになっているのかということですが、まず校舎が巨大化しています。ヨーロッパのお城のようになっています。


理由は二つあり、一つ目は圧倒的な生産能力です。

八惑星連邦は八つの惑星と、数千の宇宙都市を建造して保有している超大国であり生産能力が現代と比較になりません。

人工知能とロボットが発展しており、全長30キロメートルから60キロメートルの宇宙都市を次々と生産して、その内部に都市を建設します。この社会主義国は誰かがお金を出して乏しい宇宙都市を建造するのではなく、核融合炉で得たエネルギーで人工知能とロボットが宇宙都市を建造して、都市に加工していきます。

そのような世界なので、限られた国家予算から学校の校舎を建造するのではなくて物理的な生産能力が許す限り豪華な学校を建設します。妥協する必要はあまりないです。

さらに、物語において惑星間革命が2091年、そして物語がちょうど百年後なので八惑星連邦はたいして歴史がありません

そのため、無駄にコストをかけている可能性があります。

宇宙都市をゼロから建造できる生産能力があるため、そして空間の広さも十分にあるため、規模に制限がないのです。理想を追求します。


二つ目の理由は、思想です。

八惑星連邦は貧しい環境で痛めつけられて育った子どもの方が、大人になったときにたくましくなるという思想がありません。

また、そもそも人間にたくましさを求めません。

そのため、学校を現代の日本のような監獄のような姿にする必要はなく、掃除すらロボットが行っています。学食はそれぞれの子どもたちに予算が与えられていて好きなものを食堂で食べています。

生産能力がそのまま社会に反映されています。


経済的な理由でも、思想的な理由でも学校を質素にする必要がないので校舎は巨大化していますし、美術化しています。

校内には庭園があり、美術館があり、スポーツを楽しむためのさまざまな施設があります。

休日には大人たちもやってくるでしょう。封建時代は丘の上の城に貴族が住んでいましたが、八惑星連邦では子どもが住んでいます。


(2)学校に行かない高校生も多い。

仮想世界が発展しているので、勉強は仮想世界で行えます。友だちとも仮想世界で会えます。学校に行く目的は身体を動かしたい、ただ学校の校舎が気に入っている、そして食堂の定食くらいです。

壮大な城で過ごすのが楽しいという感覚のない高校生たちは、仮想世界の学校に通うこともあります。

木曜日には舞踏会がありますが、興味がない人は行かないです。

授業は寺子屋に似ています。先生がいて、先生を八人から九人ほどの人々が囲んで授業します。

あるいは、大きな講堂で先生の授業を聞きます。

そして、残念なことに、本当の学力は家で一人で机に座って習得するものなので学校が好きな人が勉強が得意なわけではないです。


(3)衝撃的なほど古い科目制度

現代の日本では資本主義で生き抜くためにさまざまな教育のあり方が考えられていますが、二十二世紀になると二十世紀に戻ります。理由は、資本主義が崩壊したから。

ロボットが労働の中心を担っている世界で、生きる力やキャリアプランは必要ないです。この社会では卓越した労働者になることよりも自分らしく生きることの方が重要なので、家族と話し合いましょう。人生は学校が制度化して責任を持つことではありません(資本主義では国家が責任を持たなくては社会が貧困化しますが)。

自分に向いていないことを頑張って成果が出なくても問題ないです。人生を楽しんだ人が勝ちで、そしてどのような人も楽しめるように社会システムが組まれています。

思いつきで生きていて問題ないので、学校で絶対に学ばなくてはならないことは国語と英語と数学と歴史と科学くらいです。普通に、現在の大学受験の必須科目と同じです。

未来世界に詰め込み教育の弊害などありません。

人工知能が賢いので人間は馬鹿で大丈夫です。

そのため、むしろ知恵よりも知識が重要です。なぜなら、単語を知らなければ求めることもできないので。

欲しいものを欲しいと言えるように、とりあえず単語を暗記しましょう。


(4)派閥制度で子どもたちは疲弊している

キャラクターシートのキャラクター設定において、【集会(サロン)】という項目がありましたが、八惑星連邦の高校生たちを特徴付けるのがこの集会という制度です。

小学生から高校生まで、何かやりたいことがあるとサロンを開いて学校に予選を請求できます。

また、両親の経済力を利用してサロンを開くこともできます。

サロンは絵画を学ぶや音楽について語るなど、テーマがはっきりしているものもありますが、ただ仲の良い友人たちが集まっているだけで、その日の気分で活動が決まるサロンもあります。

主催者がいて、メンバーがいるとそれでサロンです。

このサロンが人間関係の中心になるので、どのサロンに入ることができるのかにより高校生活が決まります。

人間関係以外で悩みがないので、人間関係で悩んでいます。

しかも、高校を卒業してそのまま結婚する男女も多いので、サロンは結婚相手を見つける場でもあります。

高校に入ると、高校生たちは将来の結婚相手や生涯の親友を求めてサロンを渡り歩きます。

気になる人と同じサロンに入れるかどうかが人生を決めます。高校生たちの一番の悩みです。


今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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