20200205ながいひる

2月5日は良元優作ライブ

2月5日(水)に岡山市北区大学町にある「ながいひる」という古本屋で良元優作のライブをやります。あまり知られていないミュージシャンだけど、僕にとってはこれほど胸にしみる唄をうたう人はいない。3年前から年に1回ずつこの時期この場所でやってもらっていて、今年で4回目になります。

良元優作は大阪在住なので、バスに乗るか車を運転してやって来ます。児島在住の立山青というブルース青年が毎回共演してくれて、今年は良元➡立山➡良元という進行の予定です。19時半に始まって22時ごろに終了、それから打ち上げ(お客さん参加自由の宴会ですね)というわけで優作さんも立山君もフレンドリーな人なので、ぜひ聞きに来てください。

本当はここで良元優作がどんなうたをうたうのか書けばいいんですが、僕の力ではどうしても書ききれないので、思い出話を書きます。

僕が良元優作を初めて聞いたのは7年ちょっと前の春一番という野外ライブで、「ゆうれい」といううたが本当に沁みて、一度でファンになりました。その年なぜか岡山で4回もライブがあり、通ううちに話ができるようになりました。次の年の春一番、ライブが終わって薄暗い中を帰っていた僕は、突然「中野さん!」と声をかけられ、誰かなと思ってそちらを見ると、それは良元優作で、二言三言、話をして別れたんですが、僕は本当にうれしかった。あのときの素朴な笑顔は、彼のうたそのものだと思います。

ところがそれから岡山ではさっぱり彼のライブはなく、僕は大阪や高松まで出かけて行ったわけですが、そのうち、そのくらいなら自分が彼を岡山に呼べないかと思うようになりました。しかしやり方もわからず思い当たる会場もなく、というわけで2年ほどが経ったころ、知ったのが「ながいひる」でした。

「ながいひる」という古本屋のことも、その店がときどきライブをしていることも知っていましたが、ミュージシャンも知らない人が多く、あまり身近な場所とは思っていませんでした。それがあるとき、良元優作が「僕は、なれるものなら田渕くんにもカニコーセンくんにもなりたい」と書いていたカニコーセンのライブが「ながいひる」であり、出かけて行くと翌月には田渕徹のライブがあり、ぼくはしげしげとその店に通うようになりました。

ある日僕は思い切って、店主の木村さんに「良元優作のライブをやってもらえませんか」とお願いしました。すると彼が言うには「いやそれは…僕は岡山に来たことのないような人のライブをやりたいんです」と言って胸を張るわけです。僕は(岡山では知られてないのにな)と思ったんですがそんなことは言わず、それじゃ僕の持ち込み企画ということでお願いできませんかと頼むと、快諾してくれました。

僕は前に良元優作を呼んだことのある筒井さんにいろいろなことを教わり、連絡をとりました。電話だったかメールだったか、もう定かではないんですが、ライブしてほしいこと、このあたりを通るついででいいこと、あまりお礼はできないこと…良元優作は、喜んで行く、お金は本当にいくらでもいい、日程もいつでもいいので、都合のいい日を指定してくださいと言ってくれました。

チラシを作ったり、片っぱしから心当たりに宣伝したり、二次会の準備をしたり、ついにその日がやって来ました。岡山駅西口のバスターミナルで待っていると、彼が笑顔で降りてきます。「ながいひる」に彼を連れて行った時の晴れがましい気持ち。お好み焼きを食べに行き、戻って開場すると13人のお客さんが来てくれました。立山君の熱のこもった演奏が終わり(立山君、1行ですませて申し訳ありません!)、良元優作が椅子に座り、「大阪から来た良元です」とあいさつをして…

3年たったけど、あの瞬間のことは忘れることができません。1月末のひっそりとした店内、その空気が、良元優作が「マミー」をうたいだしたとたんにまたいっそう温度を下げ、静まり、彼のうただけが暖かさをもって流れ、ぼくたちは小さな焚火に集まるように、そのうたの暖かみを囲んでいたと思えるのです。

日時:2月15日(水)開場19時開演19時半 会場:ながいひる 岡山市北区大学町3-9小林ビル2F  086-207-2638 料金:2500円(良かったら店で飲み物を買ってください)予約・問合せ:090-7507-0672(中野)