みかんこらむ①―御巫の祓舞について


【御巫】において《祓舞》を不採用にしているデッキを見る度になんでだろうと考える機会が訪れます。
他の人の構築を見て、様々な考えを汲み取り、それを自分の持つ価値観やプランと擦り合わせ、その結果どうするかは人それぞれなので本当に答えはありません。
というよりも考え方に筋が通っているならどれも正解というべきです。

単体スペックで見ても、「御巫」モンスターにしか装備できないものの、とりあえずの1バウンスと効果破壊耐性。
対象を取るバウンスなので、流行りどころでいうと【ピュアリィ】の《ストリート》や【R-ACE】や【ティアラメンツ】の《沼地のドロゴン》あたりが遭遇しやすい障害になりますが、そうした対面にはオオヒメを盤面に残して《誘い輪舞》での妨害を出せるような意識でプレイをするので、対象を取ること自体が大きなマイナスとはあまり感じていません。

このカードを採用するにあたって、装備対象が「御巫」モンスターに限定されている都合、デッキ自体を「御巫」カードに寄せる必要があるわけですが、そのパターンとしては「御巫」カードそのものの枚数を増やすか相性の良いカードやサブギミックを増やすかの2パターンが存在します。

《祓舞》はセルフバウンスも行うので、「御巫」ギミックを厚くする場合はもちろん、サブギミックとの噛み合いも期待できるのが一つのメリットになっています。
昨年の【ティアラメンツ】環境においては、各種「ビーステッド」を採用し、《水舞踏》と合わせて《マグナムート》を再利用し続けるプランをとりました。
今期は【ラビュリンス】が増えてきたことで「ビーステッド」モンスターの採用を再検討しています。


メインギミックの話でいうと、《ニニ》や《誘い輪舞》のコントロール奪取との相性の良さは何度も言っていることですが、《祓舞》の一番重要な点は先攻時の誘発の受けに関わることです。
現在の【御巫】デッキの基本プランは、盤面に装備付き《フゥリ》を置きビートダウンするもので、それを達成するためには《水舞踏》を通せるか通せないかにかなりウェイトが占められています。

【御巫】対面を想定した場合にどこに《灰流うらら》を当てるかという問題は、《水舞踏》から《フゥリ》が出されるなら《水舞踏》に、《火叢舞》や《迷わし鳥》などの他の方法で《フゥリ》が出されるなら《フゥリ》本体に当てる、とすでに答えは出ており、正直なところ《オオヒメ》や《儀式の準備》、《宣告者の神巫》などは相手を釣れる可能性はあるものの、正しく撃たれた場合はそれらは盤面にモンスターを還元するだけに留まるため装備付き《フゥリ》+「御巫」罠達成までの誘発貫通札とはならない、というのが使っている側の見解です。

ギミックをかさ増しする場合、《フゥリ》そのものを増やし召喚するか、《ハレ》を増やし《水舞踏》のアクセスをしやすくすることになりますが、プランの達成という点においては、どちらかというと《フゥリ》そのものを増やしたほうが良いと思います。
いくら《ハレ》から《水舞踏》を持ってきても先述の通り《水舞踏》に対しての《灰流うらら》がマストカウンターになっているので成立しません。
仮に成立したとしたら相手が【御巫】を知らないだけなので、自分が正しいプレイをもって成立させたわけではないということは理解しておくべきです。

《水舞踏》や《フゥリ》への《灰流うらら》をマストでくらうという前提であれば、事前に他の妨害を用意できているかどうかがゲームメイクに大きく関わると考えられます。


ここで《祓舞》の採用を考えるわけです。
《祓舞》を採用しておくと、《ハレ》に《水舞踏》を装備した時点でサーチが効くので、《水舞踏》に《うらら》をもらっても妨害を作ることができています。
《フゥリ》を召喚して装備を付ける場合も《祓舞》を付けたなら罠がサーチできなくても妨害が可能、サーチが通るなら《誘い輪舞》などのコントロール奪取をセルフバウンス効果と合わせて強く使えるメリットが大きいです。

罠の素引きも《フゥリ》や《水舞踏》に対する《うらら》受けとしてそれなりに嬉しいため、「御巫」罠を《契り》含めて3枚以上入れることも構築段階から考えられます。
《ニニ》を採用しているならその《契り》との相性も抜群に良い《祓舞》は合わせて採用したいところです。

今期は【ラビュリンス】の《白銀の城のラビュリンス》の破壊が対象を取らないこともあり、《フゥリ》に破壊耐性付与の装備が1枚付いているだけでは安心できないので、《水舞踏》や《迷わし鳥》、《火叢舞》と合わせて2枚以上装備しておくことも意識が必要です。
その意味でも、展開に使う上記3種にはない妨害持ちの破壊耐性付与の《祓舞》がより重要になっていると考えられます。

遭遇率ほぼ100%の《うらら》のことを考えて、《フゥリ》成立以外での妨害をギミックから出すのはマストで、《オオヒメ》や《神巫》が通ったものの《フゥリ》は成立しなかった場合にその残ったカードで何をするかは必ずプランの中に入れたいところです。
最近見かけたところだと【ドラグマ】のギミックと混ぜてよりコントロール色を強くするものもあり、なるほどなと思いました。

混ぜもの系はその分デッキスロットを圧迫することになるので、自由枠、とりわけ手札誘発や永続などのメタカードを採用しにくく、メタゲームを読むことに楽しさを感じる自分には今くらいのギミックをコンパクトにしつつメタカードも採用する型のほうが合っていると感じています。

複数のギミックから手数を出せるプランがあるならそれらは再現度の高いものとして考えてもいいと思いますが、逆に言えば、メインギミック以外の残りの枠を引くか引かないかによってブレが生じる手札誘発や永続だけの採用にするのは果たしてプランと言えるのかどうかは疑問です。


ただしここまでの話は先攻時のプランに絞った話というのは先述の通りで、《壊獣》を採用したり《ニビル》を採用したりと、そもそもが後攻を取る前提の構築であるなら、当然《祓舞》の優先度も落ちます。
《壊獣》を投げることで《祓舞》のバウンス効果を誘発させられるので相性自体は悪くなく、むしろ噛み合っているのですが、後攻から投げる壊獣を再利用するのは展開を補助する《水舞踏》があまりにも強いので競合するには至りません。
やはりギミックから出せる先攻での妨害としての役割が大きいです。


少し話が逸れましたが、まとめますと
《御巫の祓舞》は「御巫」カードを主軸にした場合は根幹に対する誘発の受けを考えると重要度が高いが、サブギミックとの兼ね合いを考えた場合は優先度が下がる可能性がある。
という話でした。

以降も何かしら御巫関連でピンポイントで気になったことがあれば記録として残しておこうと思います。
今回はここまでです。
ありがとうございました。

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