2023年7月制限の【御巫】考察 その①

7月制限となりまだ1週間も経たないですが、大型非公認大会ではすでに新環境でトップメタに位置するデッキがすでに決まりつつあります。
前期からの地続きであり、おおよその禁止制限が予想通りだったこともあり、メタ自体は読みやすいかと思われます。
今回は現時点でのメタゲームについて考察し、【御巫】を使用するにあたっての採用カードを考えていきます。

7月22日発売の新弾によって考察が大きく変わる可能性があるので、それについては別記事を作成したいと思います。

上位デッキ考察

【ピュアリィ】

前環境においても、CSで勝ち続けている人は確かにずっと使い続けており、研究を常にされ続けていたテーマです。

《スリーピィ・メモリー》が制限になったことで、《エピュアリィ・ノアール》の成立が難しくなり、それに伴い誘発の止まりどころを作るよりもプラン自体を変更することになりました。
【R-ACE】や【烙印】などの意識から《無限泡影》をはじめとする無効系手札誘発がメジャーとなったこともあり、それに対応する形で《ストリート》をメインに戻すように変更されました。
初期の頃と同じく基本的には《エクスピュアリィ・ノアール》の素出しを狙いますが、メモリーの減少や手札誘発増加の影響に耐えられるように《ピュアリィープ》を複数枚採用しプランの安定を図ります。

タイプとしては、前期にもあった《救いの架け橋》を採用し《ストリート》に触りやすくするタイプと《強欲で貪欲な壺》を採用し手数を増やすタイプの二種類が現在のところ主流となっています。

【ピュアリィ】側が意識するところは、《ドロール&ロックバード》と無効系の存在で、盤面空状態から撃てるメモリーが減ったことでドローフェイズに動いてデッキを回していくことが少し難しくなりました。
前期と比べると《ドロール》をくらいやすくはなったものの、そもそもの《ドロール》自体はメインに採用するには現時点ではピーキーなため、プレイとして強く意識するのは主にサイドチェンジ以降でしょう。
《エピュアリィ・ノアール》に向かいづらいこともあるので、【ピュアリィ】側としては無効系を意識する場合、先に《ピュアリィ》から変身効果を発動して、《ピュアリィ・リリィ》の変身効果を後にするのがセオリーだと考えられます。
元々ドローソースや手札補充ギミックによってそれなりにメモリーを連発できたところが細くなった印象です。

無効系を基本的には変身効果(特に《リリィ》)に撃つのはともかく、《灰流うらら》の撃ちどころが分かれそうなところですが、《架け橋》型にしろ《壺》型にしろ手札を増やさないとシビアになるのは間違いないので、そのどちらかか《マイフレンド》に当てておくのが丸そうです。
《灰流うらら》+無効系の持ち方だと理想的です。
【ピュアリィ】側が《エピュアリィ・プランプ》の成立をまず目指すことから考えると、手札《デリシャス》持ちで《ピュアリィ》が変身効果→無効で通らなかった場合《デリシャス》発動から《リリィ》を特殊召喚し《プランプ》成立を狙うのがオーソドックスなので、【ピュアリィ】側の手札に余力がある場合はその限りではありませんが、この《デリシャス》にうららを合わせるのも良さそうです。

【ティアラメンツ】

《クシャトリラ・フェンリル》こそ居なくなりましたが、依然として高いパワーを維持しています。
【ティアラメンツ】については前期からそこまで大きく構築が変化したわけではありませんが、クシャトリラギミックを多めに採用した混成型のものは勇者型やシンクロ型に比べるとかなり差がついた印象です。
《アライズハート》を成立させられるクシャトリラ混成型がまだ存在するなら環境的に有利だったことでしょう。

変更点がほぼないのでギミックについて詳しく考察することはしませんが、採用誘発が有効かどうかを確認しますと、《うらら》はともかく無効系も《カオスルーラー》という明確な当てどころが存在する都合、初期ティアラメンツに比べて格段に有効になっているため採用は推奨したいところです。
逆に、かつて有効だった《ビーステッド》についてはやや微妙な評価で、《ティアラメンツ》の共通融合効果こそ止められるものの、レベル1チューナーを除外できないのでレベル7供給からシンクロされて動かれることがほとんどです。
確かに共通融合効果を止めて《ルルカロス》や《龍神王 グラファ》が出なければ妨害数マイナス1ですが、それならばレベル1チューナーも除外できる《D.D.クロウ》のほうが対【ピュアリィ】も考慮した場合有効打になる可能性が高いと考えられます。

【ラビュリンス】

前期の終盤から数を一気に増やした現環境最強罠形デッキです。
前回記事の結びの通り流行ってしまいました。
各種家具をフル投入したタイプが主流で、罠型デッキながら先攻相手ターンでも動くことが可能というかつての【ティアラメンツ】を彷彿とさせるデッキです。

《トランザクション・ロールバック》を採用するのも流行りで、家具をより強く使えるように構築されています。
《次元障壁》や《天龍雪獄》、《現世離レ》、各種《ウイルス》といったピンポイントなメタカードを環境に応じて採用できる他、【破械】のギミックや《未界域のビッグフット》などの採用も可能で構築に柔軟性があることも強みです。

割り物耐性については通常罠に寄ってることと《ロールバック》の採用もあるため《羽根帚》はそれほど問題でなく、《拮抗勝負》も一部のモンスターは吹き飛ぶもの《白銀の城のラビュリンス》さえ守れていれば妨害が機能するのでそれなりに耐えられます。

流行りの無効系誘発に対しても強く、現環境においては流行っている誘発への耐性が一番高いデッキと言えます。

有効メタカードとしては、家具を機能させない《次元の裂け目》などの全除外系、《ビッグウェルカム》を飛ばせる《コズミック・サイクロン》などですが、前者はともかく《コズミック》は少しピンポイント気味です。
リソースを完全に回し続けられるまではある程度ターンを跨ぐので、それを削れる《ビーステッド》や《D.D.クロウ》は比較的有効で、特に《クロウ》は《ビッグウェルカム》や《ロールバック》の対象を除外できるので【ラビュリンス】側のプランを崩しやすそうです。

【R-ACE】

ミッドレンジの最強デッキ。
かと思っていたのですが、無効系の流行りもあり少し上位からは落ちた印象です。

《ハイドラント》1枚から《アウローラドン》を出し《ヴァレルロード・S・ドラゴン》によって《タービュランス》に対する妨害への牽制且つ割り物耐性付与とプラン自体は理にかなっているものの、その動き自体は2枚要求ということもあり、安定しているかというと半々といったところ。
当然《アウローラドン》ギミック採用前に比べると《増殖するG》も重くなっていることやデッキ内の引きたくないカードの増加もあり、このギミックの採用はプレイヤーによって好みが分かれているところでもあります。

対【R-ACE】における《灰流うらら》と無効系の撃ちどころは明確なので、それ以外で考えると、《ハイドラント》から《アウローラドン》に向かう場合に墓地の《ハイドラント》が除外されると意外と厳しいような印象を受けました。
《プリペンダー》を即出しできないのに加えて、《RESCUE》からの蘇生もできないため、《タービュランス》の効果が通っても《EMERGENCY》から次の《ハイドラント》をリクルートしないと強く罠が使えないので動きがかなり制限されます。
《アウローラドン》プランのあるなしに関わらず、《ハイドラント》を盤面に維持することを念頭にプレイする必要があることを思うと、《D.D.クロウ》が流行った場合、《アウローラドン》ギミック採用型は裏目が増えるため一考の余地がありそうです。

他のデッキに比べると自由枠のスロットがあるので、手札誘発を寄せることができるのは大きな利点です。
【ピュアリィ】や【ティアラメンツ】を見るなら、無効系の枚数を4枚目以降増やすよりも《ストリート》下でも有効打になり得ることや先述の通り墓地のチューナーを飛ばせることを考慮して《D.D.クロウ》を優先したほうが良いかも知れません。

【烙印】

同じくミッドレンジ系で上位に位置するデッキですが、現在の【R-ACE】と比べて《増殖するG》が受けやすい印象です。
《烙印融合》に対する《灰流うらら》はいつまでたってもきついですが、通ったときのバリューは《タービュランス》と同等以上で、リソースの伸び方や妨害の質まで考慮すると環境トップクラスです。
無効系誘発は初動の《アルベル》などに合わせるのが基本ですが、《カルテシア》の存在などもありそこそこ耐えられます。

最近だと《ビーステッド》が【ティアラメンツ】に対しても有効打にならないことが増えたので、そちらは最低限に留めて、その枠に他の無効系誘発などを増やすことが多いようです。

《分かつ烙印》の存在から《拮抗勝負》に対して強く、妨害を前と後ろ両方に置くことができる点も他デッキとの差別化ポイントです。

《ミラジェイド》の対象取らない除去も優秀で、【R-ACE】や【VS】、【ラビュリンス】などミッドレンジ以下の速度のデッキに対してめっぽう強いのも今期評価が高いです。


【御巫】へ採用を考えるカード

ここまでに挙げた上位5デッキの考察を踏まえて、今期は何を採用するべきか考えていきたいと思います。

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