みかんこらむ②―神か仏か変な塔か

今回は【御巫】における初動を支えるカードについての考察になります。


【御巫】は特殊召喚がそれなりに豊富なデッキなので通常召喚権をものすごく大事にしないといけないデッキというわけではありません。
ただし初動部分を「御巫」カードにのみに任せて、《ハレ》や《水舞踏》のみで動く場合、最大で《ハレ》は増援込みで4枚、《水舞踏》は3枚と少し不安の残る枚数です。
《ハレ》+装備魔法何でも、もしくはモンスター何でも+《水舞踏》でとりあえずは動くものの、肝心の《水舞踏》への妨害を受けてしまうと盤面がかなり脆くなるので、構築段階から《祓舞》を採用するなりして《水舞踏》が通らなかった場合も妨害が出せるような工夫が必要だというのは前回の記事の通りです。

ともすれば「御巫」下級以外の召喚権から予め妨害、特に《灰流うらら》を撃たせることができれば、その上から《水舞踏》を通せるので、どのギミックを採用していくのかというのがプランによって変えていくこともできる重要なポイントになります。

《宣告者の神巫》

いつもお世話になっています。


《神巫》の評価ポイントとしては墓地送りの択が複数存在することで、《虹光の宣告者》での《オオヒメ》もしくは《御巫神楽》のサーチ、《旧神ヌトス》での盤面破壊、《剣神官ムドラ》や《宿神像ケルドウ》をデッキから落として妨害など、欲しいタイミングで様々な仕事を行うことができます。

《ヌトス》によって直接盤面に触れる点が他の初動とは異なる大きな利点で、儀式テーマの天敵の《魔封じの芳香》などへの解答になります。


レベル変動も評価ポイントで、レベル4を落として6になることで、《オオヒメ》の儀式召喚のリリースを一体で賄えたり、「御巫」下級と合わせてレベル9シンクロ、《オオヒメ》と合わせてランク6エクシーズなど派生するモンスターにも択が豊富に存在します。
デッキ内の《神巫》を落としてレベル4になることで、《オオヒメ》とレベル10シンクロになるパターンもあります。(稀に《ムドラ》などのレベル4特殊召喚と合わせてレベル6となった《神巫》で10を作るパターンもあります)

攻撃力が1000以下というのも地味に有効で、《転生炎獣アルミラージ》になれるというのは後述する《マンジュ・ゴッド》との差別化としては大きいです。
《アルミラージ》になれるとリリースから「御巫」モンスターのみの盤面にすることができるので、相手からの攻撃の的にならずライフを守ることができますし、また《カイザーコロシアム》を採用している場合に盤面のモンスターをフリーチェーンで減らすことができることが大きな利点になります。
また、《センサー万別》を貼ってる場合の《神巫》初動でも《アルミラージ》に変換することで《オオヒメ》を盤面に出すことができます。

《マンジュ・ゴッド》

儀式モンスターか儀式魔法をサーチできる点では《神巫》と同じです。
特筆するべきはおよそ2点です。

レベルが元々4であることを活かしたプランを選択できることがまず1点。
《オオヒメ》と合わせることで《カオス・アンヘル》を出すことができるので除去力を上げられます。
闇属性無しなので《アンヘル》自体に戦闘耐性こそありませんが、そもそも「御巫」モンスターは戦闘耐性があるも同然なのでほぼ気になりません。

またコンボ前提ではありますが、《レボリューション・シンクロン》と合わせて7シンクロの択が取れる点も悪くありません。
《ブラック・ローズ・ドラゴン》でのリセットはもちろん、《パワー・ツール・ドラゴン》で装備魔法に触れるのもこのデッキにおいては優秀です。
その後の蘇生した《レボリューション》から何を作るかも択が様々で、御巫下級と合わせて《虹光の宣告者》を出すこともできますし、レベル8シンクロで《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を出しての妨害や《混沌魔龍 カオス・ルーラー》で墓地を肥やすのも有効かも知れません。
変わったところでは《破戒蛮竜―バスター・ドラゴン》を出すと《センサー万別》などの永続系と合わせて相手を縛ることが可能です。
このあたりは採用するプランに合わせていろいろ選択することができるので好みのものを選ぶと良いと思います。

2点目は墓地を経由しないサーチであることです。
これは《神巫》にはない利点で、《ディメンション・アトラクター》や《次元の裂け目》などと共存することができます。
先述の《レボリューション》プランと合わせた際には全体除外は蘇生が効かないこともありそのプランの一部を阻害しますが、それ以上に相手に対して全体除外が有効であれば十分です。
流行りにもよりますが、《幽鬼うさぎ》を全体除外によってケアできることも覚えておくべき利点で《水舞踏》を通しやすくなっています。

全体除外プラン、特に《アトラクター》を採用する場合、《神巫》型だと《ムドラ》なども同時採用することがよりプランを安定させる為に必要になりますが、《マンジュ》の場合はその枠を割く必要がありません。

全体的に《神巫》のほうが用途が広い分、トータルプランとの兼ね合いが難しくなる部分が発生するのに対して、《マンジュ》はやることがハッキリしている分取り回しやすい印象です。

《アショカ・ピラー》

上記二種とは異なり装備魔法を直接サーチするカードです。これにより《水舞踏》をサーチしつつバウンス用のモンスターを同時に供給できるので1枚初動と言えます。
反面《オオヒメ》本体に触ることができないため別にその方法を必要とする点ではマイナスです。

《オオヒメ》と合わせて持っている場合《灰流うらら》の撃ち所を分散させることができるため妨害を残しやすいのも嬉しいところ。
《オオヒメ》の「御巫」サーチ効果に《灰流うらら》を撃たれれば《アショカ・ピラー》からサーチした《水舞踏》を通せますし、《アショカ・ピラー》から入って《水舞踏》に《灰流うらら》を撃たれれば《オオヒメ》のサーチ効果で《伝承の大御巫》に触って妨害が可能です。
「御巫」ギミック本体の攻め手を増やせるカードと言えるでしょう。

装備魔法であればなんでもサーチできるという点は《オオヒメ》ができないことでもあり、《脆刃の剣》や《天子の指輪》などキルを取りにいく場合や妨害を増やしたい場合など状況に応じたサーチができる点では優秀です。
《かみくらべ》によって好きな装備魔法に触れられるとは言うものの、相手のターンで妨害として使われることがほとんどであることを考えると《脆刃の剣》を《かみくらべ》から装備させるというのはかなり余裕があるときでしかなく、一瞬の隙をついてライフを取り切る《脆刃の剣》の特性を活かすためにもそのアクセス方法が安定していてほしいところです。

《アショカ・ピラー》だけの動きで考えても
《アショカ・ピラー》通常召喚《水舞踏》サーチ
→《水舞踏》で「御巫」下級リクルート&《アショカ・ピラー》バウンス
→返しのターンで《アショカ・ピラー》通常召喚《脆刃の剣》サーチ

まで動きが自然に行えます。

また《マンジュ・ゴッド》と同じく全体除外と共存できる点も押さえておきたいところです。

レベルに関しては「御巫」下級と同じく3なのでこちらはエクシーズを狙うことができます。
《迷わし鳥》から蘇生した下級を除外させないようにしたり、《次元の裂け目》ではX素材が除外されないことを活かして墓地に下級を置きもう一手増やせる可能性もあるため、エクシーズを前提としたプランを取ることも考えられます。

《儀式の準備》

おそらくどの型にしても1枚以上は採用されるであろうカードです。

儀式魔法のサルベージを同時に行うことができるのも重要で、《オオヒメ》+《儀式の準備》のときに《オオヒメ》から《御巫神楽》のサーチしてそのまま落とし→《準備》で《オオヒメ》サーチと墓地の《神楽》回収で儀式召喚の準備が整います。
序盤で《オオヒメ》で切るものが《神楽》くらいしかない場合もそれなりにあるので、《神楽》による全体除去を撃ちたくなる中盤以降で回収が効くのは大きいです。

上記二つの召喚権によって儀式モンスターをサーチするカードを採用している場合、実際のところ《準備》をフル採用にしなくても初動は足りている感じがこれまでの経験ではあります。
《準備》自体はかなり撃ちやすいので、誘発チェックの一発目として撃っても良いのですが、ここで《ドロール&ロックバード》を食らった場合プランが崩壊する可能性が高いので、これもフル採用を悩ませる理由の一つです。
《ドロール&ロックバード》を意識するなら《準備》よりも先に「御巫」カードそのものを増やしていくことを検討します。

かつてのプランでは《オオヒメ》以外のサーチ先として《イリュージョン・オブ・カオス》を採用して《マジシャンズ・ソウルズ》で余った《準備》や永続などをドローに変換させる誘発の受け手、特殊召喚によってリンク値の増加や《水舞踏》の対象、《神巫》と合わせて《F.A.ライトニングマスター》を作ったりと、《イリュージョン》(《ソウルズ》)自体の仕事が多くありました。

その他【リブロマンサー】や【儀式ドラグマ】などの儀式テーマ混成型の場合はフル採用にしてサーチの択の広さを活かすべきでしょう。


また《準備》も《マンジュ》と同じく全体除外プランを阻害しないので検討ポイントの一つです。

※補足※《アームズ・ホール》

《水舞踏》のサーチができるので一応の初動といったところですが、《水舞踏》のリクルート効果起動に《灰流うらら》を撃たれる前にそもそも何かしら相手に対してのアクションをしたい(させたい)という今回の趣旨からは少し外れます。

召喚権を消費するので、実質的には《神巫》や《マンジュ》と初動確保という意味で同じです。
ただし盤面にモンスターを出す手段がないとサーチしてきた《水舞踏》も機能しないので、ほぼ後攻型の《壊獣》や《ラヴァ・ゴーレム》などと合わせて使っていくことになります。

後攻型の難しいところは相手及び自分の引きムラによって捲れるかどうかが変わりすぎるところで、ギミックによる捲り手段が《水舞踏》のバウンス&リクルートによっており、そこへの妨害がマストであることから、《壊獣》などで予めその見えている妨害を消さないといけないわけですが、それを越えてもなお手札誘発を乗り越える必要がある、と実際は思った以上にハードルが高いです。
【ヌメロン】のようなデッキが大会環境において安定して勝てていない現実から見てもそのハードルの高さは明らかです。

逆に言えば、引き合わせによってはどんな盤面も突破しうる可能性はあるので、そういう人は使えば良いのかなと思います。

しばしば対面していて「御巫かぁ…後攻とったほうが良いのかなぁ…」と言われることがありますが、
(いやいやそんなわけないでしょう、200%先攻とったほうが良いですよ)といつも心の中で思っています。


今回はここまでになります。
大会環境において【御巫】はメタを張る側なので、常に取るべきプランと相談してそれに合わせた初動を選択するようにしましょう、というのが今回のまとめです。
ありがとうございました。

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