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ジーパン時代73-74優秀作品その1 第57話「蒸発」 第三ステージ

第三ステージ。
最終ステージとします。

放送時間は、
あと残り11分25秒。

夕闇に少しずつ動く人影。

少し涼しくなった街を彷徨う江原行夫。

病院からも脱走し、
先日、殺人を目撃したばかりに、
恐怖のあまり、
逃げる事しか出来ない男、37歳。
世間では、自分は
既に死んだと思われている。


そんな自分が今更、世間の前に
現れてもよいものだろうか?
一、事件の詳細の証言。これは警察に。
一、過去の生活を捨てた真意、理由をも
 三年前に戻って、これは妻に。

この二つを、双方が納得するような証言を
しなければ、ならない。

もはや、その勇気さえ、
残ってはいない江原。

しかし、何も悪い事をした訳では
無いのにも関わらず、
その道義的責任は付き纏う。

警察にも勘付かれ
その警察からも、必死で
姿形を晦(くら)まそうとする。
「何故(なにゆえ)なんや?」

「もう死んだと思われている自分。
 自ら作った、自分しか解らない、
 自分だけの安寧の生活」に
また、必死になって戻ろうと、
もがき苦しむ、そんな自分を
たった独りで見つめる。
他人との触れ合いを徹底して拒み続ける。

◆これを、この時代以降の人々は、
「引き篭もり」と、言い始めた。
◆昭和40年代前半には、
そんな言葉さえ無かったのだ。
◆しかし、江原は単に引き篭もりだろうか?


もう夕暮れ、
仕事からの帰宅に向かう人並の群れ。
そして、深夜。

江原は、過去に暮らした自宅近くに、
足は勝手に向かっていた。

もう一度、家族となり
少なくとも数年間一緒に暮らしてきた、
あの邦子の顔を見ておきたかったのだろう。
しかしながら、、。

夜が明けた。

井上堯之バンド♫
「青春のテーマ・M2 -夢-」



其処では、昔、暮らした邦子と
邦子に寄り添う男、小阪が、自宅から出てきた。
和男と一緒に。

「和男くんは、僕が幼稚園まで送るよ。
 結婚式場と
 グァム島旅行は、一応
 僕がキャンセルしときます。

 ご主人が帰ってきたら、
 僕が話すよ。すべての事を、、」

このグァム島と云えば思い出します。

以下も、死んだと思われた人が、
現実に生きていた、実話なんです。

◆1971年 昭和46年。

グァム島から元、旧日本陸軍 陸軍軍曹だった
横井正一氏が発見された。

「終戦になったことを知らなかった」のだ。
彼も、祖国日本では、戦死したことになっていた。
しかし、孤独でたったひとりジャングルで
生きていたのだ。

また放送した1973年 昭和48年。
翌年の1974年 昭和49年。

フィリピン ルパング島で同じ
元、旧日本陸軍 予備陸軍少尉
小野田寛郎氏が発見された。

🟠この二人の、生きたままの戦争からの
無事な帰還は、
「戦争はまだ終わっていなかった」と
平和な日本で生活出来ていた庶民は
改めて認識を変えたのだ。


また、上記の台詞にある、
◆日本人の海外旅行。

日本人の海外渡航自由化は、
1964年4月1日の以降のことです。
初回オリンピック東京大会が、
10月10日に初めて開催された年だ。
ザビートルズが、初の来日公演をした年。

この日を記念して「体育の日」→後のスポーツの日。
設定された。これまでの天気推移を見て
この日10月10日には、
雨が降らないことも加味されたのだ。
現在でもそうですよね。
10月10日には、殆ど雨が降りませんよね?

この日から、
観光目的のパスポートの発行が開始され、
1人年1回、海外持ち出し500ドルまで
の制限付きで、海外への観光旅行が可能となった。
◆但し、海外に何回も行くな、と云う
国のお達し?か。

その頃は1ドル360円。
戦後日本は長い間1ドル=360円の
固定為替相場制であったが、
1973年以降は変動為替相場制となった。

上記の変動為替相場制となったことを
太陽にほえろ!マカロニ時代の話で
殿下が聞き込みに行くBARのホステス。

彼女は「不景気で、その上、
一ドルが300円になってちまって
大損だよ!」と嘆く。

1973年の台詞に出て来ました。
覚えてますか?
「拳銃とトランペット」の回にて。


それまで、海外への旅行は
出来なかったのだ。一般庶民は。
TVクイズ番組でも、アタック25等の番組が
生まれていく。例えば、
クイズに答えてハワイに行きましょう!と。
国の海外旅行の促進策の一つがこれだ。

また、飛行機を使った海外旅行の
お供をする、当時の呼び名。
スチューワーデスも職業婦人の一つとして、
若い女性達の職業選択肢に加わっていく。

要はTV、マスコミを通じて
クローズアップされていく。
太陽にほえろ!放送前1970年に
企画、放映されていた
「アテンションプリーズ」の主題歌をここで。

日本航空が撮影に完全協力した作品。
第一回の監督は、太陽にほえろ!の
メイン監督である、竹林進監督である。
サインはVのメイン監督でもあった。

唄は、ザ バーズ。
主演は、紀比呂子。
彼女の母は、三條 美紀。

娘の紀比呂子は、
以降太陽にほえろ!にもゲスト出演。
第237話、第360話のたった二話のみ。
360話は、惚れっぽいボンが彼女に恋をする。
その彼女、紀比呂子は、殺人者だったお話。
ボンの殉職編の御膳立てのストーリー。

また、彼女演ずる「美咲洋子」は
佐賀県出身の神主の娘と云う設定。
佐嘉神社も現存の有名な大きな神社です。
後のゴリ、竜雷太も教官として出演している。

筆者の故郷では、祐徳稲荷神社 が有名です。
2023.2月撮影のもの↓↓

京都なら、『よう、来はったねー』
この写真に、お参りすると、御利益があるかも。

では、ストーリーへ。

自宅近くの川の側で、
行く支度が出来るまで遊ぶ和男の、
後ろで。

背を向けた、江原が佇んでいる。

「おじちゃん?早く行こうよー。」

「ああ。さあ。幼稚園まで競争だぞ。」

「僕が勝ったら、プラモデル、
 買ってくれるかい?」

「よーし。」
「よーい、ドン!」

その後、邦子は出掛ける。
恐らく仕事に行くのだろうか?


曲名変更される。

井上堯之バンド♫
「青春のテーマ・M2 -信頼-」かな?

邦子が通り過ぎたあと、
家の前に、近づく江原。

そして、数秒間佇む。

そして、左手からそっと近づく、
黒メガネ印の柴田純。

「江原さん。」
「奥さんは、たぶん警察です。」

、、、、、、

「あなた、どう言う気持ちなんですか?」

「今、あなたが生きている人間である以上。
 あなたが目撃した犯罪について
 証言する義務があります。」と純。

「さあ行きましょう。」と、

徒歩で、七曲署まで。


◆三鷹市から東京新宿矢追町まで、徒歩か?
じゃ、ないわな?


🔴ここで、確認事項🔴

目撃者が一般市民であれば、
目撃内容の通告をしなかったとしても、
犯罪にはなりません。
即ち、純がいう、証言の義務はありません。

だが、これを一般市民が言っているのか、
現職の警察官が言っていることか、に因る。

それよりも、何よりも、

即ち、江原は第一ステージで自ら
目撃した事を通報しており、

その後、捜査の渦中で、目撃者は、
江原だと七曲署に確認されている。
事件は殺人事件であり、重大事件だ。
尚、暴力団絡みであり、彼江原にも
その危機が迫っている。

為に、
純は警察官として、どういう事かを
尋ねる職権による職務遂行を果たしたに過ぎない。


第二ステージ終わりで、
山村が言った「人命尊重」を遂行するため、
舌足らずだが、警察に行って証言して下さいと。
警察なら安心できると。
ゆっくり話してもらえるだろう、と。


① 目撃者が通常、公務員の場合は、
刑事訴訟法第239条第2項によって
「犯罪告発義務」があるのですが、
違反しても罰則がないので、
やはり犯罪にはなりません。

【刑事訴訟法】第239条第2項
この条文では、、、
官吏又は公吏は、その職務を行うこと
により犯罪があると思料するときは、
告発をしなければならない。

◆これを、純は取り違えたか?

↑この条文は、テキサス時代の超名作。
超とは、通常の名作を超える、意味。

山村精一代表作品、
謂わば、太陽!特選作品の一つ。
第163話「逆転」に
この法律の条文が、山村精一警部補の
台詞に出て来ます。

冒頭のシーンで、被疑者に対して
山村がしっかり発言しています。
しかも、先輩である警視を
最後の最後で、逮捕します。


② 目撃者が警察官の場合は、
「人の生命身体財産の保護」を職務と
していますので、何もしないときは、
刑法218条の「保護責任者遺棄罪」になります。

【刑法】第218条
老年者、幼年者、身体障害者又は
病者を保護する責任のある者が
これらの者を遺棄し、
又はその生存に必要な保護をしなかったときは、
三月以上五年以下の懲役に処する。


③ 一般市民が犯罪を目撃した場合に、
通報しなかったことが犯罪になるのは、
「爆発物取締罰則」違反だけだと思われる。

明治時代の法律ですが、
今でも効力がある法律です。
【爆発物取締罰則】
第8条 第一条乃至第五条ノ犯罪アルコトヲ
認知シタル時ハ直ニ警察官吏若クハ
危害ヲ被ムラントスル人ニ告知ス可シ
違フ者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス

しかし、交通事故の目撃の場合は、
警察に報告の義務が、課せられています。

◆また、証言を拒否する権利は、
いかなる人も、基本的人権として
一様に持たされています。

以上の理由で、
◆この証言の、純の台詞にある義務は
無いと思われる、が?

しかし、本人自ら
一度電話で通告しているんだから、
詳細を警察に聞かれたら、詳細を言わないといけない、
拒否は出来ないことに、
先程も申し上げた、
「道義的責任」に該当するのだろう。


以上が、
噂通り、死亡した人間でなく。

「今、あなたが生きている人間である以上。
 あなたが目撃した犯罪について
 証言する義務があります。」と純。

この台詞の裏に隠された意味です。


※この部分に似たストーリーは、
第369話「その一言」
四人目のジュン刑事に抜擢された、
スニーカー刑事五代潤の3話目。
殺人目撃証言を拒む目撃者。
今回と同じ。

その証言をもらおうと、必死に喰らいつく
新人スニーカー。その目撃者は殺される。
この話は、57話のリメイクか?

強要ではなく、目撃者の仕事への協力で
彼の心を和ませ、次第に
心を開かせようと苦心する潤を描く。

◆テキサス時代に、もう一話あります。
そちらが、真のリメイクと考える。
それは最後に。



七曲署の駐車場に、
あのフォードタウナスが居る。

右は 二世代目 日産サニー

30系クラウンパトが過ぎ去ったあとに
しっかりとカメラに映している。
流石は、斎藤光正監督。

◆純も、一旦は追跡したクルマなのに、
解らへんのかー!
周囲のクルマ、人の動きを察知してない。

◆七曲署の門番の警ら警官は、
見た事もない、男ら三人。
?と、不審がるも、職務質問もなしで、
スルーさせてしまった。

ケンメリスカイラインが 駐車している

倉田が刑事になりすまし、
3人の輩たちを連れて
七曲署の署内に、堂々と侵入した。

これまでの輩たちは、
純の暴行を受け、入院中の筈。
簡単に復活してきている。

倉田(木村博人)は、だから
他の輩を連れている。


取調室。
「ちょっとここで、待ってて下さい。」

三階から降りる純。

三階が取調室か?
一係は、従来からも何度も説明しましたように、
建物の二階にある。

階段で、登りの警官が、純を見て
「おはようございます。」
純は、「おーおっう!」
◆七曲署赴任一カ月目やで。
偉そうな態度の黒メガネ。

一係室に入る時に、
背後に、倉田がいるのに
気付かない純。

入った時に、クミが
右目をウィンク。
お茶を淹れて、引き上げるところ。

「ボスたちは?」
「もうすぐでしょっ?」

「奥さん。
 ご主人をお連れしました。」と純。

「逢いますか?」と。


井上堯之バンド♫
「青春のテーマ -愛-」

頷く邦子。

「おーおい!」と怒鳴るような、
純のデカい声。

「はい!」
「調べ室、案内してくれ!」

取調室の廊下で、入り口に
近づく影が。

あの倉田が、侵入してきた。
倉田は着替えている。
ブルーのシャツはそのまま。
上着とネクタイは別物だ。

江原は、即座に廊下に出る。

調べ室から、廊下に、
今度はナイフを振り回す倉田。

廊下で、夫人とクミに鉢合わせ。

◆この時、二階と三階が逆転している情景?
では、おまへんかなあ。

「キャー」と、クミの甲高い叫び声。

しかし、クミも追いかける。

やっと純が、江原との間に入り、
倉田の攻撃の盾となる。
「江原さーん!」



「お前か!病院の男はーっ」と純。

後ろで、邦子が来たのを
察知し、すぐさま邦子を人質に。

しかし、江原は、
ゆっくり純と倉田に近づき、

「その女を離してくれー。」と小声で。

瞬時に、純の左脚が、

倉田の持つナイフに、蹴りを加える。

ナイフを蹴り落とされた倉田は、

素手で純と格闘。
ナイフは純が足で蹴って遠くに放る。
それはクミの足元に。

「キャー」っと、クミ。

ここで、寺林組の輩たちも
合流し、更に格闘の輪が広がる。

井上堯之バンド♫
「青春のテーマM1」間奏。

病院に入院していた筈の輩たち。

三人のチンピラを、ものの簡単に
蹴散らす純。

捜査二課から、交通係へ。
署内での乱闘を止めに掛かる。
準レギュラーの警官(新井一夫)。

「お前たち、やめろー。」

井上堯之バンド♫
「アクションのテーマM1」


クミは、一係に報告と
助けを求めに行く。

「ジーパンが、、、!」とクミ。

「おーい?!
 あの騒ぎ、ジーパンか?」とゴリ。

「そう!」とクミ。
「何ぃーっ!」これは野崎。



野郎達と純は、


二階の窓を破って
地面のガレージに、飛び出す。

ゴリが倉田を押さえて、
野崎が純を押さえる。

そこに、昼から戻ってきた殿下。

「どうしたんですか?」
「分かんないだよー、ジーパンの野郎が。」

さらに暴れる純に、
「ジーパン、やめろ!」と殿下。

最後はクミが、
「ボスうっー」。昼時から戻った鬼に。


かなり、時間が経過して
犯人を全て逮捕したあと、鬼に対して
全ての経過弁明を求める署長室で。

井上堯之バンド♫
「過去の事件簿I (M11A)」が間奏。
ジーパン編では、初演奏である。

◆太陽にほえろ!第一話
「マカロニ刑事登場!」の
ラストシーン一つ手前に流れた曲。
太陽にほえろ!と云えば
この曲は外せない。

鬼は署長室に呼ばれた。

第55話で登場した
純にとっては、あの嫌味な平田昭彦が、
この回から準レギュラーとして、
今後10年間、登場していきます。


「あっついなー。」と。

扇風機を鬼に向けてやらない、
三代目新署長。西山署長(平田昭彦)。

初代も二代目も、役名はなし。
単に署長、というだけだった。
今回から「西山」の役名となる。

「君っ!何とか釈明せんのか。 

 君のチームは、暴れ熊を飼ってるのか!

 机に、椅子、戸棚に窓ガラス。
 一体、いくらの損害だと思う?」

「もう少しで、
 我七曲署は、バラバラになるところ
 だったんだぞ!」

そこで、鬼は署長の前で、
吹き出し笑い!

「何がおかしい?
 反省しとらんのかねえ!」

そこで立ち上がる鬼。

「どうも、すいません。しょちょー。」


この署長に鬼も、反省の色を示さず。

鬼も、日が変わり
着替えている。上着、カッターシャツ、
そして、ネクタイ。いつも日が変われば
着替えている、お洒落なボスだ。


一係では、また皆んなが、
何かあったのか、大爆笑の絵。

一人、気落ちしている純。

野崎は、

「どおーした?
 何、剥れてんでんだよー。
 事件は全て解決したー!おー?」


「そーですかねぇーっ」と
独り、何かに不満で、悔しさを
滲ませている様子だ。


「ジーパン?」と山村。

◆この時、序盤のシーン。また
当直の深夜勤務シーンと比べると、
山村席と野崎席が、
逆転していることに、
皆さん、お気付きでしょうか。

「お前の気持ちも、解らんことはない。
 だがな、江原家が今後どうなるかは、
 我々警察が関知することではないんじゃ
 ないかな?」


「いい奥さんだった。
 それに可愛い子供だ?
 あの男だって、悪い人間じゃ無かった。
 それなのに、。」と純。

吸っていたタバコを投げ捨てる。

「俺も、一度はあったよー。
 蒸発したいと思ったことが、なあ」

その理由は、
新人の二人。純とクミ以外は
それとなく、分かっている仲間たち。
心臓病を患っている奥さんの事だ。

奥さんの看病から
逃げ出したい、という気持ち、、、。

だから、これに吃驚する純。

そして、解っているゴリをはじめ、
他の皆は突然静かになる。

クミも、つられて静かになる。

クミも、日が変わっている筈だが、
また同じワンピースだなあ?
夏の撮影だが、着替えないのかなあ?
汗ばんでいるだろうに。

◆日が変わって、鬼は着替えているが、
クミは着替えていない。この謎。
撮影場所の、国際放映第七スタジオは、
相当に熱いはずやで。


そこに、鬼が戻った。

「おい。ジーパン。
 受付にこれが来てた。」と一通の封書。

封書を開けたときに
流れ来る、あの名曲。

井上堯之バンド♫
名曲中の名曲。「冬の黄昏」
マカロニ時代に作曲披露されたもの。

このシーンに最も相応しい選曲。

「やっぱり、私は姿を現さない方が
 良かったのです。
 でも、もう一度消えるのは、
 あなたの所為ではありません。

 自由。


 いや、いい加減と思われるかも
 知れないのですが、本当に
 一人になりたかったのです。


 私を知る人々から、
 逃げ出したかったのです。


 そう。弱い人間です。


 でも、こんな事を云えば
 また貴方に叱られそうです。

 今はただ、邦子に幸せを祈っている、
 とだけ伝えて下さい。


 そして、お願いです。
 どうか、私を捜さないで下さい。」


既に、夕陽が傾きかける一係で、
鬼も手紙を読んだのだろう。

「蒸発かあ?」
「なあ、ジーパン。
 俺とかお前のような若者には、
 解らなくても良い事かも知れんぞ。」



「えっ?」
「え」「あはー?」
と皆んな、その発言は撤回してくれ、と。


番組開始時には、裕次郎37歳。
そんな鬼も、再来年は40歳やろう、に。
「若いと言うな!よ」と、

「そりゃー無いすっよ!
 今日は、ボスの奢りですよっー?」と山村。

「あはー!用意してあるよー。

  クミちゃん、アレ持ってこい!」

「はいっ!」と 


サッポロビールの冷たいヤツ。皆に。
缶ビールで乾杯!

斎藤監督のカット!にて終了。

🟣 七曲署熱血探偵団・著
「毎週金曜夜8時
 君は「太陽にほえろ!」を見たか?」
(1993年、スターツ出版刊)より
下を引用した。

◆同書は、筆者も勿論持ってます。
太陽!ファンならば
必須所有の書です。
ネットでも買い求めることが出来るかな?
在庫があれば、の話。

この書より引用したのは、

七曲署内の、寺林組と純の
乱闘シーンでは、

当時83万円掛かったセットが、一瞬で
使いものにならなくなった、と。

しかし、筆者の疑問点。

🔴江原邦子が、警察から一報された
夫の死体が本当ならば、
白骨死体を確認した医師と
当時の警察捜査は、正確な判断だったのか?
もしや、誤りだったことにならないか?
邦子は執拗に、何故食い下がらなかったのか?
その時から、この愛は本物だったのか?
愛が冷めるのが、早すぎないか?

🔴そうなると、
本当に死んだのは、誰だったのか!?
背格好や身につけていたモノだけで確認し、
他に夫人は何の疑問点も持たなかったのか?
この回では、ストーリー内で
この部分が、(時間がなく)説明されなかった
のは残念です。
3年後に行夫が生きていた以上は?
という視聴者の疑問は、払拭出来ていない。

🟠行夫が、何故、現状の生活から
また逃亡したのか。

最後に、また信州方面の汽車に乗って、
何処にいくのだろうか?

それは、描かれないし、誰にも解らないまま。
単なる自由。だけか?
他人を避けて通る、自分を押し殺して。
生き続ける糧を持ち、
家族とは別の生き続ける目標物があるなら、
別だが。そうで無ければ、
単に生きる屍(しかばね)じゃないか?

■死んだと思われた人物が、
実は生きていた、というストーリーは
以降も、何度も生まれる太陽!です。

その人物は、
以下のように描かれる。
全て名作傑作です。
特に158話、321話は共に秀作です。
太陽にほえろ!ラインナップからは
到底外せません。

第158話ゴリ主演「顔」

、、、殺人者として
 →これは犯人が自白していません。
 →自分が殺した人間に成りすまし。

第231話ゴリ主演「孤独」

、、、殺人者として
 →これも成りすまし。

第321話山村主演「朝顔」

、、、殺人者として
 →これも成りすまし。
 →太陽!今迄無かったトリック崩し。
 他の作品には見当たらず。
 犯人も気付かない身体的特徴を見破る山村。
 成りすました男性は身体障害者だった。
 それが決定的証拠となる。
 誰にでも真似出来ない事だ、と。
 「お前は一体誰だ!?」と。

第641話山村主演「二度死んだ女」

、、、被害者として
 →昭和60年の作品。
 昭和53年に死亡宣告を受けた女が、
 今度は本当に殺された。
 当時を知っているのは、山村のみ。
 当時はボン、ロッキー時代。
 この二人ももう居ない。勿論、
 ゴリも死に、長さんは退職。
 しかし7年前の当時の評判と現在の評判とは、 
 異なり、その隔たりを手繰って行くと、
 見え隠れする第三の人物が浮上した。
 自分の手を汚さずに、この人物に
 女を殺させてしまう男。
 尾西兼一の名脚本です。

 ※鬼はハワイ出張。全国捜査係長会議。
 日本ではなく、ハワイでやりまっかあ?
 淳二は骨肉腫で入院中。
 ラガーは居ても居なくても大勢に影響なし。
 ドックの台詞にこうあります。
 「今回もお前の出番はないから休んどけ!」
 筆者も同感。ラガーは不要人物。
 視聴者に不快な台詞を言って憚らず、
 自分だけの独りよがりの若者層の一人。
 更には、存在感が、かなり薄っぺらい男。
 バブル期直前の時代を象徴させた男。
 そう云う登場人物を制作側は設定したのだろうが、

 この淳二の登場から、
 程よく「太陽にほえろ!」らしさ。
 特に70年代の重厚さが。薄れ、さらに崩れて行き、
 視聴率もドン底に向かって、急降下に歯止めが無くなる。
 「三年B組」の余波をモロに受けてしまう。
 やはり渡辺徹は登場させるべきでは無かった。
 もっと他に方策は無かったのが不思議。
 マカロニ早見淳の二代目を目論んだ竹本淳二は、
 マカロニを超えることは、絶対無かったと言い切る。
 スニーカーの方が良かったのだ。
 五代潤の若者らしさをもっと描いて欲しかった。

尚、上記「その一言」以外に
この第57話の、
もう一つのリメイクストーリーが以下。

この話の一年後のテキサス時代。
★こちらが真のリメイクか?

家族から離れて、10年前に突然蒸発して
都会で独りで暮らす孤独な老人が、
殺人を目撃したストーリー。
犯人に生命を狙われる老人を必死でガードする
三人目のジュン刑事、三上順。
「蒸発」と云う台詞も、数回登場します。

テキサス三上順の登場後の第二話め。
これは、中盤から終盤にかけて
ちょっと感動路線です。
全く芸能界デビューの、
新俳優 勝野洋が演ずるテキサス。
当時25歳の自我を捨てた頑張りが、
視聴者の感涙を誘います。
しかもテキサスが、老人の眼前で
本当の涙をこぼすシーンには。

筆者も好きなストーリーです。
毬栗頭のテキサスが
誰だって好きになる話です。
テキサスファンなら見逃せない話。
この辺りから新たな女性ファンを獲得して
行ったのでしょう。

これが、2年後に全国のテキサスファンから
多く寄せられた、殉職阻止のための
助命嘆願書に繋がっていく。
殉職編、第216話「テキサスは死なず!」は
最高視聴率ニールセン調査の
未だかつて無い42.5%に繋がる。

永井久美:青木英美も出演します。
かつてのロングヘアを短くしているクミ。
あと数回で出演をお払い箱となる青木英美。
その後は、浅野ゆう子にスイッチする。

家族を捨て、蒸発した父。
これも一緒のストーリー立て。

その父が10年後にどんな暮らしをしていたか?
その暮らしぶりを視聴者に見せた。
これは、
第57話の続編的要素を醸し出し
ストーリーを構成されてある。
しかも脚本は、鎌田敏夫氏。

銃は左利き、百発百中、の三上順。
(テキサス刑事登場の次回予告から拝借)
兎に角、銃の狙いは正確。ゴリに近い。
しかも左利き。だから銃は右腰に下げる。

一番上手い銃の名手は鬼
→次いでゴリ
→その次がテキやん。
拳銃が苦手だった柴田純とは雲泥の差。
また柔道四段(実は三段)のテキサスが、
空手使い殺し屋と屋上で対決するシーンもあり。
しかし犯人を死なせてしまう。
※この時の責任は問われない順。
◆柔道四段ならば、師範級に近い。

これが、第113話「虫けら」です。

ジーパン殉死後の、二週あとの作品。

次回は、構成思案中です。
少々、お待ちを。

CAST

永井久美:青木英美
柴田たき:菅井きん

江原行夫:山本耕一
江原邦子:長内美那子
西山署長:平田昭彦→署長として初登場

小阪:松本朝夫(現:松本朝生)
情報屋:鮎川浩
兄貴分倉田:木村博人
鑑識高田:北川陽一郎
寺林組の輩(A):大宮幸悦
寺林組の輩(B):小坂生男

以上。
下に、蒸発する事を考える前に、
毎日の生活を日々見直していく、慈仁の言葉を。
皆様、ご参考に。

9909字

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