マカロニを語るのに外せない四つの作品3 第1話「マカロニ刑事登場!」第ニステージ。早見淳の初登場編。及び初出勤。

第1話「マカロニ刑事登場!」

脚本:小川英、長野洋
監督:竹林進

第一話だから
オープニングストーリーハイライトは無く
萩原の仲間たちの一グループ、井上堯之バンド。
キーボード奏者大野克夫が
作曲した名曲の数々を初めて披露する。

その代表曲。五年後には
1977年沢田研二「勝手にしやがれ!」で
日本レコード大賞も受賞した作曲家。
おまけに作曲賞をも受賞された大野克夫。

彼、大野氏が作曲した、
「マカロニ刑事 行動のテーマ」
このスローバージョンから番組開始。
これは、前週の次回予告でも使われ
視聴者皆を前週から引付けていた。筆者もその一人。

次回予告では、マカロニ刑事(行動)のテーマ
いくつもあるバージョンの中でも、

井上堯之バンド♫ ↓コレです。

「マカロニ刑事のテーマ(M4G)」

「nowな」とか、「デッカく登場」とか、
何となくむず痒いキャッチコピーが、罷り通っていた1972年。


番組スポンサー。
ボスが皆に捜査を指示する無線機。
これは三菱電機製の無線機。

後期、浜美枝演ずる村岡房江。
麻薬捜査官事務所に置かれてあった
無線機も、同じものを使ってます。
ボン単独時代に。

また、
鈴木自工(現スズキ自動車)が提供した
ジムニー初期72年型(マイナーチェンジ版)で
バイパスを走行しているシーンが初シーン。

「品川23-12」このナンバーは
平仮名は確認出来ませんが、
当時陸運局が発行したものではない可能性あり。
撮影用に自作したもの?ではないか。
ナンバーの台字がおかしいですよね、だから。
上の陸運種別も判別出来ません。

撮影の為に、公道を走行する許可証を得て、
擬似ナンバーで走っていると思われる。

また当時はシートベルトを装着しなくても
良かった時代。

市街地に降りて信号でストップ。
タバコを吸う為に
隣りに停車したバイク男からライターを
借りたマカロニ。

青に変わり、淳はライターを返さず飛び出す。
バイクはジムニーを追いかけて停車させる。

後ろにブルーバード510系が見える。

淳はライターを返して、
「どうもすみません」

第一話のみ、井上堯之バンド演奏
上記のマカロニ刑事行動のテーマあと、
ライターの件(くだり)が長く
メインテーマ序奏はかなり短くなる。

第二話からは、オープニング序奏は20秒とし
この間ストーリーハイライトが被る。
これを30秒と記した他の方のブログが
ありますが、それは間違いです。
正しくは20秒。


コマーシャル開け、
第一話のタイトルバックが表示

マカロニジムニーが
七曲署地下ガレージに入ります。
何度もご紹介しましたように、
初回、初期の七曲署の建物は
元渋谷区役所をお借りして撮影してます。

↓は他の方のツィートから抜粋させて頂きます。

一係部屋は、別の場所
国際放映の第7スタジオにて撮影。
専用セットがあります。
しかし、後期では他のドラマにも
このセットは貸し出ししてます。
岡田プロデューサーが制作に関わった
「俺たちの勲章」等にも。

上の神棚も一緒。
左手から内開き扉。

地下の駐車場から、
玄関に通じる階段を上がっていた淳に、
門番の警官は、
ズボンのチャックが閉まっていないとただします。

チャック開いてる!

◆これはショーケンの初の
アドリブですかね?ひょっとして?

◆別のストーリーで、
ゴリがまた見合いの日だと、
皆んながゴリを心配するシーンで、

「自信を持ってね」と殿下
「ネクタイ曲がってる」
「身嗜み、、上出来上出来」は山村
「ズボンのチャックチャックチャック!」と
ゴリのだらし無さを注意する淳。

マカロニ編中期の作品。
第34話「思い出だけが残った」のラスト場面で
チャックが開いているのは実は俺だ、
とゴリの見合いを茶化すシーンの前振りかな?
既に蘊蓄話で紹介済みです。


一係部屋は、二階にある。

遅刻ギリギリの淳。

廊下で淳は、少年係の内田巡査と出会う。

あなたは?

「交通事案の件」で署を訪れたとみたシンコは、
「交通課はあっちよ?」

いや、やはり違う?

「あなた、洋服の月賦屋さんだっけ?」

↑ここで、何か気付きませんか?
平成、令和では聞き慣れないシンコの台詞。
皆様、素通りしてませんか?
この台詞を。
「洋服の月賦屋」とは一体何か?

✳️ちょっとした昭和時代風俗解説

平成産まれ以降の若者ならば、
この台詞は取るに足らず、
スルーして聞き逃すところだが、
筆者は少し調べてみました。
何の事を言っているのか?

それが以下↓↓

🟢現代のクレジットカードによる買い物。
これ以前に、
日本独特の販売形態があったのだ。

詳しくはWikipediaを参照
↓↓
月賦百貨店(げっぷひゃっかてん)とは、
割賦販売により商品を販売していた小売店のこと。
百貨店とはいうものの、三越や伊勢丹などの
いわゆる百貨店とは別もの。

終戦の四年前。
1921年に初めて店舗を構えた丸共合資商会も、
椀船の行商隊をその母体としている。
大正から昭和にかけて、相次いで店舗が立ち並んだ。
その後太平洋戦争下の戦時商業統制の対象となり
いったんは途切れたものの、戦後のインフレ、
統制が一段落するのにあわせ、
再び姿を現す。

そして昭和40年代には絶頂期を迎えることとなる。
多彩な品揃えの商品
割賦販売
店頭で販売、資金回収
といった特徴を持つ月賦百貨店は、

「高価な物は欲しいけれど
 一括で買えるほど現金はない」という
庶民に支持され、活況を呈した。

最盛期には
丸井、緑屋、丸興、大丸百貨店が
業界の大手4社として数えられていた。
しかし、高度成長期による庶民の所得増加、
銀行等の販売信用制度の充実により

【これが、現在のクレジットカード販売の
 制度の元になっている】

月賦百貨店の特徴は次第に薄れ、
大部分の企業は経営不振により整理されて、
上記の大手4社も
それぞれ異なる道を歩むことになる。

↑↑ここまで。

◆月賦で服を買った七曲署関係者を回収のために
訪問してきた取立て屋だと、シンコは
早見淳を勘違いした、と言う台詞である。
(なるほど淳は
ややこしそうなチンピラ風ですからね)

昭和47年には、まだこの販売手法が
残っていたことの証だ。
夢路いとし、喜味こいし師匠の漫才のネタにも
登場している昭和40年代年央。

車を買うにも、この割賦販売法が
残っていました。今では考えられない高金利
年率14.5%位だった筈です。
昭和58年当時でも。
トヨタ系列販売代理店でも使っていました。


それだけ、淳の見慣れない、軽薄であり、
それでいてファッショナブルなスタイルが、
シンコの目にはそう映ったか。

これが、次の「男石塚」の台詞に
台詞そのものが淳に対する嫌味な台詞として
歪曲され誘導されている。

二階にある捜査一係。
思いっきりドアを開けて中に入る
早見淳。

丁度午前9時。この時点で、淳は遅刻なんだけど。

◆内開きドアである、事が
即座に解っている早見淳。

※引き戸であると思うのが
普通なんですけど。
初めての部屋に入る時は。
そうですよね。皆さん。

バカっ早く早朝7時に初出勤した
2年後のテキサスもそうだった。
周囲には誰もいなく、内開きドアを
押して中に入る。

ジーパン、ボンはボスに続いて入った。
スコッチはそういうシーンは無かった。

但しスコッチの後任。
47年から五年後の昭和52年6月。
1977年に引き戸と思い、
ドアを怪力でぶち壊し、ドアを外したのが、
あの山男、髭もジャ 岩城創ロッキー。

「壊れていたんですか?このドア?」と創
「ドアを壊したのはアンタじゃないか!」はゴリ
「今度来る新人ってまさか?」とはボン

彼ロッキーの開け方が普通ですよ。
但し強引で豪快ですけど。
新人で一係ドアを壊したのはロッキーのみ。


ストーリーに戻ります。

「おはようございます!」

「何だ?お前!」とゴリ

「早見淳です」
「えっ!?」

不審者を見るようにゴリは聞き返す。

ヘアースタイルにご注目↑↑

「あーあ?!あんたかね?
 うちに今日から配属になった、って
 言うのは?」

と野崎太郎巡査部長。

野崎を部屋長だと誤解する淳に、

「宜しくお願いします」

「ボスはあっちだ!」と殿下

指を指す方向を見ると
デスクに足を投げ、
その足を組んでいる親父が
捜査調書を読んでいる。(淳にはそう映る)
親父というには若いかな?

椅子は皮ではないです

即座に、皆と離れた席にいる男が
部屋の責任者だと認識する。

井上堯之バンド♫
「マカロニ刑事 行動のテーマ
 アコースティックギターバージョンⅠ」

因みに↓
「マカロニ刑事 行動のテーマ
 アコースティックギターバージョンⅡ」

そこに寄っていき、
「自分が今度、、、」

「初日から滑り込みとは、いい度胸だな?」


まるでヤクザ事務所の親分だ。
と一枚の書類を渡す。
拳銃携帯許可証かな?

「警務係に行って拳銃貰って来い!」と鬼。
普通なら装備課の筈だが。
◆ジーパン刑事登場!では、
鬼は、備品課と言っている。
これもおかしいね。

場面は、警務係。
コルト製電動オートマチック拳銃を渡されて、
係員に向けて試し撃ちの格好をする。

「取り扱いには充分気を付けてな?
 お前さん、
 ほんとうに刑事なんだろうな?」と揶揄する。

部屋に戻った淳に、
ゴリは、机で天麩羅蕎麦を喰っている。

この間、およそ30分が経過している。という絵です。
壁時計も、その分進んでいる。

「結構サマになっているじゃないか?」

殿下は、

「よう!(映画の)マカロニウエスタンに
 こんな格好した奴、居なかったか?」


ゴリは天蕎麦を食いながら、笑い続ける。

ゴリはこの時間、朝飯はいつも
天麩羅蕎麦である事が、徐々に
視聴者に分かってくる。

優しく接する長さん。

野崎は、
「おい、お茶!」と淳に優しく接する。
そして皆んなを紹介。

「儂は野崎。
 そっちは島刑事。渾名はデンカ。

殿下のカッターの襟の長さにご注目!

 こっちのいつも腹を空かしているのは、
 石塚刑事。渾名はゴリさん、だ。」

いつも、何かを食べている。

「ゴリさん?
 あーあ。ゴリラのゴリですか?」

「何だとおーっ」
笑う殿下と野崎。

「こりゃーいいや!ゴリ押しのゴリさんも
 マカロニさんにあっちゃ、形無しだな?」

※ゴリ押しとは、魚のゴリである。
 マカロニが言ったゴリラではない。
※ゴリ押しのゴリとはこれです↓↓

水の流れに逆らって強引に進むところから、名付けられた。ゴリ押し。
(公財)広島市農林水産振興センター水産部より

「おいマカロニ!」
天蕎麦を離れて、ツカツカと淳に寄る。

「俺は早見です。」

「おいマカロニ!」

殿下がマカロニの名付け親。
それが、数分後には、
淳の渾名が皆に浸透して、決定した瞬間だ。
◆渾名の命名は、ゴリでもなく、ボスでもないのである。
これを知らない人が多い。

壁時計は9時35分を過ぎている。

※以降、各人の渾名は誰が?
ジーパン、テキサス、スコッチ、ロッキーの
この4人の渾名は
体育会系ゴリが名付け親。

尚、
ボン、スニーカー、デューク、マイコンはボスが。

また、
ドック、ボギー、ブルースの三人は自ら
自分をそう呼んでくれ、と請う。

ボス不在だった期間、
ラガーはスコッチが名付けた。
竹本淳二は五人目のジュン刑事。
「僕は以前ラグビーをやってたんです!」と。
「それじゃあ、お前ラガーか?」と滝。
「よーし、これで決まりだ!」と山さん。

※渡辺徹は実は、ラグビーでなく、
 高校時代はサッカーをやっていたらしい。
 この事はラガー期のオープニングスチール
 写真で公開されている。

※ラグビーを実際にやっていたのは下川氏だ。
 野崎太郎最終回で、長さんはカナダで、
 ラグビーのタックルでロッキーを射殺した
 犯人を逮捕します。

また
ジプシー、マミー、DJは
ドックが名付けたのです。特にDJは
(ダサいジュン)の略称とその理由も述べる。
最後六人目のジュン刑事です。
実は太宰準である。

「お前、なんか勘違いしてんじゃないのか?」

「ここは警察だよ警察!
 ファッションショーをやる所じゃねー!
 ホシを挙げるところなんだ!
 ホシをなっ!」

「大丈夫ですよ。僕が来たからには
 僕に任してください」と
嫌味な先輩に、嫌味に応える淳。

「何ーっ!」と
マカロニのスーツの左襟を掴んで
朝から怒鳴るゴリ。

そこに、シンコがドアを開けて入る。

「ちょっと待ってー。君!
 何一人で粋がってんのよー」とシンコ

「五月蝿(うるせ)ぇーな!
 だいたいお前、何なんだよ?」

とは淳

「お前、ですって!」とシンコは返す

「おいおい先輩に、
 お前呼ばわりはないだろう!」と野崎

「彼女は少年係の内田伸子(シンコ)巡査。
 ここじゃお前より一年先輩だ!」と

殿下が説明する。

何さ!フン?!

正式には、本名は(うちだ のぶこ)。
第5話「48時間の青春」で、本人が火野正平に向かって
そう自己紹介している。(うちだ のぶこ)だと。
なのに、皆、愛称シンコと呼ぶ。
親父宗吉も。また、シンコの亡き母が、太陽!初の
家族写真で登場しているのは、ココだけです。


ほかにはありません。詳しく当蘊蓄話で公開中。

「後輩第一号だ!仲良くやってくれよ、
 なあシンコちゃん」と鬼ボス

「ボス、署内では内田巡査と
 呼んでください!」とシンコ

「とんでもねー奴が入って来たと思ったら
 君まで噛み付くのか?ええ?」と鬼。

野崎、ゴリは豪快に笑う。

そこに事件発生の電話

シンコは電話に出ようとする。
が、マカロニも一番に
ボス席の電話に飛びつこうとするが、
鳴っている電話器が分からず、
鬼が出た。

「はい、捜査課!」
◆初めてボス裕次郎が電話を取った時の台詞。
これは間違い、じゃないですか?

※捜査課ではなく、
刑事課捜査一係である、正式には。
やはり細かい所が気になります。
最初の出だしの撮影だけに、
台詞を間違えてしまった?裕次郎か?

大都会、西部警察だったら、捜査課で
いいのですが、まず大都会シリーズは、
太陽!開始の四年後、撮影がスタートしてます。

「!殺し?」
井上堯之バンド♫
「事件発生!驚愕」のジングル

鬼はゴルフ焼けかな?

「ホシを目撃した奴がいるんだな?」
「若い奴?ふん、チンピラ風?場所は?」

ボスが書いたメモを取ったゴリと
皆んなも続いて席を離れる。

マカロニも付いて出ようとするが、
ボスに右腕を掴まれ、、、。

ここで画面が切り替わる

53話でも使われている場所。柴田純がゴリに殴られた場所。

BARエリカの前で
水道に近づき水を飲むチンピラ。
第一回の犯人役、水谷豊。

その時、初動捜査のパトカーサイレンが
聞こえる。

「よーし分かった。
 追っつけウチの連中が行く。頼むぞ」と鬼
たぶん、この台詞から想像するに、
警察に一報したのは、警察関係者か?

「ボスぅーっ」とマカロニは不服だ。
初っ端から、ボスと発するチンピラマカロニ。
一係のやり方に、順応性が高い早見淳。

麻雀のジェスチャーの藤堂

「そう焦るな。お前、
 山さんと一緒に行け」と鬼

「山さん?」
「目下出張中だ」
「向かいの麻雀屋だ」

事件がない時は、麻雀していても
すぐに連絡が付く所にいれば、
何の文句も言わない、仏の藤堂俊介。この時は。

雀荘を訪ねるマカロニ。
「山さーん。山村さーん」

「おー、マカロニ来たか?」
既に淳の渾名を知っていた。
初対面なのに、誰が教えたか?

「事件です。
 早くしてください!
 早くして下さい」

「そう、ガッツクなって!
 これが通ればリーチだ!」

山さんを、とっとと雀荘から出そうと
イカサマ博打を仕掛け、山村に教えるマカロニ。

「当たりーっ!じゅーん、どらどらっ」
と対局相手の当たり。

「馬鹿やろうっ?」とマカロニを叱る山さん。
マカロニは早くいきましょう!と。

「うるせー、そのまま行けるかっ!」と山さん。
競馬、麻雀好きの山さん。
相手をそこはかとなく読むコツは、これで鍛えられた?

その時電話。
「山村さーん、お電話」と女の声。

「おっう!来たか?
 おい、コレ並べといてくれ。」とマカロニに。

マカロニに席を代わって
電話に出ようとする山村。

「またタイムか?
 この前なんか、あんた。
 ここで一週間待たされたんだぜ」

「一週間?」
「こうしちゃいられねー」とマカロニ。

やっと山村はマカロニを連れて外に。

「山さん、殺しの現場に
 行くんじゃないんですか?」

公園のベンチで
競馬新聞を読んでいた
労務者の男に近づく山村。

◆このシーンは、112話「テキサス刑事登場!」でも
同じように、三上順が山村の情報屋からのタレコミにより、
犯人が自分、三上順を狙っている事を知るシーンと被ります。
単に走り回るのが能ではない、という
捜査のベテランからの教えを体得する場面です。

「何か分かったか?」

山村は麻雀していても、
山村に協力してくれるタレコミ屋は
山村の為に既に動いていた、のだ。

「し、し、し、シローって言う男。
 ご、ご、ご存知で?」と吃りの労務者。
演じたのは、石山克巳(現:石山勝巳)

山村が使っているタレコミ屋か?

◆太陽にほえろ!初登場の情報屋。
山さんはタレコミ屋(情報屋)を
幾人抱えているんだろうか。
渡す情報料だけでも、薄給の山さんの給料を
超えているんじゃないの?
奥さんの心臓病の通院代、薬代だって
馬鹿にならないはずだ。

情報料1000円

「この辺りでヨタッてる奴だろう」山村

「其奴が(被)害者で。」タレコミ屋

「んーううん?」山村

「そのシローが、最近
 は、は、ハジキを探している、っ、って
 噂、で。」

「手に入れたのか?」

金を渡すのに、ちょっと吃驚する

「そ、そこまでは、。
 あ、あっしらには?」

「シローが蟠(とぐろ)を巻いていたのは?
 何処だ?」山村

「スナックですよ。た、確か
 パークサイド、とか、言ったな?」
と言って鼻を啜る。

スナックというより、喫茶店か、
深夜レストラン。そのパークサイドに
張り込む山村とマカロニ。

「どうもお待たせいたしました。
 私がこの責任者です」

マカロニ、山村は警察手帳を見せて
身分を証す。

「シローと言うのが、
 出入りしていた筈だがね」山村

「お客のことは、あれこれ
 言いたくないんですがねー」責任者のマスター。

演じたのは、浜畑賢次(後のうたた賢)
ウルトラマンレオで、MAC(宇宙パトロール隊)
隊員も演じている。

第21話で、うたた賢として
北山洋二役を演じている。
後にロッキー刑事岩城創の兄貴役を演じる、
浜畑賢吉とは別人。異なります。ご注意を。

「シローは死んだよ、
 ハジキで殺された」山村
「シローはどんな奴と一緒だったかのかな?」
「隠されると困るんだ」

「別に隠す気なんて。
 お陰様でこの店は結構流行ってますんでね、
 お客の事をいちいち覚えている暇は無いんで。」
 

「っ野郎。殺人犯庇う気か?」とマカロニ。
左側から、右手責任者の右胸倉を右手で掴む。

◆正面から撮っているカメラを
少し意識しているショーケン。

「このお客が殺人犯だっていう証拠が
 あんのかい!?」とマスター。

今はまだ証拠がない為に、
新人マカロニは黙ってしまう。

「出直そう」と山村

「山さん!」淳

「何だ?居座る積もりか?」山村
「まあいいだろう。好きにやってみな?」

山村は外に出、
ゴミを収集している店員に
少し尋問。「あんたこの店、古いのかい?」

「ええ。」年配というより40代の店員
演じるは鹿島信哉。

彼も、ウルトラマンA 第3話で、
TAC通信セクション鈴木隊員役を演じている。

「まあ、その辺でお茶でも、、
 なっ、いいから、いいから」と山村

「困りますよー」と店員


その光景を対面から遠目にみるホシの男。
「畜生、サツだ!」と水谷豊。

◆太陽にほえろ!といえば、この名曲。
井上堯之バンド♫
「謎は霧の中(テーマ3A)」
この曲がこの場面から初演奏である。

ゴリは屯しているチンピラたちを
強引に尋問。
「分かってるんだぞ!
 さあ言えっ!言うんだ」

殿下の襟の長さにご注目!

殿下はやんわりと
何処かの店?の従業員風の女性に、
「ここには来なかった?
 どうもありがとう」
「いいえ」とお辞儀もされる。

今後は、女性相手の聞き込みは、
ソフトタッチ殿下の接し方。
これが、専売特許になっていく。

◆この時の殿下の背広。
下に着ているクリームイエローの
カッターの襟の長さがボスよりも長い。
この時代の流行だったかな?
※裕次郎は、178センチより高身長に見せるために、
後期では、殿下のように襟を高くしていたと、
衣装スタッフの談を聞きました。
裕次郎は公称183センチである。

◆ゴリと殿下
二人の性格を、この二つの絵で、
視聴者に巧く説明をしている。

年配店員から仕入れた山村のネタ。
店のマカロニに、その山村から
コアな情報の提供。

「あ、山さん。
 うん、うん、何?、マモル?
 えっ?、はい、、ユカ?
 はい、うん。
 はい、分かりました」

◆最近の若者も、仕事場で
上司に向かって
「うん」を使っている部下がいるが、
それは、あかんやろう!?
当時のショーケンも、上司に対して
このようなタメ口を、これから一年間、
どんどん使っていくようになる。

その電話を聞いていた店マスターは、
秘密にしたかった情報が
もう分かってしまったと、バツが悪い顔。

少し、時間が戻るが、
殺人現場を確認する警察官たち。
※ボスに一報をいれたあとの現場検証の風景。

まだ被害者が横たわっている。野崎が検証に立ち会っている。

近くの公衆電話を使い、
東西新聞の記者が、社に一報を入れている。

当時は公衆電話扉を開けるタイプは青色だった

記者は竹内六郎役の片岡五郎。

彼は前半は準レギュラー、
後半260話以降はゲスト出演。

第1話「マカロニ刑事登場!」(1972年) - 竹内六郎
第4話「プールサイドに黒いバラ」(1972年) - 同上
第24話「ジュンのお手柄」(1972年) - 同上
第260話「宝くじ」(1977年) - 池内達雄
第289話「殿下と少年」(1978年) - 牧野昭夫
第357話「犯罪スケジュール」(1979年) - 相沢
第670話「ドック潜入! 泥棒株式会社」(1985年) - 深谷史郎

「そう、シロー。佐山四郎、通称シロー。
 推定25歳、住所不定。
 大きな組織には入っていないんだ。
 要するにフーテン上がりのチンピラだな?
 その佐山がね、ピストルで射殺されたんだ。
 いや違うよ。ピストルで撃たれたの!
 あ、っ。ちぇっもう切れた。」

シローは、死体のみの出演。台詞もなし。

◆片岡五郎は半袖のサマージャケットを着ている

10円での通話時間が切れたのだ。
あっ、10円玉、、、?

井上堯之バンド♫
「コミカル刑事」刑事ではない場面に挿入されている。
第六話でも、マカロニの歯磨きシーンに挿入される。

その時、
「ごめんなさーい。東西新聞さん。
 あんた10円玉無いんでしょ?」と優子記者。

「俺が使ってんだよ」と東西新聞

「公衆電話はみんなのもの。」と優子。

「また世界タイムスのちゃっかりに
 やられちゃったい!」

女優時代の、山東昭子

「もしもし、社会部?
 あたし、ユッコちゃん。
 射殺事件の犯人はね、まだ子供っぽい男の子。

   うーうん、分かってるのはそれだけ。
 まだ昼間だし、非常線張るの
 早かったから、意外に簡単に
 捕まるんじゃない? そうそう!」

と言うのは、美山優子役の山東昭子(さんとうあきこ)。
当時は女優だったが、現在は、参議院議員。おまけに
参議院議長を務めておられます。2022年現在。


「おー、おいいい加減にしろよ、
 俺の電話を、さー」

山さんに捜査情報を集るふたり。

この時、山村が歩いて近づいて来る。
「あっ、山さんだ!」
と東西新聞社記者。

◆記者たちの御託(ごたく)は
カットします。

殺人現場に到着する山村。

山村から、現場検証していた  野崎に情報提供

「マモル?」と野崎

「店の常連でね、同じ店のユカという娘と
 かなり熱い中だそうだ」と山村

麻田ユカ役は、鹿沼エリ(現:鹿沼絵里)
元日活ロマンポルノ女優。

◆テキサス時代に彼女は再度出演され、
「ある敗北」にて、
今回よりも長い台詞をいただいて、
最後には、ストーリー序盤で
黒幕の手先に殺される役です。

「シローにハジキをせがんでいたのも
 其奴だ。バーテンから聞き出したから
 間違いない」

「山さん、まさか荒っぽい手を使ったんじゃ
 ねーだろうな?」野崎

「人聞きの悪いことを言わんで下さいよ、
 あたしゃ、専ら泣きの一手。

 ま、これで
 何か手掛かりが掴めるだろう」

※この泣きを見るのは、専ら犯罪者のほうだ。

この時の野崎と山村の会話。

◆やはり山村は、野崎を階級は下でも、
歳上の先輩捜査官として
敬っている口ぶりだ。

そこに体育会系ゴリが、
階段を降りてくる。

「おーい、ゴリさん。
 何か分かったかい?」

「暴力団関係を当たってみたんですが、
 ハジキの密売は組織が
 一手に握っているらしいんですね」とゴリ

「ーん」と野崎
「もしかすると、
 ど偉い組織にぶち当たる可能性が
 あるかもしれんな?」

「その為には、マモルを無傷で
 抑えるのが先決だな」と山村

「じゃあ密売組織の連中が、
 マモルを消しに掛かってる、って
 言うことですか?」とゴリ

「絡んでいるとすれば、
 もう一度、奴の足取りを追ってみるか?」

そう言って、山村、ゴリ、野崎は
階段を地上に駆け上がっていく。

ここまで、16分40秒

次は第三ステージへ。
ゴリが淳の前で撃たれた現場で
ボー然と何も出来ない自分。
自分が撃たなかった為にゴリが撃たれた。
ボスにも怒鳴られ、消沈するマカロニを描く。
仏の藤堂が、怒りの鬼藤堂の顔に
瞬時に変わる夜叉の顔。

時に石原裕次郎36歳。いや37歳かな?

◆マカロニ編最終回でも
ゴリは淳の前で撃たれた。
拳銃に弾を込めてさえいれば、撃ち返すことが出来た。
淳はゴリに弾を込めさせるべきだった
ことを後悔する。しかし、それこそゴリは
医者から「近親者を呼んで欲しい」ほどの
重傷を負ってしまう。

◆ジーパン編最終回でも、
追跡中にゴリは純の前で、覆面車を転覆させ
傷を負ってしまう。それでも純は後続で
覆面車74年型カローラ30系ハードトップを
運転し、殉職する竹柴の廃工場へ。
※この時、実は松田優作は運転免許証を持っておらず
スタントマンが運転していたのを、
皆様知っていましたか?

次の第三ステージをお楽しみに。

CAST

武田ウタ:賀原夏子
美山優子:山東昭子
竹内六郎:片岡五郎
「パークサイド」責任者
武久浩二:浜畑賢次(後のうたた賢)
※浜畑賢吉とは別名、別人。
沖山守:水谷豊
拳銃密売組織の一味:林邦史郎

情報屋:石山克巳(現:石山勝巳)
彼、石山氏は以下6本の出演。

第1話「マカロニ刑事登場!」(1972年) - 情報屋
第72話「海を撃て!! ジーパン」(1973年) - 金森先生
第103話「狼を見た少年」(1974年) - 戸川社長
第114話「男の斗い」(1974年) - 中光海運倉庫社員
第130話「鳩が呼んでいる」(1975年) - 前川の上司
第152話「勇気」(1975年) - 中岡
第663話「1970年9月13日」(1985年) - 東伊豆署刑事

麻田ユカ:鹿沼エリ(現:鹿沼絵里)



「パークサイド」バーテンダー:鹿島信哉

拳銃密売組織構成員:新井一夫

新井一夫氏も、かなりの作品に登場する
バイプレイヤー。筆者の中では
スペクトルマンでの出演は記憶に残る。

太陽に!だけでも、第一話以外に20回。

第5話「48時間の青春」(1972年8月18日)
第13話「殺したいあいつ」(1972年10月13日)
第23話「愛あるかぎり」(1972年12月22日) - 賭博関係者 役
第29話「奪われたマイホーム」(1973年2月2日) - 葉村商事社員 役
第85話「おやじに負けるな」(1974年3月1日) - 中光貿易社員 役
第147話「追跡! 拳銃市場」(1975年5月9日) - 暴力団構成員 役
第160話「証言」(1975年8月8日)
第182話「ボディガード」(1976年1月9日) - タクシー運転手 役
第203話「鳩時計」(1976年6月4日)
第251話「辞表」(1977年5月13日) - 松井次郎 役
第286話「悪意」(1978年1月20日) - チンピラ 役
第300話「男たちの詩」(1978年4月28日) - 東都銀行副頭取 役
第325話「波止場」(1978年10月20日) - 密輸組織構成員 役
第337話「偽装」(1979年1月12日) - 週刊アート編集長 役
第360話「ボンは泣かない」(1979年6月23日) - 戸川組組員 役
第387話「雨の中の女」(1979年12月28日) - 竹岡課長 役
第430話「東京大追跡」(1980年10月31日)
第607話「狼を追え!」(1984年7月6日) - 井上外科胃腸科病院医師 役
第654話「二度泣いた男」(1985年6月28日) - 岩本プロデューサー 役

第660話「デューク刑事登場!」(1985年8月23日) - 小野龍太郎 役

次回は
第三ステージへ

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