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コロンボ「さらば提督」風で最後まで犯人が分からない。 第26話「みんな死んでしまった」太陽初の四人殺した犯人。 更に水槽の金魚まで毒殺させた。

1973.01.12放送
脚本:長野洋,小川英
監督:金谷稔

九州長崎ロケ第二弾
第25話「手錠が朝日に光った」の続編的構成。


みんな死んでしまった1

前週放送回のマカロニとゴリが思い出話と反省を
述べている弓張観光ホテルの一室から
物語スタート。

みんな死んでしまった5

物語先頭サントラは何故か、
井上堯之バンド♫「マカロニジープチェイサー」

前作25話はマカロニ主演だが
「朝日が手錠に光った」は、
筆者感想では駄作に近く、取り上げない。
名曲♫「冬の黄昏」をやたらめったら間奏し、

ストーリー内の選曲の悪さが目に付くため。

こうなると名曲が名曲で無くなる。

この26話は25話の後編でもないがしかし、
長崎ロケの後半というところと
石塚誠独壇場で、誰かの助けもなく謎極まる
狂った男達との対決をたった独りで締める結末は
太陽!唯一の作品であること
を鑑みて、
蘊蓄話でここに取り上げたい。

まあ殿下の最期の前の第402話
「島刑事よ、安からに」も独りで殿下は
連絡方法も無く、犯人たちと戦った話があります。
この話に似ているかな?
この時瀕死の重傷を負った殿下をスコッチが抱き抱えたシーンは
少し感動的だった。

やはりゴリは傷一つ負わない。
竜雷太はいま、2022年。昭和15年産まれでもう82歳。
体育会系は身体が強いね。

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テキサスもそうだし。
ボンは70歳で志村けんと同い年。早すぎる死。

さらには
刑事コロンボ「さらば提督」風の
撮影の進め方。

いつもならば、刑事コロンボは最初に犯人が判り、犯行描写と、
徐々に犯行トリックを明かしていくところが見ものだが、
コロンボシリーズ全作品の中で「さらば提督」は、
唯一、犯人が最後まで判明していかない。
番組前のマスコミ露出も伏せていた。

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事件の「何故」が最初から伏せられている。
提督を「何故」殺したか?動機の解明は、
コロンボが出会った提督の養女の一言でヒントを
得て、解明するコロンボシリーズ中の名作、かつ
傑作でありましょう。

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この作品を模した第26話と思える。

よって、
最初に犯人が全くわからない。
何故奴らはゴリを拉致するのか?

ともかく不穏な男たちがゴリを狙って勾引する。
勾引した車は、日産プレジデント。
ゴリから見たら、狂った男と行動を共にし、
自分を狙った目的は?。
男たちが手にしたい「ある物」とは何か?
間違われて拉致されても、その間違いに同調し
単身謎を追求してみようとする、男石塚の体当たりが
視聴者は「自分ならばどうするか?」と自問自答を(考え)させられる。


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この刑事コロンボ「さらば提督」も、提督が殺され、
コロンボが動かない提督の現場で見つけた懐中時計のチクタクを聞かせて、
犯人しか知り得ない状況を再現した。
甥が犯人だった。真犯人を半ば自供に追い込む。

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と、この第26話は、コロンボのようにいかない。

しかしこの26話は、このように、言わば
閉ざされた屋敷の中で誰が殺人を犯すのか?
放送時間46分の中で、コロンボ流の
そのトリックや種あかしもなく、
ゴリの無手勝流が、真犯人の登場を導いた。

犯人はコイツに違いない。「恐らくそうだろう」と視聴者のイメージを
吸い出させた監督と出演者の演技。


刑事コロンボ「さらば提督」でも、真犯人が逮捕され、
犯人と目された男は、甥が殺したんだろうか
とする視聴者側に任された結論に、導いている。

コロンボも「奴が殺したに決まっているよ」と
結論付けている。

✅この26話は、ゴリの単独捜査編ともいうべきで、
電話線が切られ、車は豪雨の中パンクさせられ、一係に連絡も出来ない。
たった独りで狂った謎に向かい、事件を解決するという事が見せ場か?
豪邸屋敷に来たゴリが、単身拳銃もなく
孤軍奮闘で船乗たちと、謎の宝探しの場所を
探し巡る。

✅最後は、「殺人容疑で逮捕する!」と言っているゴリは、
誰が逮捕状を請求し、逮捕を認めたか?
ゴリさん治外法権ですよ。しかも貴方は休暇中。
ここは九州長崎県。ハウステンボスの近く。

✅また「休暇中のゴリ」が遠く離れた九州で
たまたま遭遇した事が、事件か否かは不明なのに、
職務執行は無理で、出来ないはずである。
管轄外で逮捕出来るとは些か疑問である。

✅最後に何故かゴリはSWリボルバーを
持っているのだ?元船長の拳銃を奪ったとしたら、
それを使い職務執行ができますかね?
物語ではこのリボルバーの出所が語られていない。

これも、少し脚本に深みが足らない。
小川英氏の脚本監督不行き届?

この話を教訓にしたのが、反省点を活かして
撮影されたのが第42話「知らない街で、、」ではなかったかと推測する。

◎ストーリーダイジェスト

物語は25話終了で、折角九州に来たゴリが、
母親からお見合いをする段取りを知らされ、
(母からボスに電話あり、皆も知るところとなった)
お見合い場所の国鉄小串郷駅 に行く。
現在は以下の通り。

現在は、長崎県東彼杵郡川棚町小串郷148
九州旅客鉄道(JR九州)が所有。

小串郷駅

撮影から36年後の
ホーム側からみた駅舎(2008年3月)
小串郷駅(おぐしごうえき)は、
長崎県東彼杵郡川棚町小串郷にある、
九州旅客鉄道(JR九州)大村線の駅である。


歴史[編集]
1944年(昭和19年)10月21日 - 開業。
1948年(昭和23年)4月1日 - 現在地に移転。
1971年(昭和46年)12月1日 - 荷物扱い廃止。無人駅となる。

※この頃に太陽!26話のロケがされた

1985年(昭和60年)4月1日 - 川棚町の負担で現駅舎に改築される。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、
九州旅客鉄道(JR九州)の駅となる。
大日本帝国海軍が小串港に魚雷艇訓練所を設置したことにより、
訓練生の利便を図るために駅を設置した。
設立当初は純然たる魚雷艇乗組員の養成施設だったが、
のちに特攻ボート「震洋」の訓練施設に転換されており、
震洋隊員の多くが小串郷駅を利用した。
当初は駅名を「小串(おぐし)」にする予定であったが、
既に山陰本線に小串駅(読みは「こぐし」)が存在したため
「小串郷」とされた。
↑Wikipedia参照

井上堯之バンド♫「追跡のテーマアレンジ」
↑48時間の青春にも流れた
↑リンク出来る音源が今はネット上になし

元は♫「追跡のテーマ」

みんな死んでしまった2

「お迎えに来たとです。
 ご主人さまの荷物ば持つっとは
 当たり前ですけん」

🌠まあまあの長崎弁の倉野章子。
「荷物ば持つっとは」➡︎本当にそう言います。
佐賀、長崎の方は。小さな「っ」がその通り。
正しい発音です。
イントネーションが少しばかりおかしかばってん。
まあよかたい。(九州佐賀出身の筆者)

彼女は、
富山県出身なんだけど、ね。
夫は俳優の角野卓造。

角野卓造(かどのたくぞう)
も太陽!に何度も出演している。

駅を降りたゴリは、お見合い相手が迎えに来てくれたと勘違い。
余程女に触れ合う機会が無かったゴリ、という他はない。
殿下は女性に優しくしたくて堪らないが、ゴリは
女に優しくされると何処でも舞い上がってしまう。
※女性が苦手な男はゴリみたいになる?かな。

(しかし、会ったこともない、初めて見合いする相手(男)を
駅まで迎えにいく女がいるだろうか?)

ストーリーは、
徐々にコイツが犯人だと視聴者に予想させるも
目された奴も誰かによって殺される。
■この手法は刑事コロンボ「さらば提督」風。
■船会社の社長が船長、船員を殺していく。
■ある目的の為に。

程よく密室に隠れているだろう犯人の仕業と
ゴリの感は騒めくが、暫く姿を一切見せない。
二人また三人と殺されていく。
ゴリが間違われた男の父親も殺害していた。
だからこの時には既に四人殺している。
太陽初の1話で4人殺人は他にない。

何故なのか?
人間違いで豪邸屋敷に勝手に潜入したゴリだが、
女中(倉野章子)という女が疑わしい。
謎の秘密を持っていると言えば、あの女しか居ない。

徐々に疑いを傾けていく。


一方、警察手帳を駅で落としたゴリ。
その手帳を使って無銭飲食をした関西弁の男を、
長崎の警察から電話があり、
「ゴリが無銭飲食?」と勘違いされ、

みんな死んでしまった4


その前には、「駅で暴力事件を引き起こした?」

長崎から一旦東京七曲署に戻った島(殿下)が
長崎に蜻蛉返りして調べる。

ここからのストーリーは
動画をご確認下さい。

最後の最後で、、、
女中は樋口利兵衛の愛人だった。
「あんたがそう教えてくれとったんじゃなかね?」

みんな死んでしまった3

最後には、二人とも逮捕された、とみる。

この時の間奏のBGMは井上堯之バンド♫ではない。

東京バイパス指令


太陽にほえろ!の四年前の前作「東京バイパス指令」の流用曲である。
曲名は不明。

第20話「そして、愛は終った」にも
同曲が流用されている。

どちらも番組の企画は
岡田晋吉(おかだひろきち)プロデューサー。

一部の当時の曲をリンクしておきます。
マカロニ時代前半期はちょくちょく流用されます。

「東京バイパス指令」の流用曲
キマイラ。の編集部屋から

よって太陽にほえろ!BGMの井上堯之バンドの
ラインナップには、入りません。
(ノイズが有りますから、聞きぐるしいかも)


あとは、下記動画をご覧ください。

一係のメンバーが登場するのは、この物語開始のロビーシーンと、
一旦帰署し留守番のシンコと
対面したシーン。それに、もう一つ。
最後のクタクタのゴリを皆が迎えるシーンだけ。


CAST

樋口利兵衛:菅井一郎
古屋船長:成瀬昌彦
古屋に雇われた男:戸塚孝、大宮光悦、大前田武

巡査:奥村公延

奥村こうえん


山口:山本麟一
光子:倉野章子

みんな死んでしまった2


協力:弓張観光ホテル、佐世保観光協会


動画➡︎ 「太陽にほえろ!第26話みんな死んでしまった」
「」内をコピーし、検索してもらうとRutubeが表示されます。
次回予告付きの動画を見てください。

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