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マカロニ時代⭕️最優秀作品 第48話「影への挑戦」★★★★★第三(最終)ステージ。今度帰国したら、君に結婚を申し込もうと思っていた。

第48話「影への挑戦」

1973.6.15 放送
脚本:小川英、鴨井達比古 
監督:土屋統吾郎 この回が最後の作品

CAST

尾沢康彦(村野武範)
高田公夫(磯村昌男)
高田祥子(松井紀美江)さちこ、と読む
七曲署部長(幸田宗丸)
鑑識課高田助手(北川陽一郎)
内田宗吉(ハナ肇)
組織影の首謀者?謎の声(大平透)


◆第三ステージ

井上堯之バンド♫
「怒りのテーマ」
レコードバージョン

番組ではこれが間奏されている。
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便宜上72としますが。
怒りのテーマ72は、
多くの場合、このシーンのように
追跡シーンに間奏される。
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PYGが歌う「お前と俺」
これが、「怒りのテーマ72」の
原曲ですから、聞き比べて下さい。

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また怒りのテーマⅡ は、
昭和50-51年に 追作曲リリースされました。
テキサス終盤➡︎スコッチ時代でした。
↓ は、怒りのテーマⅡです。

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第二ステージからの続き

タクシーから降車するシンコ。そして歩き出す。

シンコは聖書を持って
田山町交差点近くの横断歩道陸橋手前。

セドリックタクシー(個人)を降り、康彦が来るのを、、、。

シンコをゴリが追い抜く。

歩くシンコを追い抜き、シンコの前で
止まるマークIIから、
助手席を開けて、康彦の顔が覗く。

小走りで助手席に入るシンコ。

結婚式でシンコが撮影したマークII。「わ」ナンバー。レンタカーだ。

それを、ゴリのセリカLB(リフトバック)STが
追尾していく。

車の運転は、一係で一番だ!
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方や、
公夫は未だに謎の組織の
あの暗い場所に監禁されていた。

井上堯之バンド♫
「サスペンスII」前半部2#1

「今何時ごろだろう?。
 誰か居ないのか?答えろ!
 今日は何日だ?答えろ!
 出してくれ!家に帰してくれ!」

「帰りたいんだあ!頼む!
 何でも喋るよーっ!
 ネガも知ってる。頼む!」

「高田君、もう君に喋ってもらう必要は
 無くなった。たった今
 尾沢氏から電話があって
 明朝ネガを受け取る事になったんだ。
 君は家に帰してあげよう。
 安心したまえ。」

しかし、公夫は催眠ガスで眠らされることに。
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シンコと尾沢のマークIIは、
ある連れ込み宿に入り、
二人は中へ。

ゴリは暫く外で
セリカ車内で待機している。

「二人共 入ったきりなんですがね」とゴリ。
「踏み込みましょうか?」

「いやあ、待つんだ。尾沢は聖書と
 公夫を交換する積もりだろう。
 聖書の中に何か隠されているんだ!」と鬼。

「分かりました。待機します。」とゴリ。
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場面は康彦とシンコの
二人っきりの和室。

「貴方がこうなってしまったのは、
 そのネガの所為なのね?」

「そうだ」

「(ネガには)何が映っているの?」

と、かなり深刻な顔で尋ねるシンコ。
今にも泣き出しそうな顔で。
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「4人の男の握手している場面。
 3年前に偶然撮影に成功したんだ。」

「四人の男?誰なんです?」

「それを知れば、君も私と同じ運命を
 辿ることになる。」

「何故、公表しなかったの?」

シンコにだけは、
これまで隠し続けた真実を
披歴し始める康彦だった。

「あの悲惨な戦争を何年間も取材し続けたら、
 誰だって一日も早い平和を願う。

ここで康彦は立ち上がる。
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   もし、その四人の名前を公表すれば、
 第三次世界大戦の危険さえあった。」

「すごいスクープだったのね」

↓ここ「私は報道カメラマンだ」の所で、
二回目の「冬の黄昏」間奏。

「私は報道カメラマンだ。
 今は発表できないとしても、

ここで、康彦の辛辣な顔のクローズアップ。

 この事実だけは歴史に残したかった。」

「例え、私が殺されても、
 このネガだけは残さなくちゃ行けない。
 だから私は、ネガを何も知らない祥子のもとへ
 送ったんだ。」

「だが、
 ネガが公表されると困る連中がいる。
 世界の政治を影で操っている連中。
 必要とあらば、一国の政府さえ
 ひっくり返す事ができる連中だ。」

「私は、祥子が巻き込まれるのを怖れて、
 団地へネガを取り返しに行った。
 だが すでにあの男が来ていたんだ。」

「じゃ、あの男はあなたが・・・」

「仕方がなかった。」

まさかこれまで愛してきた男が
殺人まで!しかし。

シンコは康彦を結果として、
逮捕はしたくない。

◆ボスに伝授された一言を◆
思い出すシンコ。

シンコは、意を決して
愛する男を守るために、
最後の刑事の仕事の意思を振り絞り、康彦に乞い願う。

康彦を向き直して、

「康彦さん、お願い。自首して!

そして、康彦に縋りつき、

 あたしたち警察があなたを守るわ。
 このままじゃ、貴方も殺されるわ!」

康彦に近づき、乞うシンコ。

しかし康彦は、

「その写真を撮った時から、
 私の運命は決まっていたんだ。

シンコに背を向けた康彦は、

 君には
 こんな風にしてではなく会いたかった。

 三年前、ベトナムに発つ時、
 今度帰国したら、
 君に、けっ、結婚を申し込もうと
 思っていた・・・

康彦は、右手をシンコの左肩に置き
最後のスキンシップを求めた。

しかし、哀しい最後の言葉を発する。

 なのに私は
 人まで殺してしまった。
 何もかももう遅い。遅すぎるんだ」

シンコは叶わぬプロポーズをされた。
なのに、儚い恋はもう再び
結べないのか?
ベトナム戦争が、遠く離れた日本で、
その戦争に絡んだ日本人と恋人。
若い二人の、その二人の恋路を
分つことになろうとは。

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場面は変わり、
井上堯之バンド♫
「マカロニ刑事 行動のテーマ
 アコースティックギターバージョンⅠ」

尾沢はシンコを助手席にマークIIで出発。

一係では、鬼が指示。

「了解!そのまま尾行しろ!
 こっちも署を出る。連絡を絶やすなよ。」

ゴリが駆るセリカは、尾沢のマークIIを追尾。
当時では トヨタ車がトヨタ車を尾行する
珍しいシーンです。

突然。
途中で伸子がマークIIから転げ落ちた。


助手席のドアを開けて、
康彦が、運転席から外に押し出した様な
映像である。

シンコは怪我はしなかったか?心配だ。
絶対に頭、足や膝を擦りむいている筈だ。
やはり左膝を擦りむいている?映像だ。
女優でも危険な演技だ。
撮影クルーも助けてはくれない。
文字通り。一発勝負の撮影だ。

ゴリはクルマを降りてシンコを介護。
「シンコ、大丈夫か?」
続いて鬼のクラウン、
殿下のフォードタウナスが
近づき接車した。

鬼はシンコに、「大丈夫か?」

ボスの叱咤、激励を無視して
愛する男の為に勝手な行動をしたシンコは
詫びる気持ちが迅る。
「ボス、あたし、、、」

「話は後だ。三方に別れて
 尾沢のクルマを探せ!」
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シンコはクラウンの助手席に
ゴリはセリカで
殿下はタウナスで
何処に行ったか、尾沢の行方を探す。

🟢この画像↓は捜査中の車と一係。

マイクを持っての運転。
※これが、問題のシーンです。
そうしているのは、殿下と鬼。

フォードタウナス運転の殿下

現在では法規違反の撮影がされている。
皆様お分かりになりますか?
マイク無線で話しながら、運転をしている。
これは「脇見運転」となります。
これは、令和の道交法では
「脇見運転」を取られます。

厳密に言うと、私たちの生活でも、
ペットボトルを手で持ちながら
水やお茶、ジュースを飲みながら
運転していると「脇見運転」になる事を
知ってましたか?

だからこそ、
こういう制約がある故、
平成以降、あまり刑事ドラマが
制作されないのはこんな理由もあるので、
よく分かります。
知ってましたか?皆様。

俳優であっても、演ずる警察官が
日本の道交法を破れないから。
かなり制約が多くなっているのです。

もっとも、この時代は
シートベルトをせずに
罰則にならずに運転が可能だった訳です。
第1話「マカロニ刑事登場!」でも、
早見淳は
シートベルトをしていませんでしたね。

第13話「殺したいあいつ」で宗吉が
ヘルメットを被らすカブを運転していました。
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ゴリは5丁目の外れのビルの
空き地で例の救急車を発見した。

セリカを安全な所に
停車駐車させ、壁を乗り越える
体育会系、男石塚。
ボスに連絡して、近づく。

ボス!救急車発見しました!

バックドアを足で蹴って、
中を確認する。
救急車の中には高田が
救急ストレッチャーで横たわっていた。

※しかし、ゴリのキックだけで
救急車トヨタハイエースのバックドアが
簡単に開いてしまう。これは、漫画ですね。
トヨタ製造関係者なら、憤慨するシーンです。
簡単にキックで、ドアは開かないです。

直ぐに、鬼と殿下が駆けつけ、
救急車から、高田を外に。

「眠らされているだけだ」と鬼
「このビルん中を探そう」
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尾沢というと、
監視カメラがある部屋に進む。
張り巡らされたビルの一室で、
謎の男より、
「ネガを映写機に入れたまえ」と指示。

直ぐに部屋は暗くなり、
自動的に映像が写されていた、のだろう。
この映写は視聴者には映らない。

監視カメラだけが
首を振っている。

そして、一係の山村、淳以外が
救急車に。

尾沢は高田を探してここに来た。
ネガよりも、まずは
高田の生命安全を確認するのが、
最優先だ。

「公夫君は何処だ!」と康彦。
そして、拳銃を抜いて叫ぶ。
「公夫君は何処にいるんだ!」
※拳銃は、遠目で見てもルガーだと
判別出来る。いずれ鬼もこのオートマチックを
携帯するようになる。

しかし、謎の男より

「映写機のスイッチを切れ」と。

指示され、スイッチを切ったその瞬間に、
映写機が爆発し、

爆風を浴びて尾沢はとうとう
動かなくなってしまった。

そこにシンコを含め
部屋の中に。しかし山村と淳は居ない。

前作「東京バイパス指令」で
使われた曲を流用か? 
曲名は筆者が名付けた↓

♫「過去の因縁」
※東京バイパス指令の流用曲かも。
※この曲は井上堯之バンドではない。

この曲は第42話「知らない街で…」の
ラストシーンでも間奏されました。

鬼の隣りから走って
康彦の亡骸に泣き付くシンコ。

画像が汚いですが、シンコの泣きははっきりと。
プロポーズされた男に死なれる。シンコ。

「康彦さん!康彦さん!」
皆は一言もなく。
泣き付くシンコを眺めている。

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この曲の終わりは、
捜査終了して、マスコミへの最終報告
の場面。

七曲署三階?の会議室で。
こういう時こそ、署長が出席すべきだが、
居ない。だから部長が代行か?

階段を上がる七曲署の部長が、
続く鬼に、

「君は黙ってろ。俺が上手く処理する、
 いいな!」

部長(幸田宗丸)は
マスコミに対し、尾沢が自殺したと発表。
その説明した台詞は

「したがって 団地に於ける殺人事件の犯人は
 所持していた拳銃を調べた結果、
 元カメラマンの尾沢康彦と断定できますが」

「ま、何ぶん本人がすでに死亡したこと
 でもあり、捜査はここで打ち切らざるを
 得ない状況です」

それでも納得出来ない記者は
「尾沢キャメラマンは
 なぜ爆死したんですか?」

「なぜ3年間も生きていることを
 隠したんですか?」と更に追及する。

部長は、
「ですから、それは目下調査中ですが、
 おそらく尾沢は人を殺して、
 自殺したと判明・・・」

今まで目を閉じていた鬼は、
部長の嘘を殺して、真実をあるがままに、
そして意を決してこう言う。

 「違う!
 尾沢康彦はむしろ被害者です。
 彼の死は事故や自殺じゃない。
 殺されたんだ」

 部長は、
 大慌てて「藤堂君!」と。

それでも鬼はこう続ける。
部長が何と言おうが、
マスコミの前ではっきりと言い放つ。

「この事件にはでっかい背景があります。
  その背景はなんだか解らん!

井上堯之バンド♫
「愛のテーマ1A 前奏なし」

 ただ、尾沢康彦は、
 国際政治の非情な争いに
 巻き込まれた犠牲者です。」

「この事件に関する限り、
  我々は完敗しました。
  何かの理由で、巨大な組織が
  尾沢を抹殺したのです。
  それが何であるか。
  我々には影さえ掴めなかった。」


🟠私たちの平成から令和の御代でも、
     何となく分かりそうな、眼に見えない影が
     世の中には、やはり暗躍している?
     またはその影で抹殺されていった人間たちが
     いるだろうことは容易に判断できるだろう。🔴

しかもマスコミでも掴めない影が。

画面が代わり、
ここで、「宗吉」での父娘が。

「康彦さん・・・死んだわ」と娘。

「そうか。そうだったのか・・・」と父。
娘の気持ちに鑑み、涙を浮かべ
瞼を何回も瞬きするハナ肇。

浮かべた涙が、はっきり分かるシーン。
一年後、柴田純にも死なれる可哀想なシンコ。

そして、また会見場に戻る。

鬼の台詞は続く。

  「だがともかく、この事件で
 二人の人間が死んだんです。
 そして何人もの人間が、
 悲しみのどん底に叩き込まれている。

 我々はこの事実から、
 目を背けてはならない。
 尾沢キャメラマンが命を捨てても、
 歴史に残そうとした事実。

    いくつかの生命を犠牲にして
 地上から抹殺された事実。
 それが何であるのか。
 私にはわからない。」

「しかし、、」

ここで、鬼は立ち上がる。
撮影クルーは鬼にカメラを向ける。

  「例え、どんな理由があるにせよ。
 一個の生命は地球よりも重いんだ。
 もしまたこんな事件が起きたら、
 我々は徹底的に犯人を追及します!

   人間を
 まるで虫けらのように抹殺する連中は、
 たとえ何者であっても許さない。
 それが我々の職務です」。


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✴️太陽にほえろ!
番組テーマ「生命の尊さ、尊厳」を
石原裕次郎そのひとが、演じた鬼。
藤堂俊介に成り代わり、代弁した。

鬼の台詞だが、石原裕次郎の、
出演者としての台詞だけではなく、
それは自らの言葉、人間としての想いだった
かも知れない。そうに違いないと。

登場人物。刑事の死よりも、
周囲にいた者の死。
「これ迄愛した人の死。命の尊さ」が
残された者にとっては
かなり重くのし掛かる事を、改めて
視聴者に訴えた、太陽!屈指の名作です。

シンコはジーパンとの結婚の為に
111話でボスに辞表を提出しますが、
演じた関根恵子は初回から111話迄で、
たった48話分しか出演していません。
マカロニ時代に、若き日19-20歳の
関根恵子の優秀作とも言えます。

若手刑事の登場や死の映像よりも
もっともっと大切な、
人間としては決して忘れてはならない
「人としての生命の重み」を
鬼が訴えた、太陽にほえろ!のPART1。
全718話の中でもあまり無いシーンです。
だからこそ、この第48話は、
マカロニ時代の最優秀作であり、傑出作です。

ジーパン時代でも同様な話、シーンがあります。
これはジーパン時代最優秀作にする予定です。

◆筆者もこの度94歳の父の死を看取れません
でしたが。通夜の前夜と告別式の前夜の二晩。
親子二人きりで、寝そべって、
親戚一同は帰宅し、筆者一人だけ、
葬儀場で寒い夜を明かしました。
身近な近親者の死に接してみて。
改めてよく分かりましたよ。

画像は改めて追加します。
次は、マカロニ時代から、ジーパン時代へ。
その作品群カテゴリーを具体的に分けて、ご覧頂きます。

6262字


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