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【時事抄】 岸田首相が総裁選へ不出馬表明/あえて言う。あんたは凄かった!

8月の金融市場の急変を優先してnoteに取り上げませんでしたが、つい最近も岸田首相はモンゴルと「防衛装備移転で大筋合意」という大成果をあげました。ロシアと中国という両大国のど真ん中に「くさび」を打ち込んだかたちです。背後を取られるロシアと中国は嫌でしょう。おいおい、すげーなキッシー!よくモンゴルが合意したなあ!とベテラン外交家の本領を改めて感じたばかりでした。

米大統領選を秋に控え、頼みの米経済が不穏な様相を見せつつあります。“新しい戦前”とも言われる世界情勢にあって、国の舵取りを任せるに足る首相との認識でした。中韓寄りの大手マスコミによる印象操作のせいなのか、国内の支持は上がらず、ついに世論に屈しました。

モンゴル首相との電話協議を終えて節目を打ったと述べて総裁選への不出馬を表明しました。日経新聞の速報記事の要約です。

<要約>
岸田首相は14日午前、9月に予定する総裁選に立候補しないと表明した。首相官邸での記者会見で、「新生・自民党を国民の前にしっかり示すことが必要だ。自民党が変わることを示すもっともわかりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ」と述べた。新総裁の選出後に退任する。

旧統一教会と自民党との関係、自民党派閥の政治資金問題と、与党の問題が続けて表沙汰となり、内閣支持率は8ヶ月連続で20%に低迷していた。首相は「組織の長として責任を取ることに躊躇はない」とこれら問題の責任を一身に負うと退任の理由を説明した。

岸田首相は21年9月の党総裁選を経て、同年10月に菅義偉氏の後任として首相に就任した。在職日数は戦後8番目の長さとなり、3年間の総裁任期が9月末で満了するのに合わせ退く。

8月20日に選挙日程を決め、9月20日から29日の間で投開票を行い、次期総裁を選出する。岸田首相は自身の後継について明言を避け、政治への信頼回復に向けた期待を訴えるに留めた。

(原文891文字→425文字)


自民党の不祥事が続き、党総裁としての責任を取っての決断と述べていますが、支持率が低迷を続け、衆参両選挙も迫るなかで自民党内部からの支持を失ったことが退任決断の背景と思われます。安倍元首相を銃殺で失い、日本の顔として世界に知られた岸田氏が今ここで舞台を去るとは、残念でなりません。内政面でも歴代政権がなし得なかった数々の英断を下してきました。

この記事では「増税メガネ」について一言。揶揄され恨まれ続けましたが、増税は分かりきっていたことです。コロナでの世界累積死者数は680万人(2023年まで)、米国で116万人が、ブラジルで70万人が、英国で22万人が死亡した中、1.2億人もの人口を抱える日本の死者数は7万人でした。桁違いに小さい。代償は当然大きい。

真摯な国民性、外出自粛の奨励、そのための経済補填莫大な財政支出による窮余の政策は、将来の増税を必然としていました。集団免疫の獲得という大義名分をかかげて日常生活にあえて制約を設けず、感染症に脆弱な老齢者の多くを死に至らしめ、コロナ後を見据えて年金・医療といった主に高齢者向けの財政負担を軽くしてしまえ、という「悪魔の選択」だってあり得たのです。

故・安倍元首相、菅前首相、そして9月に退任することになる岸田首相。皆それぞれ広い視野確かな見識を持ち、政治家としての経験も豊かで、国の舵取りを任せるに足る有能な人物だったと今でも評価しています(ただ菅さんは外交舞台には合わないかなあ)。

2024年は世界的な政治イヤーでしたが、日本の中央政界までが流動化するとは想定外でした。気持ちの整理がつかない中、少数派と知りつつ誰かが書き残さないと。そんな気持ちでこの記事を書きあげました。テレビに映る次の総裁候補とされる人たちの顔ぶれを見ると、もう不安しかない(ため息)。

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