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台湾の大学生活 大学一年生

台湾の大学の授業受講の様子を記す。しばし記憶があいまいなところと、〇十年前の話なので制度が変わっていることもある。しかし、留学生が迎えるであろう局面は同じだと思う。この記録がこれから台湾に大学進学する留学生にとって役立てばうれしい。

台湾の大学では中国語の授業で、専攻は機械工学だった。大学は9月~1月末が前期、2月中旬~6月末が後期となっている。9月台湾の大学に入学したとき、何もかもわからなかった。単位制度や履修できないと単位もらえないと言った大学の仕組みもわからなく、新入生のイベントが多くあった覚えがあるがあっという間で何もわからなかった。

大学では履修単位を自身で選べる

大学は毎学期履修単位を選べる。私が専攻していた機械工学学科では大学一年生前期は23単位履修することとなっていた。入学前に履修科目を選択するのだが、当時は他と同じにすることで精一杯で、履修科目を減らした方がいいという考えはなかった。前期、私は半分の単位も履修できなかった。大学前期の授業科目は
 大学必修科目 国語上、英語一、歴史一、体育一
 学科必修科目 微積分甲、普通物理甲上、物理実験、工業製図、機械工学概論、静力学、工場実習
 その他一般教養 私は履修してなかった。
であり、これら全部で23単位。1単位一コマの授業で、平日4か5コマの授業があった。学科必修の科目はもちろん、大学必修科目も難しかった。中国語が難しいし、授業自体も難しかった。あっという間の一学期で、いつのまにか、中間期末とで一学期を終え、23単位の内、半分もとれてないことを冬休み中に知った。
 自身のキャパシティ、語学能力、授業科目の難易度を加味して授業履修科目を考えるべきだと思った。

ある一定の基準に満たさなければ容赦なく落とされる

大学一年生前期で落とした(単位をとれなかった)科目
 国語上 留学生用の”国語”ではなく、大学一般の国語を受講していた。漢文?古文?漢字の羅列?まったく意味がわからないまま授業を受講し、テストを受け、単位を落とした。のちに、留学生用の”国語”を受講した。それでも難しかったが、努力して乗り越えられた。実はこの”国語上”を受講していた時、あまりにわからなすぎて、階段でべそかいて泣いていた。たまたまそれを見かけたクラスメートが声をかけ、気遣ってくれた。のちに機械工学学科の掲示板で留学生の長谷川を助けようといったメッセージがあったのを知った。周りは優しかった。でも周りの助けがあっても、自分の学力が足りな過ぎて乗り越えられなかった。
 英語一 私にとって英語のレベルが高く、英語から中国語の訳を書くテスト課題もあった。そもそも得意科目はなく、英語もわからず、本当に困った。単語を覚えればどうにかなるレベルではなく、読解できない文章、先生の話している意味が全くわからず、試験の回答もままならないまま単位を落とした。
 普通物理甲上 忘れられない先生の一人、石〇〇教授の授業。振り返ると先生の授業はわかりやすいものだったのだが、当時の私の理解力、基礎学習力、そして中国語では理解できなかった。この教授が、「君たち一人ひとり座ってる席は台湾の税金が使われている」という話をした。鮮烈だった。
 静力学 機械工学で学ぶ4大力学の一つ”静力学”。物理と似ているところがあるが、物理も落とす私は、同じく”静力学”を落とした。
大学は容赦なく基準を満たさなければ単位を落とす。授業第一週から第三週が授業履修のお試し期間でもあり、この期間に、科目履修ができるかジャッジできる。科目の点数は何の部分で評価されるか、授業は毎週どのように進むのか、グループワークがあるのか、課題があるのか等々確認できる。やみくもに科目を履修せず、ここで冷静に判断できることが理想。授業には受講人数が決められていて、人気の科目は競争率が激しく、なかなか履修できない。大学では年数が上であるほど、履修の権利があり、大学一年生は一番履修の権利がない。上記のような必修科目は履修の権利があり、気にせずとも受講できるのだが、単位がとりやすい科目は競争が激しい。大学では最低履修単位が決められているので、自分が自信をもって履修できる科目、努力して履修できる科目、余裕があれば、興味があり受講したい科目を履修するようにしたい。

専門科目は慣れるまで1学期1、2科目、もしくは後ろに伸ばす

大学一年生後期では次の履修をした。
 大学必修科目 英語二、歴史二、体育二
 学科必修科目 微積分甲、物理実験、普通化学丙、化学実験、機械工学概論二、動力学
 その他一般教養 宗教と人生
前期の結果を顧みて、後期は17単位の履修だった。と言いたいところだが、それ以外にとれる科目を知らなかった。前期で”国語”と”物理”を落としている。この二つは、後期も続いている科目であるが、前期受からないと、後期履修ができない。それぞれ3単位だった。そのため前期の23単位よりより6単位少ない17単位の履修となっている。重い科目が減っても、後期も大変だった。”国語”という大学必修科目はもちろん、専門科目も大変だった。専門科目は中国語はもちろん、学習の方法を確立するまでは毎学期1,2科目でいいと思った。その時は大学を4年で卒業できるかより、退学しないでいられるかどうかで頭がいっぱいだった。

もう一度言わせてください、教授は容赦なく落とす

”微積分甲”の 甲 は、難易度を示す。難易度が高いほうから、甲 乙 丙 となっていた。私がいた機械工学は理系なので、微積分は難易度が一番高い 甲 だった。前期”微積分甲”受講時、意味が分からなかった。なぜだろう。前期単位をとれた。なぜだろう。まったく記憶がない。でも後期、忘れもしない言葉を受けることになった。教授は田光〇。後期、”微積分甲”の中間試験を受けた後悟った。
 さとった、これはあかん、落ちる。
私は田光〇教授のところに行ってどうすれば挽回できるか聞いた。教授から信じられない言葉を聞いた。

 あー、君ね、前期受かったの間違いだから。後期この点数でもう無理だよ。

わぉ!なんと!
頭がパニックになったが、どうしようもなく、事務課(だったろうか)にいって、”微積分甲”の履修停止を申し出た。
そう、授業は途中で履修停止を出せる。それが功を奏でたかと思いきや、そんなことはなかった。

あなた親なのに、中国語も教えてないの?

大学後期、母が台湾にきて、私の様子を見に来た。それは”化学丙”の授業だった。丙は難易度が一番下である。それでも私にはチンプンカンプンだった。母はそんなことはつゆ知らず、授業の様子を外から見て、お手洗いに行ったところ、たまたま休み時間で、”化学丙”の教授、女性、もお手洗いに行っていた。母は授業で教授の顔を知っていたので、挨拶をした。教授は留学生の私の母だとわかると、言った。

 あの子、台湾人の子なのに中国語話せないの?
 あたな親なのに中国語も教えてないの?

母は驚いた。私から事前に学習困難を聞いていた母は、おそらく教授にお手柔らかにとでも言ったのだろう。教授は容赦なく現実をつきつけた。教授の言う通り、中国語がままならない中、化学式以外はまったく意味が分からない。よくそれで授業を受講している。さらに印象的だったのは、同級生から言われたこの言葉。

僕に聞かないでくれる?

私は”化学丙”がわからなくて、周りに聞くことを試みた。たまたま顔なじみの同級生が前の席に座っていたので質問をした。そしたら 聞かないでくれる? という返答。私のあまりに稚拙な質問に答えてる暇がないという意味なのか、忙しいから邪魔しないでなのか、今は知る由がないが、印象的だった。はっきり言ってくれてよかった。どうしようもないまま”化学丙”を落とした。

ああ、もうだめだ、日本に帰ってやりなおそう。

後期の授業が進むにつれ、だんだんと、今期の単位履修が不可能なことが実感できて来た。24時間図書館に通いつめがんばっていたが、期末のできはさんざんで、受かりそうな科目、受かりそうもない科目を考えると退学も免れないと両親に伝え、両親に途方もない心配をかけ、母からもう帰ってきなさいと言われた。泣き泣き帰国準備をして、日本に戻るや否か大学受験の予備校を申し込んだ。そんな中、後期の成績が開示された。奇跡が起きた。受かりそうもない”動力学”が受かっていた。また大学生に戻れた。。。。

これが大学一年生のとき。今”台湾留学JP”で台湾進学サポートや中国語塾を開催して、今の大学の制度をしり、そして自分の経験を踏まえて、次を伝えたい。

1.自分のキャパシティを知る
自信ある科目はさておき、無理せず、単位を履修できるかどうか判断すること。
2.自分の能力を受け入れる
私は中国語が大学履修レベルを満たしてなかったので、大学一年生のとき、台湾小学生と混じって公文式に行き、家庭教師に微積分と物理、教授に物理を教わりに行っていた。今は留学生に対するサポートが充実している。学習困難等をサポートする学習サポートセンター、先輩大学生、大学院生が指導をしてくれるメンター制度、同学科の先輩がサポートしてくれるバディ制度、メンタルをフォローしてくれるカウンセリングセンターなどなど。大学によって中身は様々だが、大学にどんな制度があるか理解し、活用しよう。最近では留学生は入学時に中国語のテストがあり、その結果によって一年間同大学の語学センター中国語プログラムを受講が義務づけられたりするところもある。
3.大学の全体像を知る
大学に入ってから、様々なことを学び、知り、卒業を目指す。大学にはある一定の単位を落とすと退学になる、最低履修単位、休学制度等、システムがある。そのシステムをよく知り、自身の留学計画を立てること。

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2008年に国立台湾大学工学部機械工学学科卒業後、一般企業に就職ののち2012年に台湾留学JPを設立。現在までに100名近くの高校生を台湾の大学に送り出しています。私自身は台湾関連イベントの司会、同時通訳、日本語講師、中国語講師として幅広く活動させて頂いています。
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