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くらしのてざわりの痕跡
昔、大地震の際に家のなかにいた人があわてて外に飛び出して抱えていたのが家族の写真アルバムだった、という話を聞いたことがあります。もう戻れないかもしれない家から外に飛び出すとき、その方にとって家のなかの最も大事なものは、通帳や印鑑ではなく、食料でもなく、水でもなく、家族の写真アルバムでした。
僕はそれを聞いた当時、よくわかりませんでした。なぜ通帳や印鑑ではなく、食料や水でもなく、写真アルバムだったのかを。
人々がこれまでのくらしを失うとき、なにより大事なことだったんだなと思えるひとつが、くらしのてざわりなのかもしれません。
こちらの文章から、たのしい記憶を思い起こされました。
おいしい天丼食べたい!笑
くらしのてざわりの痕跡。それはディズニーランドに行ったとか、USJに行ったとか、高いホテルに泊まったとか、海外に旅行したとか、そういった喜びとはまた別の、くらしに根づいていたささいな、ちょっとしたたのしみな記憶や記録なのかもしれません。
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でもその、くらしに根づいていたささいな、ちょっとしたたのしみであったくらしのてざわりの痕跡の集まりが、僕たち自身をつくっているようにも思えるのです。
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