新陳代謝に関する4つの誤解

フィットネスの専門家を調査し、新陳代謝や代謝の活性に関する4つの一般的な誤解を明らかにしました。

こうした誤解が横行している現状を見ると、知識としてお伝えする必要があると思いましたので追加しました。

もし雑誌やフィットネスクラブなどで、こうした誤った情報に出くわしても、惑わされないようになるはずです。

誤解その1 ダイエットサプリメント

ダイエットサプリメントに関しては、購買者が十分注意をする必要があります。

ダイエットサプリメントを提供している会社は、戦略的に真実でない宣伝文句を連ねています。

宣伝文句には、良すぎることばかりが書かれています。

こうした誇大広告には、たいてい嘘が含まれています。

広告に対するクレームのようなものは、ほとんど目につかない場所に追いやられ、ついつい誇大広告に騙されてしまうのが現状です。

痩せ薬は、一時的に新陳代謝を活性化する役割を果たす場合もあります。

しかし通常はリスクが伴うため、医師の指示なしで服用することは避けるべきです。

残念ながら、世の中にはこうした痩せ薬を常用している人が非常に多くいます。

その結果、悲惨な結末が待っています。

誤解その2に移る前に、痩せ薬の中には体内の水分を減少させるタイプのサプリメントがあることをお話しておきましょう。

つまり利尿作用を促し、体内の水分を減らすのです。

そのため、服用中は頻尿になる傾向にあります。

そうした薬は、一切ダイエットには役立ちません。

こうした利尿作用を促すタイプの痩せ薬は、体内の水分を減らして体重を減らすということが前提になっています。

1日に15回もトイレに行けば、一時的に体重は減るのは当然です。

しかしこれは、実際に痩せることとは全く関係がありません。

しかも非常に不健康なダイエット方法です。

そして、水分を十分補充すれば、また元の状態に戻ってしまいます。

こうした痩せ薬を服用して体が水分不足になると、脱水症状を起こす可能性があります。

その結果こん睡状態になったり、最悪死に至ったりする場合があります。

誤解その2 カロリー制限をする

本書の前半で述べた内容ですが、非常に重要なのでここで再度繰り返します。

カロリー摂取を極端に減らしても効果はありません。

しかも極めて不健康です。

注意すべきことは、体が体重を減らす能力はカロリーで決まるのではないということです。

カロリーは単なる入力に過ぎません。

新陳代謝を統括するものは、代謝機能を高める行為です。

カロリーは単にエネルギーの単位にしか過ぎません。

体重を減らせるかどうかは、あくまでもエネルギーをどうするかにかかっています。

カロリー摂取を減らし、1日1000キロカロリーにしても、体重は減少しないのです。

つまり、カロリーの摂取と新陳代謝の活性とは関係がないのです。

事実、カロリー摂取を減らしても、体は効率を考えてかえって代謝を低下させてしまいます。

実際これは利にかなっていて、体は本来2000キロカロリー必要なところを1000キロカロリーしか摂取しなければ、何かおかしなことが起こっていると察知します。

体はなぜ摂取量の減少が起こっているのかは理解できませんから、体重を減らそうという働きをせず、代わりに体を守る働きを始めるのです。

要するに、これは間違った方法なのです。

体は生命維持を図るために、新陳代謝を低下させます。

新陳代謝を低下させて、とりあえず摂取したエネルギーだけで何とか重要部分を機能させるようにするのです。

もしも体が本書を読むことができて、通常通りの体の働きをしてくれれば、体は1000キロカロリーの摂取では足らないので、体に余分に蓄積されているエネルギーを消費するでしょう。

しかし、現実にはそういう働きをしませんので、カロリー摂取を激減させてもダイエットは望めません。

体は新陳代謝を低下させますから、この状態で再びカロリー摂取を増やすと、体は低下した代謝で多くのカロリーを摂取することになります。

こうして、体重が再び増えるリバウンドという現象が起こるのです。

せっかく一定期間カロリー摂取を減らしても、直ぐに元に戻るか、それ以上の体重になってしまうのです。

誤解その3 軽い運動

エクササイズをした方が体のために良いことは明らかです。

もしもデスクワークの生活を送っているのであれば、1日10分程度のウォーキングでも取り入れると体の代謝を活性化させます。

その差は肉眼では分からない程度のものかもしれませんが、体にとってエクササイズは絶対的に良い影響を及ぼすものです。

軽度の運動の方が、ハードなものよりも体に良い影響を及ぼすと信じている人もいます。

つまり、ジョギングを20分行うよりも、やや汗をかく程度のジョギングの方が良いという誤解がまかり通っています。

実際には、軽度の運動では代謝の速度は上がりません。

本書の前半部分で述べたように、代謝は過程そのものです。

その過程とは、2種類しか存在しません。

アナボリズムと呼ばれるエネルギーを利用して細胞を生成する過程と、カタボリズムと呼ばれる細胞を壊してエネルギーにする過程です。

ハードな運動を取り入れなければ、体はカタボリズムの状態にはなりません。

その必要がないからです。

体がカタボリズム状態になるのは、細胞を壊してエネルギーにする必要性が生じる時のみなのです。

ですから運動をする際には、自宅で行うにせよジムに通うにせよ、そのことを念頭に行わなくてはいけません。

確かに、軽度の運動であっても全く運動を行わないよりは良いですし、怪我の回復や運動を始めたばかりの人にとっては良いのですが、残念ながらカタボリズムにはつながりません。

基本的な運動ができる状態であれば、時折ハードな運動を取り入れることで新陳代謝は活性化されます。

ハードな運動を行うと、体はその運動を行うためにエネルギーを探し始めます。

それがカタボリズムなのです。

誤解その4 集中する

代謝のスピードを上げて、目標体重までダイエットするには、ある程度の集中期間が必要です。

それには様々な誘惑と戦う必要も生じますが、目標達成までは我慢が必要です。

しかし、あまり過度のダイエットを行うことは体に良くありません。

このことは、既に何度も繰り返し述べてきたことです。

代謝の速度を上げるには、エクササイズ、ライフスタイル、食事療法などの全体的な努力が必要です。

1つだけに焦点を当てても良い状況にはなりませんし、かえって悪い結果になる場合もあります。

エクササイズを行うだけで良いという誤解がありますが、ライフスタイルや食事療法なども考えなくてはいけません。

3つ全てを生活の中に取り入れなくてはいけないのです。

どうしても1つに力が注がれがちですが、どれか1つだけやれば良いというのは全くの誤解なのです。

どの側面も代謝の速度を上げるためには重要で、欠くことができません。

3つをまんべんなく取り入れることで、長期的に、本当の意味でのダイエットができるのです。

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