マスコミは、嘘を言う・・・


より

上記文抜粋
・・・・・・・・・・・・・

「厳密に」調査されたマイダンでの大虐殺暴露記事が世界有数の学術誌から抑圧を受けた。
<記事原文 寺島先生推薦>

‘Rigorous’ Maidan Massacre Exposé Suppressed by Leading Academic Journal

筆者:キット・クラレンバーグ(Kit Klarenberg)

出典:INTERNATIONALIST 360°
 
2023年3月12日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年3月30日

 査読を受けた論文が、当初は、とある著名な学術誌に掲載を約束され、賞賛を受けていたのに、突然説明なしに掲載が取り消された。この論文の筆者は、ウクライナ関連問題における世界有数の学者であり、驚くべき数の証拠を積み上げ、マイダンの抗議活動者たちが殺害されたのは、親クーデター派の狙撃手たちの手による、という結論を出していた。

 反政府活動家の狙撃手たちと警官たちにより引き起こされた2014年2月下旬のキエフのマイダン広場でのこの大虐殺は、選挙で選ばれたウクライナ政府が米国の手により転覆された決定的瞬間だった。70名の抗議活動者たちが亡くなったことにより、世界中からの怒りが雪崩のように引き起こされ、 ビクトル・ヤヌコビッチ大統領を事実上の退陣に追い込んだ。しかしこんにちでも、これらの殺害事件の真相は明らかになっていない。

 オタワ大学政治学者であるウクライナ系カナダ人イワン・カチャノーフスキー氏の話を聞こう。カチャノーフスキー氏が長年驚くべき数の証拠を積み上げて示してきたのは、この狙撃手たちはヤヌコビッチ政権とは関係がなく、親マイダン派の工作員たちが、抗議活動者たちの占拠していた建物から発射した事実だった。

 カチャノーフスキー氏による画期的な指摘は、大手報道機関からは意図的に無視され、2015年9月と2021年8月に同氏により提示されたこの虐殺に対する綿密な調査報告は、2016年と2020年にそれぞれ出版され、学者や専門家から100回以上引用されてきた。この報告書やほかの研究論文が発表された結果、同氏はウクライナ関連において世界で最も引用された政治学者の一人となっている。

 2022年の後半、カチャノーフスキー氏はマイダンの大虐殺に関する新しい調査報告を著名な社会科学誌に提出した。十分な査読を受けた後に少しだけ手が入れられたこの論文は、当初掲載が許され、この学術誌の編集者から多大なる賞賛を受け、この編集者が自身のSNS上でこの論文に対する長いコメントを残していた位であった。その記述によれば、この論文は、「多くの点において他に例を見」ず、この論文の結論を支持する「強固な」証拠が示されているとされていた。査読を行った人々の主張も、この編集者の判断と一致していた。


 ところが、この論文は掲載されなかった。このことをカチャノーフスキー氏は「政治的決定」であると考えている。同氏は裁判を起こしたが、敗訴した。

 カチャノーフスキー氏の訴えを好意的に支持した人々の中には、著名な米国の科学者のジェフリー・サックス氏もいた。「この論文は、非常に重要で、綿密に調査されており、真実を伝えるものです。徹底的な調査のもとで書かれています。非常に重要な話題についての論文です」という言葉をサックス氏はカチャノーフスキー氏に書き送っていた。「貴殿の論文は、非常に優れており、その理由で掲載されるべきです。学術誌は重要で素晴らしい論文を掲載することによってのみ恩恵を享受できるものです。そのような論文により、学術的理解が深まり、近代史に関する非常に重要な議論を広げることができるからです」。

学術界は共謀して沈黙している

 カチャノーフスキー氏は、問題の学術誌の名前を挙げることはせず、社会科学界で「最重要」的立場にある学術誌であるとしていた。同氏の考えでは、この学術誌が同氏の論文の掲載を拒んだことは、「異常」ではあるが、「学術論文の発表や学界におけるずっと大きな問題」を表す象徴的な事例であるとも語っていた。

 「私の論文を受諾した編集者が、私の論文が掲載されない事実を知ったのは、私がこの件に関して行ったツイートを見てのことだった。こんなことはまことに異例で、政治的だ。学会においてウクライナに関する事柄に対しての政治的な検閲がますます増えてきて、「自主検閲」を行っている兆候も見られる」とカチャノーフスキー氏は、ニュースサイトの「グレー・ゾーン」に語っている。「多くの学者が恐れているのは、証拠をもとにした研究を行っても、その研究結果が西側の固執している主張と相容れないことが起こる場合のことだ。具体的には、マイダンやロシア・ウクライナ戦争などの問題に関する研究のことだ。これらの問題は2014年のクーデター以降にウクライナやキエフで起こっている紛争に関連したものだ」

 同氏によると、逆に「露骨かつ無批判に西側の主張をオウム返し」したがる研究については、その研究の主張が、「事実に基づかない」作り話だとしても賞賛され、そのような論文が掲載される際は何の障害も受けないとのことだ。 カチャノーフスキー氏は、ウクライナの件に関して学会で起こっている検閲について発言するのにぴったりの人物である。同氏の論文を受け入れた学術誌はほかに3誌あった。これらの学術誌も「専門家」の査読を得ることに成功していたのだが、最終的には掲載が拒否された。

 その一例をあげると、2023年1月、別の学術誌がカチャノーフスキー氏による論文の掲載を拒否したが、それは「同様の政治的な理由」のためだった。この論文は、ドンバスの内戦に参戦した極右勢力と、2014年にオデッサで大虐殺を起こした極右勢力について調べたものだった。この大虐殺は、超国家主義者たちが、連邦派で親露派の活動家たちを同市の労働者会館に押し込み、その建物に火を放ち、何十人もの死亡者とそれよりずっと多数の負傷者を出した事件だ。この極悪犯罪の罪を問われて法廷にかけられたものは誰もいない。

 カチャノーフスキー氏の主張によると、この学術誌の編集者は、いくつもの言い訳を重ねて、同氏の査読済みの論文を掲載しなかった理由を並び立てたという。同氏によると、その学術誌の発行日が近づいたころ、この編集者は、この論文がカチャノーフスキー氏の筆によるマイダンでの大虐殺に関する全貌をまとめた以前の論文と酷似しているという間違った主張を行っていたという。しかし論文の盗作を検査するアワリジナル(Ouriginal)というサイトの点検によれば、カチャノーフスキー氏が提出した論文は、同氏が以前書いた論文との類似性はないことが確証された。その編集者がさらに不満をもらしていたのは、カチャノーフスキー氏はドンバスでの8年間の紛争を「内戦」だと分類していた点だった。この紛争は当初ウクライナの極右勢力により引き起こされたものだった。

 この論文は数ヶ月前に別の学術誌からも掲載を拒否されていたが、その理由も同様に、カチャノーフスキー氏がドンバスでの戦争を「ロシア軍が介入した内戦」であるとしていたからだった。ドンバスの戦争を内戦と捉えないことが、この紛争に関する「学術論文の大多数」で共通の認識である、と同氏はグレー・ゾーンに答えている。

 これらの極右勢力がオデッサの大虐殺に中心的に関わっていたことは、大量の動画映像により確実視されており、ほぼ議論の余地はない。どうしてこの動かしがたい事実が、学術誌において議論の余地が広く残っているとされているのかの理由は不明なままだが、カチャノーフスキー氏のマイダンの大虐殺に関する調査論文が抑圧されている根拠から考えれば、自明の事実だ。

「論文が掲載されなかったことには政治的理由がある。大手報道機関が追随するのは自国政府であって、事実ではない。西側の記者たちはマイダンの大虐殺のことを大きく歪曲して伝えている」とカチャノーフスキー氏は語っている。「いくつかの例外はあるが、記者たちはマイダンを支持していた狙撃手たちや狙撃手たちが発言している動画を報じようとはしなかったし、これらの狙撃手たちを目撃した負傷したマイダンの抗議活動者たちや何千もの目撃者の証言も報じようとはしなかった。」

米国当局者たちと犠牲者総数について話し合った極右勢力

 カチャノーフスキー氏が収集した情報源が明らかにしている証拠から見れば、同氏の結論は十分支持できる。カチャノーフスキー氏はこの大虐殺は、「成功した偽旗工作であり、組織し、実行したのはマイダンの指導者勢力と狙撃手たちの秘密集団であり、目的は政権を転覆させ、ウクライナで権力を握るためだった」と記述していた。

 これらの重要な証拠の中には、マイダンの抗議活動者が占拠していた建物に巣くっている狙撃手たちを映した14本の動画もある。うち10本は、狙撃手たちがホテル・ウクライナに居座っていた極右勢力とはっきりとつながっていることを示すものであり、狙撃手たちが標的にしていたのは階下にいた抗議者たちの群れであり、射撃していた対象は政府の警官たちだった。

 現在、同様の内容の複数の動画が明らかにしている事実は、政府の治安維持部隊が発砲した銃弾についてのことだ。この治安維持部隊が当初、大虐殺を起こしたとして起訴されていたのだが、この弾丸は抗議者たちを殺害したものではなかったことがわかったのだ。警官が発砲したのは警告のためであり、狙ったのは街頭や木や地面など人がいない対象物であり、目的は暴徒化していた群衆を静めるためだった。警官たちは壁や窓にも発砲していたが、それは、マイダン派の占拠していたホテル・ウクライナにいた狙撃手たちの部屋の壁や窓に向けてであり、そこに居座っていた狙撃手たちを狙ったものだった。

マイダンの大虐殺に関する裁判の最終判断が出るのは今年の秋だと見られている。目撃者は何百人もおり、その中には発砲が行われていた時に負傷した51名の抗議活動者たちも含まれているが、彼らの証言によれば、この発砲はマイダン派が占拠していた建物や地域から発せられたものだという。その建物の中に狙撃手たちがいたことを目撃したと語っている人々もいる。この説は 政府の射撃学専門家による調査からも支持されている。何より、マイダンの射撃団に入っていたことを自認している14名は、大虐殺においてマイダンの射撃手たちと指導者たちを巻き込んでいたことを証言している。

 これが偽旗工作であったことを示す証拠が多数挙げられているにも関わらず、カチャノーフスキー氏はこの裁判を信頼しておらず、真実につながる判決を出すとは考えていないし、この判決が、訴訟の手続きに伴い蓄積された大罪の有罪証拠に基づいて行われるとも考えていない。  

 「検察はそのような狙撃者が存在したことを否定しており、狙撃者たちの捜査を行わなかった。ウクライナの法廷は、権力から自立しているとは言いがたく、裁判所の判断が、注目度が高かったり、深く政治と関わる件に関しては特に、大統領からの指示に従うことが多い。このような状況は、裁判官や陪審員たちにとっては困難な状況だ。極右勢力からの警官たちを無罪放免にしないようにとの圧力もある」。

 判決が真実を問わないものになると思われる他の理由もある。ひとつは、この事件の裏にある真実が暴かれれば、この虐殺に米国当局者たちが直接関わっていたことを示唆することになる可能性があることだ。もっと広く、マイダンのクーデター自体への米国の関与も明らかになってしまうという危惧だ。西側の大手報道機関は、ワシントン当局が、この動乱に全く関与していなかったという事実を心の底から信じている。そうではないことを示す確固たる証拠は山ほどあるのに、だ。

 極右のスボバダ党で指導者的立場にあり、長期に渡り党首もつとめているオレグ・チャニボク氏と副党首のルスラン・コシュリンスキー氏の主張では、マイダンでの狙撃手たちによる虐殺事件には米国が緊密に繋がっていたという。チャニボク氏の証言では、最初4人の抗議活動者が殺害されたあとで彼が驚いたのは、世界からの抗議の声が少なすぎたことだという。

 「なぜ反応がないのか?これでは足りないということか」と当時嘆いていた、とチャニボク氏は語っている。

 続いてコシュリンスキー氏が語った内容は、いったい何人の死者が出ればワシントン当局とその下僕たちがヤヌコビッチ大統領の退陣を求める声を大きく上げてくれるかについてだった:

 「米国側は最初の死者数について話していた―5人、20人....100人? いつになれば現政権を非難の的にできるだろうか? 最終的には、100人がいいということになった。圧力をかけてくることもなかったし、制裁をかけてくることもなかった。米国はただ、大虐殺が起こるのを待っていた。ウクライナ国内で大虐殺が生じれば、政権を責めることができる。そうなれば、一線を踏み越えたことになるからだ。政権が大虐殺を防ぎきれなかったということになるからだ。」

キット・クラレンバーグは、綿密に調査を行う記者であり、政治や世論を形成するという諜報機関の役割を詳しく取材している。

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
抜粋終わり

お読みくださりありがとうございます


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?