ゼレンスキーのWスタンダード

The Greyzone 誌
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ゼレンスキー氏、右翼セクター司令官ドミトロ・コツユバイロに「ウクライナの英雄」賞を授与

ウクライナのユダヤ系大統領ゼレンスキーは、ロシアとの戦争の最前線にいるネオナチ準軍事組織といかにして和解したのか。

アレクサンダー・ルービンシュタイン、マックス・ブルメンタール-2022年3月4日

西側メディアがウクライナにおけるナチスの影響という非難に反論するためにヴォロディミル・ゼレンスキーのユダヤ人の遺産を利用する一方で、大統領はネオナチ勢力に屈し、今では前線の戦闘員として彼らを頼りにしている。

2019年10月、ウクライナ東部の戦争が長引くなか、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ドンバスの「グレーゾーン」にしっかりと位置し、親ロシア側を中心に1万4000人以上が殺害された町、ゾロテに足を運びました。そこで大統領は、数マイル離れた場所で分離主義者との戦いを続ける極右準軍事部隊の屈強なベテラン兵士たちに出会った。

ロシアとの敵対関係の緩和を掲げて当選したゼレンスキーは、当時のドイツ外相ヴァルター・シュタインマイヤーが考案した、ロシア語圏のドネツクとルガンスクで選挙を行うといういわゆるシュタインマイヤー方式を実施しようと決心したのだ。

和平工作を妨害するキャンペーン「No to Capitulation」を展開していたネオナチ「アゾフ大隊」の過激派と対峙したゼレンスキーは、頑強な壁に突き当たった。 

前線からの離脱を訴えるも拒絶され、ゼレンスキーさんはカメラの前で憮然とした表情を浮かべた。「私はこの国の大統領だ。私はこの国の大統領であり、41歳だ。私は敗者ではない。私は、あなた方のところに行き、武器を撤去せよと言ったのだ」と、ゼレンスキーさんは戦闘員たちに訴えた。

この嵐のような対決の動画がウクライナのソーシャルメディアに広がると、ゼレンスキーは怒りの反撃の的となった。

アンドリー・ビレツキーは、かつて「世界の白色人種を率いて、セム人主導のUntermenschenに対する最後の聖戦を行う」と誓った誇り高きファシスト・アゾフ大隊の指導者で、ゼレンスキーがこれ以上迫るなら、数千人の戦闘員をゾロテに連れて行くと誓った。一方、ウクライナの前大統領ペトロ・ポロシェンコの政党の国会議員は、ゼレンスキーが過激派の手榴弾で吹き飛ばされることを公然と妄想していた。

ゼレンスキーは軽度の離脱を達成したものの、ネオナチ準軍事組織は「ノー・キャピタレーション」キャンペーンをエスカレートさせた。そして、数カ月もしないうちに、ゾロテで再び戦闘が過熱し始め、ミンスク協定違反の新たな連鎖を引き起こした。

この時点で、アゾフは正式にウクライナ軍に編入され、国家隊と呼ばれる街頭自警団がウクライナ内務省の監視のもと、国家警察とともに全国に展開された。2021年12月、ゼレンスキーはウクライナ議会での式典で、ファシズム右翼セクターの指導者に「ウクライナの英雄」賞を贈る姿を目撃することになる。

ロシアとの本格的な紛争が近づき、ゼレンスキーと過激派準軍事組織の距離は急速に縮まりつつあった。

この2月24日、ロシアのプーチン大統領がウクライナの「非軍事化・非麻痺化」のために軍隊を派遣したとき、アメリカのメディアは独自のミッションに着手した。それは、同国の軍事・政治領域におけるネオナチ準軍事組織の権力を否定することだった。米国政府が出資するナショナル・パブリック・ラジオが主張したように、「プーチンの（非武装化についての）言葉は不快であり、事実上間違っている」のである。

現代のウクライナにおけるナチズムの影響から目をそらすために、米国のメディアは、ユダヤ人出身の元テレビスターでコメディアンのゼレンスキーという人物に最も効果的なPRツールを見出した。俳優から政治家に転身した彼は、その役割を熱心に引き受けたのである。

しかし、これからわかるように、ゼレンスキーは自分の中のネオナチに譲歩しただけでなく、親ロシア派やロシア軍に対する自国の戦争の最前線の役割を彼らに託してしまったのである。

西側メディアのPR装置としての大統領のユダヤ人化 

BBCによると、プーチン大統領が2月24日にロシアの作戦目標としてデナズ化を宣言した演説の数時間前、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は「ナチスと戦って800万人の国民を失った国民が、どうしてナチズムを支持できるのかと尋ねた」という。

1980年代にソビエト連邦の無宗教のユダヤ人家庭で育ったゼレンスキー氏は、過去に自分の血統を軽視したことがある。"私がユダヤ人であるという事実は、私の長い欠点リストの中でかろうじて20番目に入っている "と、彼は2019年のインタビューで冗談を言い、宗教的背景についてこれ以上詳しく説明することを避けたのである。

ゼレンスキーはネオナチの抑制に失敗し、彼らと協力することになった。

2019年10月にゾロテの町でネオナチ武装勢力の動員解除に失敗したことを受け、ゼレンスキーは戦闘員たちをテーブルに呼び寄せ、記者団に「昨日、退役軍人たちに会った。国民軍団もアゾフも、みんないたよ。"

ユダヤ人大統領の数席先には、ネオナチ組織「C14」のリーダー、イェフヴェン・カラスがいた。

2014年にウクライナ選出の大統領を追放したマイダン「尊厳革命」の際、C14の活動家はキエフの市庁舎を占拠し、壁をネオナチの記章で塗り固めてからカナダ大使館に避難していた。

超国家主義者スヴォボダ党の元青年団であるC14は、米国のネオナチ指導者デイヴィッド・レーンの悪名高い14の言葉、"我々は民族の存在と白人の子供たちの未来を確保しなければならない "からその名を取っているようである。

お金を払ってくれる人のために壮大な暴力行為を行うことを提案することで、このフーリガンはウクライナのさまざまな統治機関や有力エリートと癒着してきた。

ネオナチ集団C14は、雇われ暴力を実行することを提案する。「C14はあなたのために働く。C14はあなたのために働いているのです。定期的に寄付してくださる方には、願い事を入れる箱を開けています。あなたの敵のうち、どの人の人生を困難に陥れたいですか？私たちはそれをやってみます。" " data-medium-

ロイターの2018年3月の報道では、「C14とキエフ市政府は最近、C14が街をパトロールする『市警』を設立することを認める協定を結んだ」とあり、ポグロムを実行するための国家の制裁を事実上与えている。

The Grayzoneが報じたように、C14はキエフ警察と協力してキエフの鉄道駅からロマニ族を「粛清」するための襲撃を指揮した。

この活動はキエフ市政府によって認可されただけでなく、アメリカ政府自身もほとんど問題視せず、キエフにあるアメリカ政府の公式機関でボンダールを受け入れ、彼はポグロムを自慢していたのです。  C14は2018年を通じて、"国家愛国主義教育 "のために国家資金を受け取り続けた。

カラスは、ウクライナのセキュリティサーヴェスが分離主義者の集会に関する情報を "我々だけでなく、アゾフや右派セクターなどにも "伝えると主張している。"

"一般的に、すべての派閥の議員、国家警備隊、ウクライナ保安庁、内務省が我々のために働いている。そんな風に冗談を言うこともできる」とカラスは言った。

2019年を通じて、ゼレンスキーと彼の政権は、ウクライナ全土の超国家主義的な要素との関係を深めた。

2019年11月にゼレンスキーがカラスらネオナチの指導者と会談したわずか数日後、オレクシー・ホンチャルク--当時は首相でゼレンスキー大統領府の副長官--が、C14の人物で殺人犯のアンドリー・メドヴェスコが主催するネオナチのコンサートのステージに登場したのである。

ゼレンスキー退役軍人担当大臣は、反ユダヤ的なメタルバンドが複数出演したこのコンサートに出席しただけでなく、Facebookでコンサートの宣伝を行った。

また2019年、ゼレンスキーはウクライナのサッカー選手ロマン・ゾルズィヤを、彼を "ナチス "と嘲笑するスペインのファンから擁護した。ゾルズィヤは、第二次世界大戦時代のナチス協力者ステパン・バンデラの写真の横でポーズをとり、アゾフ大隊を公然と支持していたのだ。ゼレンスキーはこの騒動に対し、ウクライナ全土がゾルズィヤを支持すると宣言し、「クールなサッカー選手であるだけでなく、真の愛国者である」と評した。

2021年11月、ウクライナで最も著名な超国家主義的民兵の一人、ドミトロ・ヤロシュは、ウクライナ軍総司令官の顧問に任命されたことを発表した。  ヤロシュは、2013年から2015年まで右派セクターを率い、ウクライナの「脱ロシア化」を主導することを誓ったナチス協力者バンデラの信奉者であることを公言している。

その1カ月後、ロシアとの戦争が近づくと、ゼレンスキーは右セクタの司令官ドミトロ・コツユバイロに「ウクライナの英雄」表彰を与えた。ダ・ヴィンチ」と呼ばれるコシュバイロは、前線基地でペットのオオカミを飼っており、訪れた記者たちに「ロシア語を話す子供たちの骨を食べさせる」と冗談を言うのが好きなのだそうです。

ゼレンスキーは右翼セクターの司令官ドミトロ・コツユバイロに「ウクライナの英雄」賞を授与した。

2022年2月5日、ロシアとの本格的な戦争が始まるわずか数日前に、ネオナチC14のイエベン・カラスはキエフで、彼の組織やそれに似た組織がウクライナの政治に享受した影響力を強調する目的で、茎を巻くような公演説を行った。

LGBTや外国の大使館は、『マイダンにはナチスはあまりいなかった、本当の思想的なものは10％くらいだろう』と言う」とカラスは発言している。"その8パーセント（のネオナチ）がいなければ、（マイダンのクーデターの）効果は90パーセントも低下していただろう"。

2014年のマイダンの「尊厳の革命」は、ネオナチの道具的な役割がなければ、「ゲイのパレード」になっていただろうと、彼は宣言している。

カラスはさらに、西側がウクライナの超国家主義者を武装させたのは、"我々が殺すのが楽しいからだ "と言い放った。  彼はまた、ロシアのバルカン化を空想し、ロシア人追放を宣言した。

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