見出し画像

【大回りワンイチ】自転車2日目,館山〜三浦半島一周

横浜を出発し房総半島外周を回った1日目。
2日目は、館山から金谷港まで走り、東京湾フェリーで久里浜港へ。
ぐるっと三浦半島を回り、鎌倉を経由して横浜に帰るコース。


せっかく館山まで来たのだから、以前仕事でお世話になった牧師が務めていた「日本キリスト教団 南房教会」を訪ねてみた。

「午後から子どもたちが集まる教会学校があるので、おもてなしはできませんが」と言いつつ、快く迎えてくれた梁(ヤン)牧師。
海辺から10分ほど、館山城のすぐ近く、市街を見下ろせる小高い丘の上にある小さな教会。
会堂の前に広がる芝生と、そこに置かれたベンチが都会とは時間の流れが違うことを教えてくれる。

夜はイルミネーションで綺麗だそうだ

地元ではこの時期、イルミネーションで輝く丘の上の教会として親しまれているそうだ。
「今年は節電呼びかけられてて、夜中になったら切らなきゃいけなくてね」
笑いながら話す牧師はどことなく寂しそうだった。

毎週土曜日は、福祉施設を運営する教会員の園児・園生たちが、日曜学校ならず土曜学校として集まってくるそう。
成人年齢が18歳に引き下がったおかげで、18歳になると施設から旅立っていく子どもたちの成人祝福式をできるようになったと、喜んで話してくれた。

教会の玄関から、あの牧師の姿を思いながら、館山の景色をしばらく眺めさせてもらった。

このベンチにあの牧師も座っていたのだろうか

しばらく談笑させてもらったあと、お礼を告げ2日目のコースへ。

金谷港までは、館山から続く太平洋岸自転車道をなぞるように走る。
源頼朝上陸地の碑など観光地の横を通り1時間ほどで金谷港に到着。


金谷港側のお寺の銀杏


手元には全国旅行支援を申し込むと付いてくる地域クーポンが3,000円。
昨夜も海鮮だったが、ここは港。
やはり海鮮が食べたくなる。

フェリーの切符と買うと、乗り場奥にある食堂へ。
昼時になると金谷港付近の定食屋はどこも混みだすのに比べ、ここはいつも空いている。かといって味に劣るというわけでもない(他の店を訪れたことがあるわけではないが)。
前回食べたアジフライは、それはそれは美味しかった。

今日はクーポンの恩恵を受けて名物「アジ丼」を大盛りで注文。
美味い。なんなら宿で食べた刺身より断然こっちの方が新鮮で美味い。
スーパーの寿司と寿司屋の寿司くらい違う。
美味だ。これにしてよかった。

アジ丼大盛1400円

食べているうちに、自転車乗りさんたちがゾロゾロと入店。
自転車を停めておくスペースもあり、東京湾一周する自転車乗りにとっても御用達の店なんだろう。

食後は、余ったクーポンを使って妻へのお土産と補給食を購入。
埠頭海を眺めながら読書をしているうちに、船がやってきた。

金谷港の防波堤でしばし読書

この日は、車が多い日だったようで、初めて2階の駐車スペースへ案内された。
船内では窓際の席を確保し、お菓子をつまみながら本を開いていると、気付いた時には夢の世界へ。
乗り物+本の睡眠導入の力は一体なんなんだろうか。

1時間も経たずに久里浜港へ到着。
寝ぼけた頭を再起動させて、三浦半島の旅へいざ出発。

昨日から走っている「太平洋岸自転車道」。実はこの東京湾フェリーもそのコースの一部。
千葉〜東京〜横浜は交通量も多く自転車旅には不向きなので、この海道もコースとして設定されたそうだ。

三浦半島はチームの先輩方とよく走りに行くコースだが、実はちゃんと一周をしたことがなかった。

というのも横須賀市までの道がごちゃごちゃしていることや、帰りの渋滞などが嫌で、わざわざ一人で走りに行くということをしたことがなかった。

しかし今回は久里浜スタート。煩わしい道をパスし、海辺の道を思う存分楽しめる。

走り出して気づいたのだが、千葉より道がいい。
海を眺めながら走れるし、そんなに住宅街を走らされるということもない。
有料道路に阻まれるなんてこともない。
太っ腹だ。

三浦市に入ると、漁港と農地の横を交互に走ることになる。下ると漁港、上ると農地。そんな感じだ。
三浦は第一次産業がまだまだ盛んな土地だ。
「鎌倉殿の13人」で活躍している三浦一族のことを思うと、農業も漁業もと、当時から豊かな土地だったことがわかる。(あくまで想像だが)

農地の奥に富士山を眺める

南端の三崎港に着くと、いたるところにマグロをウリにするお店がある。依然訪れたときより、サイクルラックを置くお店も増えたように思う。
醤油を持参したうえで、市場でマグロのサクを買って、フリースペースでワイワイしながら食べるのが通の楽しみ方らしい。
漁港から少し登ったところは、三浦氏の城「三崎城」跡があると聞く。

港を見るとその先には城ヶ島。
島に挟まれた入江だからか、大昔から、天候の影響を受けづらい最高の港だったのだろう。

その城ヶ島はルートに含まれていないのでパスし、逗子、鎌倉方面へと急ぐ。
しばらく内陸を走ると、葉山から再び海岸横の道に戻る。

海岸沿いの開けた道は気持ちいいし、砂浜でレジャーを楽しんでいる人たちを眺めるのも楽しい。
内陸に入っても、観光地、別荘地とあるだけ小綺麗な道が続く。比較的交通量も多く、車も混み合ってはいるが、そんなに嫌な気持ちにはならない。
当然自転車乗りの姿もよく見かける。

逗子に向かって走っていると、日の入が近づいてきた。
海を見ると、富士山の影がくっきりと。
夕日と富士山を眺めながら走る海岸線。
最高じゃないか。

由比ガ浜

鎌倉の由比ガ浜に着くと、夕日を眺める人々ですでにいっぱい。
写真を一枚撮り、鶴岡八幡宮へ。
大河ドラマの影響関係なく混み合っている。
ただし、道の真ん中にある昔からの参道の人気は多いように感じた。

鶴岡八幡宮に到着。
鳥居より向こうは自転車では行けないので、遠巻きに階段を見る。
実朝が公暁に殺された場所はあそこか…と大河ドラマの名シーンを思い出してじみじみと。
(寛一朗さん演じる、実朝殺害のときの公暁の演技が非常によかった。あの震える手、震える声。初めて人を殺めた人間の心情をリアルに演じてくれたと思う。)

あとは、八幡宮の横を通り抜けて鎌倉街道へ。
もう走り慣れた道だ。

経験上、鎌倉街道は午後になると横浜に向けて追い風が吹くことが多い。
一箇所上る以外は、ほとんどが下り基調。

関内、桜木町、みなとみらいと、見慣れた横浜を抜け、旅の最後には行きつけの自転車店グルペットへ。
いつも良くしてくださる店長さんと雑談し、家路に着いた。


この日の走行距離は122km。

二日間合計で377km。
獲得標高は1500mもいかないくらいだったか。
貧脚にはちょうどいい距離。

30代最初の旅。
さて次はどこを旅しよう。

今回のパッキング

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?