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ものを「作る」と「売る」話

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地場産業・伝統工芸・量産品の「作る」と「売る」に関する記事をまとめています。
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有名な人が作ったからという基準より、自分の好きな人が作ったからという基準の方が圧倒的に信用できる。

皆さんは何を基準にモノを買ったり、サービスを利用したりしますか? その製品やサービスのブランドであったり、品質であったり、価格であったり、口コミだったり、気持ちだったり、などと人それぞれだと思います。 そしてメーカーがどこであるとか、誰がデザインしたとか、生産地はどこかなどという、誰が作ったという視点も大切になってきています。 なので、今回は誰が作ったという基準について考えてみます。 私の考えは、有名な人が作ったからという基準より、自分の好きな人が作ったからという基準

商品の価格はどうやって決めるのか。消費者目線で、値段を決める方法を考える。

世の中のある「商品」には、すべて値段が決められています。しかし、いざ自分が決めるとなると、想像以上に難しいです。 価格は、消費者にとって商品を選ぶ上に最も重要な情報の一つだと言えます。つまり、値段が少し変わるだけで消費者の反応も大きく変わり、売れる売れないが決まると言っても過言ではありません。 出来る限り、その物の価値を下げずに、多くの人に買ってもらうような金額にしたいですが、価格が安いと売れるけど利益になりませんし、高いと売れません。 価格を安く設定しても、客観的に見

コロナの影響で、地場産業や伝統産業はどうなるか。ピンチかチャンスか

コロナの影響はものづくり業界、伝統産業にも影響が大きく出てきています。 具体的に言えば、新商品の発表でもある展示会が無くなり、バイヤーや新規取引の開拓が出来なかったり、百貨店などで行われる伝統工芸の催事が中止になり、販売自体が急激に減ったりしています。 この自粛や不況が続いていけば、必需品以外のモノは売れにくくなって、小さな地場産業はさらに苦しくなっていきます。この影響で倒産や廃業が加速してしまうのかも知れません。 この自粛中に売り上げが伸びないことは、一時的に経営は厳

売れることから全てが始まる

近年、ものづくり業界全体でストーリー重視の流れがあります。 また伝統工芸の業界でも、売れなくてもいいから、まずストーリーや思いを伝えるというのが大切という人が最近増えています。その重要性もわかりますが、こう言っている人達が生産者側であることが少ないと感じます。 つまり、外から見るのと、中から見るのとでは実状が大きく異なります。ストーリーや思いを知ってもらうことの大切ですが、もっと大事なことがあります。それは物が売れることです。 職人やメーカーという生産者の立場であれば、

DtoCとは自社ECサイトでただ販売することではなく、生産者がユーザーに直接伝えて販売すること。

DtoCとは、Direct to Consumerの略で、生産者やメーカーが、自ら企画し製造した商品を、小売店や卸を通すことなく、自社のECサイトや直営店で、直接ユーザーに販売するビジネスモデルのことです。 一般的にDtoCと言うと、自社のECサイトで直接顧客へ販売するビジネスモデルのことになっているのですが、本質的に言えば、メーカーがエンドユーザーに価値やストーリーを伝えて販売することを意味すると思っています。 なぜDtoCが流行っており、生産者やメーカーは積極的にやっ

良い販売員を見つけるか育てるか、それとも自分が販売員になるか。

前回、モノを作ることと同様に、モノを売ることの大切さを話しました。実際、消費者にモノを売るのは誰か。それは百貨店やセレクトショップなどの小売店などになります。最近では、オンラインショップなどもあります。 もっと細分化すると、小売店の中にいる販売員さんが消費者と会話やセールスをし、販売していくことになります。つまり、販売員さんのセールストークや能力がモノが売れるかにも影響してくると言えます。 その販売員さんがどれだけ製品について知っており、お客さんに説明できるかで、その製品

物を作るのも大変だけど、物を売るのも同じくらい大変。

デザイナーや職人さんは今までこの売ることをあまり注力せず、作ることばかりに専念していました。その結果、伝統産業や日本の製造業は衰退していき、デザイナーと職人さんのコラボは失敗することが多く、ものづくりは盛り上がりが欠けてしまいました。 大前提として物を作るのも大変です。ただ物を売るのも同じくらいに大変だということです。大事なことは、良いものを作り、ちゃんと売る。今までの製造業は、良いものを作ることができていましたが、ちゃんと売るまでを繋げられていません。 地場産業に関わる