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ものを「作る」と「売る」話

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地場産業・伝統工芸・量産品の「作る」と「売る」に関する記事をまとめています。
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#デザイナー

自分の仕事に誇りを持つのが大切

ある絵付けの職人さんは焼き物の工程で絵付けが一番大事だと言い、ある生地の職人さんは形作りが一番大事だと言っているのを聞いて、職人さん達は自分の仕事に誇りをもってるからこそ、素晴らしい仕事ができるのだと感じました。 職人の仕事は分業制が一般的であり、一つ一つの工程が無くてならないものであり、全ての工程が大切だと言えます。ただ個人だけでは完成せず、実感が湧きにくいという話も聞きます。 同様にデザイナーの仕事も、企画やデザインを請け負っていますが、製造や販売はクライアント側の仕

作りたいものではなく、使いたいものを作る。

技術ありきで作りたいものを作るシーズ視点・プロダクトアウトの考えで作ったプロダクトは、ものとして使えるものになることは少ないです。結果、売れないのでクライアントもデザイナーも商社も困り、技術が広まることもありません。 そうならないためにも、その技術を活かして、まずは自分たちが使いたいものを作ることをしましょう。自分たちが使いたいものであれば、同じ価値観を持った人、同じ問題を抱えている人は欲しくなり、買います。そうすると、全員に利益があり、結果技術が広まります。 前回お話し

デザイナーの実績作りのために商品開発をするのはもうやめよう

先週、デザイナーの実績作りのために商品開発をするのはやめようという話を職人さんと話していました。 なぜデザイナーが職人さんやメーカーにアイデアを持ち込むのかというと、大きく2つのパターンがあります。 ①仕事にも実績にもなるので、作ってほしい。(職人さんがお金を払う。) 販売や開発費用は職人さん持ちになるので、負担がかなり大きいです。もちろん販売などもお手伝いする前提のデザイナーもいますが、基本にはクライアントワークと同じになります。 しかし、クライアントワークにとって大

デザイナー、職人、リモートワーク

今現在、コロナウイルスの影響によってリモートワークが推奨されています。noteでもリモートオフィスというお題が始まったので、この機会にフリーランスのデザイナーのリモートワークについて話していきます。 そもそもフリーランスはリモートワークですらない。リモートワークは会社以外での勤務、主に在宅勤務のことを指します。つまり、フリーランスに勤め先はないので、どこで仕事をしようが自由です。 今現在は借りている事務所(コワーク)があるので、そこに通って基本的には作業や仕事をしている感

伝統工芸品の材料や道具は既に不足している

伝統工芸品を作り手である職人さんが年々減っているのは、周知の事実です。その理由としては、高齢化による引退、弟子不足、物が売れずに赤字になり倒産・廃業などがあります。 その原因の一つが、その職人にとって必要不可欠な材料や道具の不足です。今まで裏方であった道具や材料を作る職人については、これまで着目されることがありませんでした。多くの伝統工芸において伝統的製法の存続が危ぶまれていますが、その要因には道具・材料の職人の減少だと言えます。 材料や道具が不足している大きな3つの理由

職人さんの中には過去の経験からデザイナーを毛嫌いしている人もいる

職人さんの中で過去の経験からデザイナーを毛嫌いしている人もいる。 でもいま現在、地場産業や伝統工芸に関わっているデザイナーは皆正しく現状を把握して行動している。特に立体物のデザインは経験がないと非常に難しいので、そこは信頼してデザイナーに任せてほしい それにデザイナーの仕事は、意匠をデザインするだけではない。伝統工芸なら、その産地その企業でしかできないモノを考える。 売ることを前提にストーリーを伝えることも意識する。産地に行って、何回も打ち合わせして、課題提起して解決す

どうやって職人さんに自分という存在を知ってもらうか。前編

どうやって職人さんに自分という存在を知ってもらうか。 ウェブ上での発信もネットが使える世代の職人さんには効果的だけど、使えない職人さんにどうやって知ってもらうのか。今やっていることは交流会や展示会に行くことだけども、何かもっと良い方法はないかな 知ってる限りでは、20代で工芸メインに活動しているプロダクトデザイナーは実質俺だけなので、まず多くの方に工芸をやりたい若手デザイナーが居ることを知ってもらう 若手プロダクトデザイナーの中で工芸を任せるなら、俺と認識してもらえるよ

オープンファクトリー2019秋 モノづくり好きは行こう!

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 さて、オープンファクトリーというのはご存知ですか? 一言でいうと、工房を一般公開し、来場者が体験できる見学会です。 オープンファクトリーに行くメリットは、たくさんあります。 ・職人さんと気さくに話せる。とか ・一度に複数の工房を見て回れる。とか ・職人の技を実際に体験できることができる。とか ・いつもは見せてくれない現場を見せてくれる。とか そしてオープンファクトリーは秋の時期に多いので、まとめてみました。 モノづ

デザイナーの地場産業との関わり方

デザイナー目線での、地場産業との関わり方の話も書く。最初に言いたいことは「とりあえず産地に行こう、話はそれから」、「まず仕事ではなく、まず友人になろう」 この2つをやらない人が多いんだよね。 「とりあえず産地に行こう、話はそれから」 現地に行かず、東京だけで仕事をしているデザイナーが多い。商品開発とかアイデアのヒントは現場にしかないと思うし、職人さんと直に話さないと伝わらないことがたくさんある。 このデザイナーは一度しか工房来なかったなというのはすぐわかるし、職人さんと