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吹奏楽とマンドリンオーケストラ

吹奏楽部はどの中学校でも高校でもある気がします。しかしマンドリン部がある学校は少ないのではないのでしょうか?

今回はその要因を考えてみます。

まずは成り立ちから。吹奏楽は軍楽をルーツにしているらしく、昔は行軍演習の伴奏として使われたということを聞いたことがあります。これは現在でも形を変えて残っています。それは運動部の試合の応援。対するマンドリンオーケストラは、成り立ちが室内楽ゆえにどうしても室内で行うものになってしまいます。楽器の特質上、マンドリンオーケストラの楽器は吹奏楽のそれと比較して音が小さく湿気に弱いという難点があります。なので行軍の伴奏や運動部の応援などには不向きです。

次に楽器の価格。吹奏楽器はモノによりますが、初心者レベルの価格帯は5~7万円程度。対するマンドリンですが、安くても10万円はします。これでは初心者は購入しづらく、余計に演奏者が少なくなり製作者・販売者としては単価を上げざるを得ません。そして演奏者が少なくなるという悪循環に陥ります。

最後に「定番曲」という観点から。吹奏楽の定番曲としてフュージョンバンド「THE SQUARE」の「TAKARAJIMA」が挙げられます。原曲とは異なるキーで演奏されることが多いようです。「TAKARAJIMA」はレコードやCDとして一般に流通しており、音楽好きの間では”吹奏楽”という認識なく聴かれるものかもしれません。対するマンドリンオーケストラでの定番曲はマンドリン関係者しか知らない曲が多いです。試しに挙げてみます。「パストラルファンタジー」「舞踏風組曲」「杜の鼓動」「プレリュードⅡ」…マンドリン音楽を聴かない方で、これらの中で知っているものはありましたか?

ここまで書くとマンドリン業界の悪口に聞こえてしまうかもしれませんが、その意図はありません。むしろマンドリン業界を活性化したいのです。

成り立ちは仕方無いとして、残りの2つはどうにかなると感じています。
楽器の価格帯ですが、従来のマンドリンとは形状が異なるマンドリン(フラットマンドリン)がヒットしていて、これが拡大すれば低価格帯のマンドリンが普及するかもしれません。楽曲については私なりに頑張ってみました(笑)マンドロンチェロの曲を10曲以上書いたのは、この楽器を弾く人のためでもあります。

そんなこんなで変わりつつあるマンドリン業界を今後も見ていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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