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ブレイクビーツ作曲

今日はブレイクビーツという手法で作った曲について書きます。

そもそもブレイクビーツとは既存の楽曲を分解して、それを新たに組みなおす技法のことです。ヒップホップでよく使われます。

何かの記事で「ブレイクビーツは作曲ではない」という表現を目にしたので、へそ曲がりな私はとことんまで作曲という概念から外れたことをしてみたのがリンクの曲です。

まず私が排したものは「作曲意図」です。現代の楽曲の多くは「どういう思いで作ったか」を問われます。これを排しました。意図などありません。あるとすれば、そういう前提で楽曲として成立するかという実験です。

次に排したものが「サンプリング元への愛情」です。よく言われることとして「サンプリングをするなら元ネタへのリスペクトが大事」ということが挙げられます。これを排しました。この曲の制作では、iPhoneでサブスクを開き、画面を全く見ずに流れてきた音をそのまま録音して切り貼りしました。曲名やアーティスト名などは一切知りません。リスペクトというものは欠片もありません。

しかし制作過程で楽曲として成立するようには心掛けていました。その際に役立ったのが「ビート」です。ドラムパターンを加えると、楽曲として成立することが分かりました。ここから、音楽で一番重要なことは「リズム」であるという考えに至りました。一般的に音楽の三要素とは「メロディ」「ハーモニー」「リズム」とされていますが、私の試みで明らかになったことは「リズムが一番重要」ということです。

以前Sumer Sonicでドラムサークルというものに参加したことがあります。各種パーカッションが円形に並べられ、複数人で同じテンポで叩きあうというものです。この時感じたことは、「メロディやハーモニーが無くても楽しい」ということでした。

この経験からも、私にとって音楽で最低限必要なものは「リズム」であるということが言えます。

もちろん私の感じたところなど、ジョン・ケージの「3'43''」に比べれば思想的に立場が弱いかもしれません。しかし私はこの技法を気に入りました。これからもこの手法で作っていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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