羽咋診療所に『特殊浴槽』を寄贈
2021年度に寄贈した特殊浴槽の取材に行ってきました。
羽咋診療所デイケアは2000年の介護保険制度スタートからサービスを開始し、以前の特殊浴槽が設置されて17年が経過していました。
最初の頃デイケアは利益が出ていましたが、概ね3年ごとに行われる介護報酬改定で運営は年々厳しくなるなか、機械の老朽化も進み不具合や汚れが目立ってスタッフも年齢が進み、新しい特殊浴槽を購入するにも600万円程かかり、その他に様々な工事費が必要で、本当は安心して使える浴槽にしたいけれど、難しいのが現実です。
⚫︎スタッフのコメント
「本当に感謝、感謝しかありません。以前の機種では、お湯の入った状態、または利用者さんが入っている状態で浴槽を傾けるのに非常に労力がかかり利用者さんにも大きな負担となり、あわせて介護者の負担の一つでした。現在は、利用者さんを安全に浴槽内へ移動でき、浴槽を傾ける動作も無くなり、介護者の負担が軽減されました。温度調整も可能になり、浴槽が大きくなったことで利用者さんが肩まで浸かることができます。新しい特殊浴槽の設置工事も行って頂き掃除がしやすくなり衛生面も改善されました。スタッフのモチベーションが格段に上がり、仕事への意欲にも繋がっています。様々な面で変化をもたらしてくれた設備を大切に使っていきたいと思います。」
⚫︎利用者さんのコメント
「以前は一般浴槽に自分で入れていたが、足が上がらなくなり浴槽に入るのが怖かったが、この浴槽だと安全に移動するので怖くなくなった。週3回利用していてサッパリする。スタッフも見ていてくれるので安心です。」
この特殊浴槽は操作が簡単であるため、新しいスタッフでも短期間で習得することができ、業務の効率化にも貢献しています。
温度調整機能により、利用者一人ひとりに最適な温度で入浴を提供することが可能となり、これまで以上にきめ細やかなサービスが提供できるようになりました。
特に高齢者や身体の不自由な方々にとって、快適で安全な入浴は生活の質を大きく向上させる重要な要素です。
⚫︎介護の現状
羽咋診療所の定員は30名/日で平均25名/日ほどの利用があり、午前中の約3時間で入浴を終える必要があり単純計算で1人約7分しか時間がない過酷な現場です。
羽咋診療所のスタッフの皆様は、長年にわたり地域の健康を支えてきました。
私たちはその努力と献身に感謝し、設備投資により利用者・介護者共に笑顔になれる支援を行うことができ大変嬉しく思います。
当財団は、今後も地域の医療機関や福祉施設に対する支援を継続し、地域社会全体の健康と福祉の向上に努めてまいります。
事務局 牛ノ濱