第29節の振り返り vs三遠 game1

(良い意味で)らしからぬ立ち上がり

1Qは仙台の3Pが4/8と高確率で決まります。特に阿部の3Pは三遠のゾーンDFに対してパスでフリーを作ってからのいいショットでした。青木も宇都宮戦から自信を持ってシュートを打っている印象があります。アウトサイドに偏重したOFが若干不安でしたが、ラーがファストブレイクからファールドローしてフリースローで加点。こういうボールプッシュはブース、ゲルンにはないラーの強みの一つです。この試合は三遠#4クラークはコンディション不良か本調子とはほど遠い状態でした。DFへの戻りが遅いため、ラーのファストブレイクが効きます。そしてラーがDFでもクラークに前からプレッシャーを掛け、OFを停滞させます。仙台が圧倒してもおかしくないような好調さでしたが、さすがは三遠、こちらも4/9と高確率で3Pを決め、仙台4点ビハインドで1Q終了。

リードを広げる2Q

2Qの注目は三遠のゾーンに対する仙台のOF。まず最初にブースがトップでボールを受取り、三遠のDFが3-2ゾーンであること、ブースがボールを持つとダブルチーム気味にプレッシャーを掛けに来ること確認します。一度小林に戻した後、今度は1度目より少し深い位置でボールを受け、小林の前の細川を自分に引きつけてから小林にパス。このとき小林もおそらくブースの狙いを理解しており、パス交換の度に少しずつ左サイドに離れていってDFが追いつけないだけの距離を確保し、3Pを決めます。その次のポゼッションでは、左コーナーにいたブースがウイングにあがりボールをうけます。このタイミングでゲルンがゴール下にカッティングし、右サイド担当の#5大浦が下に引っ張られます。それを見て、右コーナーの澤邉にパス。澤邉から青木につなぎ、もう一度フリースローラインのブースへ。このとき左サイドの#32山内がブースに寄っていて、小林がフリーになっていました。おそらくブースはそこにパスをするつもりでしたが、山内がギャンブル気味にスティールしに来て前が空いたため、自分でシュート。この2プレーからブースのIQの高さが感じられます。このハイポストでブースがパスを受ける形は、①サイズがあるためパスが入れやすい②上を通せるためパスを展開しやすい③ミドルが得意なため離せない④パスがうまい(DFの動きを予想するのに長けている)以上の理由でとても強力です。ここで三遠はDFをマンツーマンに戻します。仙台の3Pラッシュを3-2ゾーンで止めに来た三遠の狙いを見事に砕いた形になりました。この後3Pは落ち始めましたが、ゲルンのバスケットカウント、ラーと渡辺のファストブレイクで加点し、仙台6点リードで前半を終えます。
 前半でリードを作れたのは、OFが好調なだけではなくDFもハードにできていたからです。この日の仙台はヘルプ、そこからのローテーションがとても速く、足が良くうごいていました。特に澤邉がDFで良い仕事をしていて、まず#1メイテンに対して完璧なタイミングで死角からトラップをしかけ、ファンブルを誘発します。次に#0ラベナのドライブに対してしっかりコンタクト、シュートチェックして止めきります。この他にも、渡辺がスクリーンで大浦に振り切られたときに若干大浦に寄ってプレッシャーを掛けてボールを離させつつ、きちんとラベナのDFに戻るなど、数字に残らない好プレーでサ
イズのあるヤンとはまた違ったDFを良さを見せてくれました。

ジェットコースターのような後半戦

試合最初のOFでおなじみスタッガースクリーンを使った阿部のドライブand1で第3Qが始まります。さらにはドライブからファールを受けながら空中で体勢を立て直しバンクショットでand1、速攻からブロックのタイミングを外す若干浮かせたレイアップと阿部が止まりません。ラーのファールトラブルという若干の不安要素を抱えながらも点差を15点に広げて4Qへ。4Q開始わずか1分41秒でラーがファウルアウト。これによりゲルン、ブースともに後半でわずか1分強しかベンチで休ませることができませんでした。そんな状況でもハッスルし続けるゲルン&ブースのおかげもあり、三遠の3Pが入り始めた中でも2桁点差をキープします。ですが、疲労からかブースのシュートが入らず(後半はFT3本の3得点のみ)徐々に点差を詰められます。さらには残り3分11点リードの場面でゲルンが4ファールになりDFの強度を下げざるを得ない状況に。ゲルンのプレッシャーが弱まったことでドライブ、インサイドへのパスがしやすくなった三遠は、キックアウトからの3Pを2本連続で決め点差を5点に詰めます。さらにタイムアウト明けのOFで阿部がボールをロストし、大浦へのロングパスが通って3点差に。ここで青木がゲルンとのP&Rから値千金のドライブand1。ここまで青木の得点は試合開始直後の3Pの3点のみで、青木のフィニッシュへの警戒度は低かったのではないかと思います。メイテンははゲルンへのパスを警戒し、青木から完全に目を切っていたことに加え、ゲルンに寄っていたためヘルプが間に合わず。これによって青木がドライブするスペースが生まれ、勝利を大きくたぐり寄せるand1につながりました。ここからHCチャレンジも使いながらうまく逃げ切って試合終了。リーグ全体2位の強豪三遠に価値ある一勝を収めました。

これでシーズン21勝目。昨シーズン、そして今シーズンの積み重ねが今形となり、少しずつ強豪相手の勝利が増えてきました。ここからどこまで勝ち星を伸ばせるか、シーズンの最後仙台はどんなチームになっているのか楽しみです。

今回も読んで下さりありがとうございました!


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