仙台89ers データで振り返る23-24シーズン~前編~

 オフシーズンになりましたが、ナイナーズファミリーの皆さんはいかがお過ごしでしょうか。僕は毎日15時になった瞬間に、不安とわくわくを抱えて自由交渉選手リストにアクセスしています。CSを見ているときと同じくらいハラハラしていますね。
 今回は、試合を見た印象からではなく、勝敗やスタッツから今シーズンのナイナーズについて考えていきます!

23-24シーズン成績 

27勝33敗(東地区6位 リーグ16位)
ホーム14勝16敗 アウェー13勝17敗
対東地区成績 13勝15敗
対CS出場チーム成績 5勝17敗

 30勝(勝率5割)を目標に掲げた今シーズン。残念ながら勝率5割にはあと3勝及びませんでしたが、ナイナーズのB1での最多勝利数を8更新。しかし強豪揃いの東地区、地区順位は6位に終わりました。対東地区成績は13勝15敗と5割近い成績勝率をキープしたのですが、東京、宇都宮に全敗。一方で北海道には相性が良く4戦全勝、茨城にも4戦3勝。ここから勝ち星を稼ぎました。CS出場チームとの対戦成績は5勝17敗と大きく負け越し(17敗のうち8敗が先ほど上げた東京、宇都宮)。この5勝の内訳は千葉から2勝、三遠、広島、琉球から1勝ずつ。シーズン通して1勝もできなかったのが、東地区の東京、宇都宮、他地区だと名古屋D、三河、渋谷、佐賀、大阪の計7チーム。このうち宇都宮、東京、渋谷、の3チームは平均失点がリーグTOP4です。TOP4にこそ入りませんが、佐賀が6位、三河が8位とこちらもDFが良いチーム。一方で平均得点TOP5のチームで1勝もできなかったのは名古屋Dのみです。
 以上のことから、「OFが持ち味のチームと相性が良く、DFが持ち味のチームに相性が悪い傾向がある」ことがわかります。

勝ち試合と負け試合でのスタッツの変化

 今シーズンのナイナーズの試合を見て「阿部の調子が悪いと打開できない」という印象を持った方も多いのではないでしょうか?実際その印象通りのデータがあり、勝ち試合の阿部のPPGは18.3ですが、負け試合だと11.6と大きく落ち込みます。このように阿部の調子とチームの勝敗に強い関連性がありました。来シーズンも阿部をチームの中心に据えて戦うのであれば、①「チームとしてどうやって阿部に点を取らせるか」②「阿部が点を取れないときにどうするか」がカギになっていきそうです。一方で気になるデータを残しているのがラー。勝ち試合のPPGは12.9ですが、負け試合のPPGは15.7で、なんと負け試合のPPGの方が高いです。FGAPGも負け試合の方が2本多いです。ラーが②の役割を担おうとしていたのが現れている数字だと思います。ちなみに負け試合PPGはラーがチームトップです。困った時にラーが助けてくれていた証拠であり、ラーが目立っているときはチームとしてうまくいっていなかった証拠でもあります。

 次に勝敗別チームスタッツ。大きく差があるのがやはりシュート精度。負け試合は2P%が47%、3P%が31%なのに対し勝ち試合では2P%が53%、3P%が36%とそれぞれ5%程の差があります。一方でFT%は負け試合の方が低いです。しかし、FTAPGは勝ち試合の方が3本弱多いです。FGAは勝ち試合の方が2本多いですが、大きな差は出ていません。スローダウンさせられて負けたということはなさそうです。そして、意外にもTOPGの差は1本。FGAには大きな差がないにも関わらず、2P%が低下し、FTAが減少していることから、負け試合ではゴール下にアタックしきれず(させて貰えず)、ミドルシュートを打って外しているという傾向がもしかしたらあるのかもしれません。(勝敗別ショットチャートが見つからなかったため調べられませんでした…)

 ということで、負けるときは「ただひたすらにチームとしてシュートが入っていない」ことがわかります。すごく当たり前のことに聞こえますが、「どんな相手にも自分達の速い展開のバスケットができている」というのは今シーズンの大きな収穫だと思います。選手達が、「自分達のスタイルを貫けば、どんな相手とも戦える」という自信を持ってシーズン通して戦えていたのではないでしょうか。そしてシュート確率が高まれば、勝率もぐっと上がりそうです。(ただこれが難しい…)

前編は以上です!後編ではもっと細かい数字に着目しながら今シーズンを振り返っていきます!
最後まで読んでくださりありがとうございました!

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