第30節の振り返り vs島根 game2

阿部にとっては古巣凱旋試合の島根戦。

チームを支えるロールプレーヤー達

 誰もがその名を知っているであろう島根の大エース#2ビュフォード。試合前はヤンをスタートにしてビュフォードのDFを担当すると予想しましたが、まさかの澤邉がスタート。サイズはビュフォードが上ですが、きっちり一本止めきります。さらにポストアップを止めきってTOを誘発します。三遠戦での#0ラベナ、そしてビュフォードへの好DF、一方で京都#77岡田とのマッチアップではかなり苦しんでいたので、澤邉はミスマッチを狙ってフィジカルに攻めてくるタイプへのDFが得意で、巧みなハンドリングやステップワークで攻めるタイプは苦手なのかもしれません。宇都宮#6比江島や仙台#13阿部とは相性が悪そうです。
 そして1Qチームとしてシュートタッチが悪い中、ヤンがOFリバウンドで試合をつなぎます。サイズを活かす競り合いからのリバウンド、走り込んでのロングリバウンドと貪欲にボールを追います。結果的に得点にはつながりませんでしたが、このOFリバウンドで島根がOFに使う時間を3ポゼッション分仙台のものにし、ヤンが拾ったロングリバウンドが島根の手に渡っていた場合に速攻でする可能性のあった失点を防ぐという好プレーでした。後半はOFでも持ち味を発揮。島根がブースにダブルチームを仕掛けたタイミングでフリースローラインに走り込んでボールを受け、スイッチでできたミスマッチからシュートをねじ込みます。さらに、ラーのポストアップに#4ケイがヘルプに出てヤンから目を切ったタイミングでコーナーからゴールへカッティングしての合わせ。こういうプレーはチームの連携の高まりを感じますね。

これがラーの最適解&OFの伸びしろ

この試合ラーはチーム2番目の20得点を記録しました。再三言ってきたラーの攻め方がこの試合は理想的なものだったと思います。P&Rからのレイアップ、ミスマッチをを作ってからのポストアップ、深い位置でしっかりポジションをとってからのフックとチームOFで作ったズレから得点を重ねていきました。さらに速攻でも先頭を走り、レイアップをねじ込みます。ラーがやると簡単そうに見えますが、DFをよけて体が流れながらのレイアップなので、見た目より難易度が高いです。ただFTはもうちょっと決めて欲しいところ。(この試合は4/7)ラーに限った話ではありませんが、FTをもう少し決めていれば、もっと楽な展開になっていたはず。この試合はチームで11/24と50%を切っています。前半点数が伸び悩んだ原因の1つはFTでした(前半は5/15で33%…)仙台は1試合平均17.4本(リーグ10位)のFT試投数ですが、成功率は64.9%でリーグワースト2位です。FTを毎試合あと2本決めればと平均得点が80点を超えます。仙台は80点以上取った試合の勝率が20/27の74%です。逆に、80得点を下回った試合の勝率が2/23の8%で異様に低いため、FT成功率を上げて平均80得点に乗せられるかが躍進のカギになりそうです。

仙台の大エース阿部諒

前日のgame1ではビュフォードのDFに苦しんだ阿部。リーチの長さに対応できず、普段なら通せるパスが通せずTOになっているという印象で、今シーズン3番目に多い5TOを犯しました。しかしこの試合は前日のミスを取り返すかのように前半から得点していきます。圧巻だったのは3Q。3連続3Pからドライブでゲルンへの合わせと5分間で13得点に絡む活躍を見せ、一気に同点に追いつきます。この大活躍と関係がありそうなのが#15白濱のファウルトラブルです。前半から、#13津山にスイッチされたタイミングでの仕掛けがいくつかありました。阿部はG陣とマッチアップする時間が長い試合ほど活躍する傾向があります。この5分間のプレーもビュフォードの上からの3P,津山の上からの3P、安藤の上からの3P、津山に対してドライブを仕掛けゲルンへの合わせとG陣から多く得点しています。津山のポジションに本来のスターターでは守備に定評のあるSFの白濱が入ります。白濱のファウルが嵩んだことでG陣とのマッチアップが増え、3Q前半の大爆発につながったのではないでしょうか。ただこの試合の阿部はマークマンが誰だろうと関係なく得点していいます。マークのズレからビュフォードのブロックを躱してのレイアップ、さらには白濱とコンタクトしながらタフなショットをねじ込み、最終的に3Qだけで13得点。4Qでも1点差に詰め寄られてから得意のプルアップジャンパー、逆転されてからの3PとチームのOFが停滞する中で得点を重ねます。OTでも最初のFTを決め仙台にリードをもたらし、DFではケイへのパスをディフレクションします。そして僕が1番すごいと思ったのがOT残り2分強からのプレー。阿部のミドル、3Pが連続で外れた後に自分でドライブからステップを踏んで後ろに下がりながらの2P。三遠の#14金丸を彷彿とさせるシュートでしたね。島根時代のチームメイトですし、影響を受けているところもあるのかもしれません。ただこのプレーですごいと思ったのは技術よりもメンタルの部分です。この点差、そして直前に2本連続で外しているのに自分でシュートに行く気持ちの強さ。チームの勝敗を背負うエースの覚悟を感じました。#3安藤の連続得点で同点に追いつかれますが、またしても阿部。スイッチで#4ケイのところにミスマッチが出来たのを見て、安藤がそこにボールを入れるのを読んで死角からスティール。完全に読み切っていました。ラーのショットは外れますが、阿部がそれを拾って34点目。アンスポのFTも決めてキャリアハイの35点です。ゲームの締め方はヒヤヒヤしましたが、島根から1勝をもぎ取りました。

CSのワイルドカード争いの最中の島根にとって、順位が下の仙台戦は落とせない試合であり、必勝の気持ちを持って試合に臨んでいたはずです。その島根に勝ったことは素晴らしいと思いますし、何より島根に負けない気迫が感じられたことが1ブースターとして誇らしかったです。

今回も読んで下さりありがとうございました!



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