見出し画像

Best Of Whisky Blind Tasting Competition 2022 全解答と振り返り・雑感

昨年は3位だった、オランダの酒屋Best Of Wine(Whisky)主催のブラインドテイスティングのコンペティション。

簡単に説明すると、小瓶で届くウイスキーサンプルをテイスティングし、蒸留所、熟成年数や度数を予想してWeb上で回答し、毎日1つずつ正答が発表されるのが12日間続き、回答には必ずしも蒸留所を当てられなくても部分点があり、毎日点数がついていって、12日間の末にもっとも点数が高い人が勝者となる大会である。
細かいルールなどは、https://bestofwines.com/btc/rules/を参照。
今年も12日間戦い抜いて、およそ120人中38位という恥さらしな結果ではあるが、自戒のつもりで回答・メモ・感想など公開する。

#1
N:黄桃、洋梨、レモンのわた→すこしもっさり、麦芽、ココア
P:太めのボディ、蜂蜜、黄桃、
F:ややビター
思考:
Ben Nevis, 8y, PX Finish, 54%
Mannochmore, 13y, Bourbon, 54%
迷ってベンネヴィスを選択。
解答:Mannochmore, 22y, 55.8%。
両者ともエステリーな華やかさは捉えられており、惜しいと感じた。1問目なので、なんとなく、人気蒸留所だろうと邪推しており、熟成年数でわかるべきだったが、眩んでいた。

#2
N:ヨードと土+かすかなBBQ、洋梨、オレンジピール、軽く華やか
P:麦の甘さ・ビターさが主体、酸味もあり
F:長い、標準的な樽出し短熟アイラの印象
思考:Caol ila, 8y, 1st fill bourbon hogshead, 57%
解答:Lagavulin, 12y, 56.5%
やってしまった。華やかよりも、重たい成分が多かったかもしれない。
黒土・BBQから連想してもよかったかもしれない。

#3
N:レーズン、麦汁、黒糖、アニス、バニラ、乳酸、経時で結構ブドウ生き生き
P:黒糖、サルタナ(白っぽいブドウ)!
F:樽渋、スパイス、レーズンタンニン、
思考:
Glenallachie, 10y, 1st Oloroso, 55%
Macduff, 12y, 55%
→ Macduffを選択
解答:Fettercairn, 14y, 55.2%
度数や地域で部分点は獲得。正直、このあたりは深追いできない気がする

#4
N:レーズン、ドライアプリコット、りんご、シナモン、モカ、はちみつ、硫黄~ゴム、もったり、ヘザー、黒糖~ラム?
P:熟した果実の甘味、ベタッとした甘み、レーズン、ドライマンゴー、潮っぽさ、
F:モカ、ダークフルーツの甘み
思考:1st PX finish?、56%、Arran < Jura, Tobermory, < Highland Park
すごくネガ多くはない。Highland Park!
解答:Springbank, Cask Strength, 12y
スプリングバンクとハイパは自分の中で似たカテゴリーなのだろう。

#5
N:黄桃、洋梨、はちみつ、シナモン、クローブ、バニラ、モカ、ヘザーピート?
P:レーズン、ドライアプリコットの甘み、酸味渋み穏やか
F:Alc低く短め、ライト
思考:Highland park, Sherry Butt, 43-45%,
解答:Macallan rich cacao, 44%

#6
N:すみれ、グレープフルーツ、溶剤、エタノール、甘草
P:
F:灰っぽい、グレープフルーツのわた、
思考:
Loch Lomond, Bourbon, 10y, 48%
人工的なケミカルな柑橘の甘さが、以前飲んだLoch lomondとそっくりで、即決。
解答:Glen Garioch, 10y, 53.4%
Glen Gariochにこのような香味が出せるのか・・・

#7
N:レーズン、かりんとう、革オイル、金属、焦げ、黒土、バニラ
P:熟したフルーツの甘味、しっかりした酸味・渋み、
F:しっかりと焦げ・タールの余韻、長い
思考:Sherry, 53-56%, ネガティブが多いので、Croftengia
解答:Lindores Abbey
非常に洗練されていないお酒の印象を受けたが、新興3年ものだとは。
新興蒸留所で濃いシェリーは珍しく、想定していなかった。

#8
N:洋梨、瓜、グリーンノート>はちみつ、ドライオレンジ>シナモン、スポンジケーキ、焦げ~かすかに硫黄
P:熟したフルーツ(洋梨、りんご、アプリコット)、優しい酸、しっかりした渋み。
F:ややドライで中程度。熟成感がある。水由来のピート?とするとSpeysideか。
思考:
HHD, 51-54%, Benrinnes / Mortlach などのSpeyside熟成長め
Glenallachie 24y Duchess 55%
Inchgower, 26y, 52%
→インチガワーにした
解答:GlenAllachie, 24y, 55.1%
2択で痛恨のミステイク…

#9
N:エステル、洋梨、メロン、メンソール、鉄、黒土、枯れ草、焦げ
P:甘い、すこしケミカルなフルーツ
F:灰、黒土、焦げの余韻
思考:
Bourbon HHD, Highland地方, 内陸ピート, 53-55%
Longrow, Bunnahabhain, Ardmore, Benriach, Benromach,
独特の親しんだ感じ、おいしい、麦の甘みの厚みがある
→Longrow RED 15y, 53.7%
解答:Highland Park, GMCC, Butt, 2004-2022;17y, 49.4%
ハイパ迷子である。内陸ピート・潮っぽい&ボディは厚くて美味しいことから、ロングロウと間違ってしまった。

#10
N:ベリージャム、オレンジ、革、ブルーベリー、ホイップクリーム、
P:甘い果実(ベリー)、しっかりとした渋み、優しい酸味
F:柔らかなピート、フルーティー、樽、調和が取れている
思考:
Sherry, 56-58%、内陸系ピート
Longrow, Bruichladdich
Bowmoreやラフではない、ベリー系でWine Finish?
Bruichladdich, 12y, Rivesaltes HHD, 52%
解答:Kilkerran 8y, Sherry cask matured, 58.1%
ハイランドパーク、キルケラン、スプリングバンク、ブルックラディが迷子である。正直、Longrowは挙げたものの、Kilkerranはそもそも想定していなかった。。。

#11
N:オレンジ、レーズン、黒糖菓子、麦芽、バニラ、
P:甘み、酸味、渋みあり。
F:スパイス、酸味・渋みが程よく続く。モカあり。
思考:
黄色い果実の要素もかなりあるのでSherry finish, 55-58%, 若さのエステリー目立つがよい酒質・よい樽。
Ben Nevis, Speyside region, Arran → Ben Nevis, 8y, 49%, PX fin
解答:Arran 18y 46% Distilery Bottle
フルーツ感はArranも迷っていた。Finではなくオフィシャルバッティングだった…。悔しい。

#12
N:ヨード、ベッコウ飴、革オイル、
P:甘みのあとにしっかり酸・渋、
F:パヒュームな余韻、しっかり酸味
思考:
Bowmore一択。ここまでパヒュームなボウモアは近年ではなく、最近のボトリングなら少なくとも30年熟成。熟成感があり、度数もしっかりなので、18y, 53%とした。
解答:Bowmore, 21y, 51.8%, Masters Selection Aston Martin, 1stPX and Oloroso
最後はなんとか蒸留所は正解。現行の21年でここまでパヒュームとは…これはとてもおいしい良いボウモア。

最終スコア:Taimax8 232/1200, #38
(1位は 499/1200)
昨年は早々に蒸留所がいくつか当たって、上位でずっといけていたが、今年は蒸留所が当たらず、点が伸びなかった。次点に挙げていた回答候補が正解になることが多く、悔しい。しかしそこが甘さだということ。

自己分析:
とにかく次点で挙げているウイスキーになることが多かった。漠然とカテゴライズできているが、明確にわけられていないということなので、これからはもっと重点的に違いを捉える練習が必要。
特に今回は華やかなモルティーさでキルケラン・ロングロウも含むバンクファミリー、ブルックラディが迷子。内陸ピートでハイパ、バンク系、ラディも迷いあり。やや人工的なフルーティーで、マノックモア、ベンネヴィス、グレンギリー、ロッホローモンド。厚みのあるフルーツ香でアランとベンネヴィス。
あとはネガティブゴミ箱診断での、ロッホローモンド(笑)を改めるべきかもしれない。最近はおいしいのも増えていると思うのだが、わざわざ苦手な可能性があるものをバーなどで飲まないので、アップデートされていない。新たにリンドーズアビーがネガティブゴミ箱に仲間入り!?

テクニカルな部分では、昨年と違って在庫ありの商品以外から解答あり。色での判断は大いに参考になるが、在庫商品に引っ張られるすぎるのは避けたい。今年はFinishものはなく、オフィシャルバッティングは7つ出題された。そのうちスタンダードの加水ものは1つのみで、ほかはオフィシャルCS限定リリースであった。相変わらずオランダのボトラーズのボトルの出題は今回も3本(Duches, Micheal Wigman, WhiskyNerds)と多め。他のボトラーズはGMとAlistair WalkerのInfrequent Flyersのみ。
度数はある程度の量を飲まないとわかりづらいので、最初は小瓶の半分弱を注ぎ入れ、普通のテイスティング。ここで度数を決めてしまう。そのあと時間をかけて蒸留所や樽構成を分析的に少しずつ飲むのがよさそう。

TO DO
自宅の大量の小瓶サンプルの似たカテゴリーを比較ブラインドで飲む。
自分のテイスティングの傾向、悩みやPitfallの把握・可視化をしたい。
→ 自分なりのブラインドテイスティングマップを作成する。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?